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リリザもの



サーカス団とは名ばかりのサーカス団の、もう殆ど使われなくなった、狭い道具倉庫。
そこにしばしば居て、1人の時間をぼんやりと楽しむ少女が居た。名をリリザ。
彼女にとっては狭くて暗い密室は最も好む場所であった。

そして今、その彼女の1人の時間を破るかのように、道具倉庫の扉が開けられた。
この場所に用があるなんて、一体誰だろう、と思ったが高く積み上げられた埃まみれの道具の上から入ってきた人間の顔を覗くと、すぐに納得した。
ソルガとソシア、いつも自分に付きまとっている甥っ子である。
過去には、彼女は2人に相当酷い目にも遭わせられたが、現在は仲の良い遊び相手、という程度であった。
「ああ、やっぱり叔母さんここにいた。」
双子の片方が自分を呼ぶと、自分は今は1人でいたいから遊ぶことは出来ない、そう伝えようと道具の上からリリザは飛び降りた。
しかし地面に着地した瞬間、リリザはソシアにいきなり体を押さえられ、ソルガに腰の後ろに手を回され、縄で縛られてしまった。
「…なっ!ちょっと、やめなさい!」
さすがに冗談が過ぎると思い驚いて叫ぶが、2人とも冗談ではなく、まともに聞く気は無かった。
「…叔母さん、どうせもうヒシン兄としてて、処女じゃないんでしょ?」
その事は事実であった。
そして、そこまで言われれば、リリザ自身も自分がこれから何をされようとしているか気が付いた。
「あなた達…こんな事をしたらっ…」
顔を赤らめながら制止しようとするが、
全てを言う前に、リリザはソルガに口を布で塞がれてしまった。薬品のにおいがリリザの鼻腔をつく。どうやら媚薬をしみこませてあるらしい。
「タダじゃ済まないのは分かってるさ…でも、叔母さんならこの事を母さんに言ったり、しないでしょ…?」
「僕たち…『可愛い甥っ子』だもんね?」
薄笑いを浮かべたままの表情で、2人は言い放った。
悪魔のような子達だ、とリリザは思った。
このような仕打ちに遇っても、彼等を完全に憎む事が出来ず、まだ『可愛い甥っ子』だと思っている部分がリリザには確かに有った。
それだけに、2人の母、つまり自分の姉にこの事を告げ口するのは、リリザにとっては辛い事でも有った。
そんなリリザの優しさ故の甘さを、彼等は的確に読み取っていた。
2人が衣服を脱がしにかかると、リリザは既に説得を諦めたのか、全くの無抵抗であった。
年相応に成長した乳房、…そして、まだ恥毛の揃わない秘部が露わになるまで、そう時間はかからなかった。
「叔母さんのカラダ…凄い綺麗…。」
ソルガの漏らした率直な感想に、リリザは顔を赤らめながらうつむいた。
「ヒシン兄に…ここまで育てて貰ったんだ…。凄い凄い。」
「ッ…!」
恋人の名誉のためにも、違う、と否定したくは有ったが、全てが嘘という訳でもなく、リリザは顔のうつむき加減をさらに強める事しか出来なかった。
「今更『違う』なんて言わせないよ…。ねえ?」
いつのまにかリリザの背後に回っていたソルガが、乳房を揉みながらいたずらっぽく訊いた。
「あっ」
先程のように無言で貫きたかったが、思わずこぼれてしまったその喘ぎ声が、立派な返答となってしまった。
「叔母さん…けっこう溜まってるんじゃない…?ホラ、もう乳首が硬くなってきた…」
「ちがっ…!あ、くぅっ…!」
休む事なく加えられる胸部への攻撃に、リリザの体は既に敏感な反応を見せていた。
「下の方も…もう濡れてる」
手の空いたソシアの方が、媚薬の効き目もあってか湿りはじめた秘部へと手を伸ばした。
「ひゃっ…だめ、そこは…あぁぁっ!」
たまらない羞恥のため拒絶の言葉を口にするも、手は縛られており、ソルガに上半身を乳房とともに掴まれており、抵抗は出来ない。
為す術なく、ソシアの手はリリザのクリトリスへ到達し、容赦のない攻撃を快感と共に与える。
「…あ…!あっ…!はぁ……んっ!」
上と下、両方から同時に攻められ、既にリリザは快楽に喘ぐだけとなっている。
「…ソルガ、そろそろ俺たちの方も良いんじゃない?」
「……うん。そうだな。」
2人の方も、抵抗のなくなったリリザの反応に飽きたのか、今度は自分たちの欲望を解消する事にした。
手を離されバランスを失ったリリザの体は、床に倒れた。
「すっごい濡れてる……」
ソルガはズボンから取り出した己の肉棒に、予め準備しておいたコンドームを着け、倒れたままのリリザの秘部に後ろから突き刺した。
「あっ!ああっ!だ…め…それは…!」
恋人にしか許せないはずの行為、それを近親者に行われるのはリリザにとっても大変な屈辱である。
だが、リリザの体はしっかりとそこから快感を得ていた。
「あ、ソルガズルい…じゃあ俺はこっちの方。」
ソシアは同じくコンドームを着けた肉棒を、リリザの口に突き刺す。
「んっむぐ…!んん…!」
恋人のモノより少し小さいソレを頬張り、リリザは声にならない声を出した。

