関東大震災の復興計画の一環として、1928（昭和3）年に東京市が職業紹介所として建設しました。構造は鉄筋コンクリート造3階建て、東京市が設計、小田組が施工を行いました。1〜2階に婦人少年職業紹介所、3階に知識階級を対象とする本郷職業紹介所を設置し、不況による就職難の中、求職者に仕事を仲介しました。数度の用途変更があり、1945年には空襲により2階と3階が焼失。2度にわたる改修の後、1948年から飯田橋公共職業安定所本郷分室として日雇労働の紹介業務を行いました。1949年に東京都お茶の水公共職業補導所となり、1991年まで事業所内訓練教室が設置されていました。その後は教育庁お茶の水庁舎として使用し、2001年にアートセンターとして改修を行い、開館しました。既存の梁や壁を生かしたデザインに仕上げ、今でも戦前の建物の名残を見ることができます。

2022年9月25日撮影