「ひぐらしのなく頃に」の二次創作小説【エロパロ】SSをひたすら井戸に放り込んでYappa♪だめぇ〜というwikiです。

 まさかの圭ちゃんち訪問だ。しかもお台所を借りて、お料理まで披露することになってしまった。もちろん誰かのための料理を作ったことは何度だってある。家族以外の誰かに作ったこともある。園崎家関係で、だけれど。味には絶対の自信があったし、圭ちゃんを唸らせるなんてこと造作もない。
 でもなぜか緊張している。自信はあるのに、どうしてこんなに胸がドキドキするんだろう。自信はあるのに、どうしてこんなに不安になるんだろう。そしてこんなに胸がドキドキして不安なのに、心が軽くて、楽しくて、ワクワクしているんだろう?
「ん?あれは・・・葛西さんの車?」
 園崎家御用達の黒塗りの普通車が本家の前に止まっている。おそらく葛西さんのだ。葛西さんは詩音の執事みたいな存在でいつもお守りをしてくれているお父さんの親友だ。
 その葛西さんの車があるということは・・・?
「はろろーん、お姉!きましたよぉ〜」
「・・・詩音〜。きましたよぉ、じゃないよぉー! 来るなら連絡ちょうだいっていってるじゃん!」
「いいじゃないですか☆バイト今終わったとこで、店長さんがお土産くれたんですよ。お姉と二人で食べなって。ほら、ケーキ」
「ほんと!? わー! チーズケーキだ!」
 詩音が片手に持っていたかわいらしい箱の中身を見せてくれる。中にはちょこんと、チーズケーキが二つ。私たち姉妹の大好物だ。たまにこうしてエンジェルモートの店長が気を利かせてお土産を持たせてくれる。
「あ、でも・・・だめだ」
「あれ? お姉、ダイエットなんかしてましたっけえ? 食べた分だけ動けばいい〜って口癖じゃないですか」
「違う違う。あのね、今日これから圭ちゃんちに行くんだよ」
 言ったあとでしまった!と私は口を自分の手で塞ぐ。詩音にこんなことをいったらとんでもないことになりかねない。だがもうすでに時遅し。詩音はにや〜っといやらしい顔で笑うと私の胸のあたりを肘でつつく。
「あぁらお姉、ちょっと汗臭いんじゃないんですか?シャワーとか浴びていった方がいいですよ?」
「えっ!? そ、そうかな!? 私、臭い!?」
 くんくんとブラウスの匂いを嗅ぐ。むむ、ちょっと匂う・・・かも、今日はただでさえ汗かいたし、こんなんじゃ圭ちゃんに嫌われるかも・・・。
「そーですよ、女の子は身だしなみが肝心ですからね。さ、さ、お姉、シャワー浴びてきて。大丈夫ですよ、ちょっとぐらい遅れたって圭ちゃん時間感覚少し緩やかですから気にしないでも平気ですよ」
 ひどい言われようだ・・・と、同じ男の立場から葛西が顔を少ししかめる。
 急がなきゃ、私は慌ててシャワーを浴びに家の中へ入る。詩音と葛西さんは本家の居間で少しのんびりしていると声をかけてくれた。早くシャワーを浴びて支度をしていかなければ・・・。


 魅音がお風呂場に向かったあと、詩音は面白いことが起きそうと独り言を口の中で呟く。くっくっくっと肩を小刻みに震わせて笑うのは詩音が変なことを思いついたときに出る癖だ。本人にとって名案というべきものであっても、他人から見てはどう見ても迷惑この上ない思案である。葛西はそれに気づいてはぁとため息をついた。また面倒なことにならなければいいのだが。とくにあの姉妹ゲンカを治めるのは非常に疲れるのだから何事もなく終わってほしいものだ。
「ねー、葛西。これ、何だとおもう?」
「・・・はて、自分にはわかりかねます」
 詩音がすごくうれしそうに両手に粉薬のようなものを持っている。左手に持っているのと、右手に持っているもの。少し種類は違うようで、中に入っている粉薬の色が違う。片方はどこで見覚えがある。
「ははあ、詩音さん。片方は茜さんがよく入れる眠り薬じゃありませんか」
「そうそう。葛西もやられたことあるの?それとも母さんに入れたことがあるのかな?」
「そんな大それたことできやしません・・・」
 葛西が苦笑していると、詩音がその粉薬を机に置いて箱から広げていた先ほどのお土産のチーズケーキの片方にまぶした。
 粉は数秒でチーズケーキへとしっかりと溶け込み、何かが混ぜられた形跡はないように見える。
「詩音さん、一体どうするおつもりで?」
 ・・・この後魅音に食べさせるのか?それにしても魅音を眠らせたところで一体何の意味があるというのか・・・。
 葛西が怪訝そうな顔をしていると、詩音はもう片方の手に持っていた粉薬を、何も混ぜていないもう一つのチーズケーキにかけていく。そして先端をフォークで切り落とす。
「詩音さん、そいつはいったい?眠り薬とは違うようですが・・・」
 葛西の知っている薬の中でも思い当たるものはない。とはいえ、粉を色や粒子の形で見分けることができるほど葛西は専門家でもない。その正体はかけた本人に聞いた方が早いと考えて詩音に答えを求めるが詩音はくすっと笑っただけで答えは教えてくれなかった。
「いいからいいから。あ〜面白くなってきたぁ。私もその場にいたいけどさすがに無理かなあ?あっははは」
 色々とこれから起きるであろう出来事を想像して楽しんでいる詩音は恐ろしいほど趣味が悪い。片方に混ぜたのは眠り薬だ。何かよくないことが起きそうだなと葛西は顔をしかめるしかなかった。