「くっ…俺、もう出る…!」
「ソルガ、俺も…!」
リリザにとっては最悪の時間であったが、唯一の救いは、この2人に今まで経験がなく、射精を上手くコントロール出来ない事だった。
一度射精した2人の肉棒は、あっけなく小さくなり力を失った。
兄弟の方もそれで気が済んだのか、2人とも肉棒を引き抜き、コンドームの処理へと取りかかり、それが終わるとリリザの手を縛った縄をほどいた
(…終わっ…た…?)
静かに涙を流しながら、束縛が解かれていくなか、リリザは心の中で呟いた。
(…あれ?)
一通り事が終わってから朦朧とした意識で兄弟の顔を覗いてみると、先程自分を犯した悪魔のようには見えなかった。
2人にしてみては、思春期故の幼い性欲を持てあまし、そのはけ口にリリザを選び、実際に犯すまでは良かった。
しかし、全てが終わってみると、後に残るのは射精直後特有の空しさと、強大な罪悪感だけしか無い。
普通の少年が、取り返しのつかない失敗をした時の、「どうしよう」という顔。
それが、今の2人の顔であった。
(…なんだ。)
その事が分かると、決して許してはいけないはずのこの2人が、リリザにはとても可愛く見えてしまった。
完全に縄がほどけると、リリザは少しおぼつかない手つきで衣服を着ようとした。

「…叔母さん。」
「……ごめん…なさい。」
2人の口から、ポツリと謝罪の言葉が飛び出す。
「安心なさい。姉さんには言ったりしないわ。」
「…え?」
思わぬ明るい口調で話されたので、ソルガは拍子抜けしたような声を出す。
「自分たちで言ってたじゃないの。あなた達は、『可愛い甥っ子』だもの。もう、あんまり気にしてないわ。」
「で、でも!俺たちは叔母さんの事を…」
ソシアの方が、それでは納得がいかない、という風に言い返そうとする。
だが、それが言い終わる前にリリザは更に言い返した。

「だってヒシンとした時の方が、何倍も気持ちいいもの。だから気にしてないの。分かった?」

2人は絶句した。こんな事を言われてしまっては、嫌が応にも自分たちの完敗であるというような気にさせられる。
それと同時に、叔母の心の広さをただただ思い知る事となった。
「分かったら、もうお行きなさい。…もう二度と、こんな事はしないように。」
「…すいませんでした!」
「もうしません!」
自然と、敬礼をするように、2人はもう一度謝罪の言葉を口にしながら、倉庫から走り去っていった。

一人残ったリリザは、自分がとても損な性分なのでは無いか、と苦笑しながら、あることを思いだした。
「…ああ、あの時のヒシンも、あんな顔をしていた。」


――それは、ヒシンとリリザが初めて結ばれた夜の事であった――
2006年11月10日(金) 02:08:55 Modified by ID:Bgf4UKA6nQ




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