GC(garbage collection;ガベージコレクション) 
- プログラムが動的に確保したメモリ領域のうち、不要になった領域を自動的に解放する機能。
- 直訳すれば「ゴミ収集」。
- コストがかかる処理。一旦始まるとCPUを長時間占有する。
- 起きるタイミングや占有時間の事前予測が困難なため、リアルタイムシステムには向いていない。
ガベージ・コレクションの種類
| Scavenge GC | NEW領域のみを対象とした短時間で終了するガベージ・コレクション | 頻繁に実施 |
| Full GC | NEWとOLD両方の領域を対象とした大がかりなガベージ・コレクション | 比較的低い頻度で実施 |
例）JVMのオブジェクトサイズがGC前は66MB→GC後は45MB(ヒープ内の空き領域は246MB),領域解放に1.7秒要した。
[Full GC 66518K->45639K(249088K), 1.6836858 secs]
JAVAヒープ・メモリ構造
| NEW領域 | 新しいオブジェクトを格納する領域 | |
| + Eden領域 | 新しいオブジェクトが作成された際に最初に配置されるメモリ領域 | |
| + From領域(Survivor領域1) | Eden領域から移動後に配置される領域(1回目のTo領域だった領域) | |
| + To領域(Survivor領域0) | Scavenge GC実行時に使用中のオブジェクトが移動する領域 | |
| OLD領域 | 古いオブジェクトを格納する領域 | |
| Permanent領域 | JVMにロードされたクラスやメソッドの情報が格納される領域 | ロードされるクラスの数に比例 |
処理の流れ
- 新規オブジェクトはまず、Eden領域に生成される。
- Eden領域が満杯になるとScavenge GCが実行され、使用中のオブジェクトはTo領域(Survivor領域0)へ移動、不要なオブジェクトは破棄される。
- Eden領域が再度満杯になり、2回目のScavenge GCが実行されると、2が実行され、To領域のオブジェクトはFrom領域(Survivor領域1)へ移動する。
- 2,3の処理を繰り返し、To領域、From領域間の移動回数が「MaxTenuringThreshold」(デフォルト値:32)を上回ったオブジェクトはOLD領域へ移動される。
JVMオプション
| -Xms | ヒープ・メモリ全体の起動時のサイズ |
| -Xmx | ヒープ・メモリ全体の最大サイズ |
| -XX:NewSize | NEW領域の初期サイズ |
| -XX:MaxNewSize | NEW領域の最大サイズ |
| -XX:PermSize | Permanent 領域の初期サイズ |
| -XX:MaxPermSize | Permanent 領域の最大サイズ |
| -XX:SurvivorRatio=<n> | Eden領域のサイズをFromまたはTo領域のサイズで割った値（FromとTo領域は同じサイズ） |
| -verbose:gc | JVM内部で実行されるガベージ・コレクション（GC）を詳細にトレースする。 |
| -Xnoclassgc | Permanent領域全体をフルGCの対象外とする |
- 単位はm(MB)で設定する。
メモリサイズ設定における勘所
- 最大サイズと初期サイズは同一にする。
- New領域はヒープサイズの1/3を目安に！FullGCが実行されると処理が停止し、性能に影響があるため、FullGCがなるだけ起きないようにOldの領域を大きめに確保する。
JVM
HotSpot VM
- HotSpotコンパイラを搭載。
- 実行頻度の高い部分のみコンパイルを行う。(80/20の法則)
- コンパイル時間のオーバーヘッドが少ない。
- クライアントVM/サーバVMの2種類の起動モードがある。
- Java 2 SDK Standard Edition には、1 つまたは複数の Java 仮想マシン (VM) 実装が組み込まれている。
Java HotSpot Client Virtual Machine (クライアント VM)
- 起動時間を短縮し、メモリサイズを縮小するように調整されている。
- アプリケーションの起動時に、-client コマンド行オプションを使って呼び出す。
Java HotSpot Server Virtual Machine (サーバ VM)
- プログラム実行速度が最大になるように設計されている。
- アプリケーションの起動時に、-server コマンド行オプションを使って呼び出す。
実行VMの確認方法
��「java -version」コマンド
��環境変数「_JAVA_LAUNCHER_DEBUG」
��「jvm.cfg」ファイル
- アプリ実行前にjava -versionで表示されるメッセージを確認する。
��環境変数「_JAVA_LAUNCHER_DEBUG」
- 環境変数_JAVA_LAUNCHER_DEBUGを定義すると起動時にデバッグメッセージが表示される。メッセージ中のJVM Pathの行を見れば、ディレクトリ名からclientかserverが判別できる。
��「jvm.cfg」ファイル
- コマンドラインで指定しない場合、このファイルに記述された有効なVMが選択される。
- 複数記述されているときは、上に書かれたものが優先的に選択される。
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