「はー! いけない、いけない。遅くなっちゃったよ! 早く行かなきゃ!」
 魅音が私服に着替え、いつもより丁寧に髪を整えて姿を見せる。詩音は待ってましたといわんばかりにその傍へと駆け寄っていく。
「せっかくなんで、このお土産、圭ちゃんとお姉で食べてください。あ、片方のケーキ倒しちゃったみたいなんで・・・キレイな方を圭ちゃんにあげてくださいね。こういう心配りがポイントアップに繋がりますから!」
「え? いいの?なんだか悪いなぁ・・・こうやって詩音に借りつくるの嫌なんだよねえ・・・」
 バカ正直に魅音があからさまに申し訳なさそうな顔をする。詩音はそれでもこれから起こるだろう自体に期待しているのだろう大してその言葉を気にせずにチャンスですよ、お姉!と魅音の気持ちを囃し立てる言葉ばかりをかけた。こうなると魅音も頑張ろうという気持ちになるのだろう、うん、と短く答えると、意気揚々と家を飛び出していったのであった。
「・・・いいんですかね、あんなものを混ぜたものを持たせてしまって・・・」
「感謝こそされど恨まれることはないって!あー、私ってつくづく姉想いの詩音だよねえ。ね、葛西もそう思うでしょ?」
「そうですねえ」
「何よー!もう、あんたもチーズケーキ食べたかったの?」
「いえいえ、滅相もない。あんな眠り薬にまみれたケーキ。ご勘弁ください」
 葛西の歯切れの悪い返事に詩音は少し機嫌を損ねたようにして・・・。魅音の去っていく姿を見つめているのだった。



 圭ちゃんの家についたのは少し遅くになってしまった。といっても夕方より少し時間が過ぎた、18時前後だ。これからお夕飯の支度をしても大抵の家の夕飯の時刻には間に合うだろう。せっかくシャワーを浴びてきたのに、自転車に乗って慌ててきたものだからまた変な汗をかいてしまった。背中に手を当てると、ジトッとした汗がまとわりついているのがわかる。嫌だな、失敗したなあとがっかりしていると、圭ちゃんの家の玄関にある扉が開いた。
「おう、魅音! 遅かったから心配したぞ?」
「・・・あ、う、うん!ごめんね?でもよくわかったね、おじさんがきたって」
「自転車のブレーキの音がしたからさ。まあ、入れよ。暑いだろ?」
「う、・・・うん。あ、お、お邪魔しまーす・・・」
「俺しかいないんだから、そんな固くなるなよ」
 私のぎこちない様子を見て圭ちゃんが笑いながら優しい言葉をかけてくれる。ドアを開いてくれている圭ちゃんのすぐそばを通ってから、あ、私、汗臭くないかなあ・・なんて気にして玄関前で靴を脱ぐ。
「あれ魅音。シャワー浴びてきたのか?」
「え・・え・・うん、なんで・・・?」
「いやほら、シャンプーのいい匂いしたから・・・」
 なんてことのない会話なのだけれど、私は無駄に顔を赤くするから圭ちゃんも赤くなってしまう。玄関で二人、妙な沈黙がはじまるが私がその沈黙を破る。
「あ、あのね。ちょうど詩音が家にきてて、お土産もってきてくれたんだ。チーズケーキ。圭ちゃん、甘いもの大丈夫でしょ。だからこれ、お夕飯のあとのデザートに一緒に食べよ?」
「おおー、詩音も気が利くじゃねえかー!よっしゃ!デザートもつくなんて魅音の料理はフルコースみたいだな」
 うれしそうに圭ちゃんが笑ってくれたのを見て、改めて詩音に感謝をする。手土産なんて考えてもいなかった。材料は全部家にあるから、それを使って料理してほしいと頼まれていたので完全に手ぶらでいくつもりだったのだ。
 それがこのお土産一つでなんだか空気がとっても変わった。
 ・・・さすが詩音だな。おじさんにはこんなの、思いつきもしないや・・・。
 とりあえず、今日この家に来た目的を果たすために圭ちゃんに台所を案内してもらう。外から見て大きな家なだけあって、もちろん中も広いし、キッチンも最新だ。私の家は旧家だからこんな台所で料理を作ったことなんてない。
 冷蔵庫にある品物を見て、何が作れるかを考えて早速料理を始める。
 圭ちゃんはそわそわしながら、何か手伝おうか?俺に出来ることはないか?と聞いてきたけれど男子厨房に入るべからず、追い出して料理に専念する。おいしいっていってもらうために最大限の努力を。喜んでもらえるために最大限の努力を。

「む・・・ちょっと気合入れて作りすぎちゃったかな・・・」
 はりきりすぎて、品目を多く作りすぎてしまった。圭ちゃんがお土産を渡したときに「フルコースみたいだな!」といった言葉を思い出す。まさにそんな感じ・・・。逆に引いちゃったりはしないだろうか・・・。うーん・・・。
 おいしい匂いにつられて圭ちゃんがキッチンに顔を出す。並べられた料理を見て、おおお!すげええええ!と率直な感想を述べてくれた。そしてそれは突然に。圭ちゃんが私の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。沙都子を撫でたり、レナを撫でたりするように。
「すげーなー、魅音。さすがだよ、俺、こんな夕飯初めてだよ! ・・・ありがとうな!」
 そう。クラスでは私は委員長だ。部活では私は部長だ。そして圭ちゃんより一つ、年上だ。だからみんなの前では甘えたりできない。・・・女の子にはなれない。だからちょっと、撫でたりしてもらえるレナや沙都子がうらやましいって思っていた。
 いま二人だけになって、圭ちゃんは気づいてくれていたのだろうか、私の頭を撫でてくれた。
「んじゃ食べようぜ。どした、魅音?」
「・・・ううん、なんでもない」
「料理してるときに指でも切ったか?」
「おじさんがそんなミスをするとでも?」
「天下御免の園崎魅音がそんなわけないよな〜!」
 はっはっはっと二人で笑う。笑って、それから料理をダイニングテーブルへと運ぶ。私と圭ちゃん、二人分。あれ、なんだか・・・あれ・・あはは、また恥ずかしくなって私は一人笑ってしまう。
「何だよ?お、おい魅音。まさかお前、料理にタバスコ混ぜたりしてねえだろな〜?」
「してないよ?するわけないじゃーん。おじさんだって食べるんだしさ」
 言えるわけない。言えるわけないよ、新婚さんみたいだ、なんて。恋人同士や、結婚したらこうやって二人きりでご飯食べるんだろうな。圭ちゃんと二人きり。でも私たちは最高の仲間同士で、恋人同士とは違う。だから私は想像するだけ。目の前にいる圭ちゃんがおいしいおいしいと連呼してご飯を食べてくれるのを喜ぶだけで今はいい。
 あっという間にあれほどたくさんあった料理を平らげて、圭ちゃんはお腹を膨らませている。私は食器を洗い場で片付けて、幸せそうにしている圭ちゃんに声をかけた。
「圭ちゃーん・・・デザートもあるってこと、忘れてない?あんなに食べちゃって平気なの?」
「う"。あったりまえだろ。デザートは別腹、っていうらしいしな!」
「お腹いっぱいだったら無理しなくても明日食べてもいいんだよ?そんなにすぐに悪くならないだろうし」
「せっかく二個あるんだし、一緒に食べた方が楽しいだろ?だから今日食べる。今日、魅音と一緒に食べるよ」
 何気ない一言がとてもうれしい。お皿を洗うのがこんなに楽しいと思えるなんてどうかしている。ケーキ用の小皿を用意して、冷蔵庫からケーキを取り出す。
 ・・・この少し崩れてしまっているのが詩音の言っていた倒れてしまっていたやつだろう。こっちを私が食べて、圭ちゃんにはキレイなのを渡せばOK、と。ついでにやかんを火にかけて、紅茶を準備する。
「いや、それにしても魅音。お前もレナに負けず劣らず料理上手なんだなあ。驚いたよ」
「まあね。それなりのことはできるよ。圭ちゃん、びっくりしてるでしょー?」
 ケーキを口に運びながら、歓談する。なんかなんか、今度はこうしているとデートみたい!あはは、なんだろう身体が火照ってきたような気もする。扇風機を回してくれているから、家の中はそんなに暑くないはずなんだけどな・・・。
「どうしたの、圭ちゃん?なんか、食が進んでないみたいだけど・・・やっぱり、お腹いっぱいだった?」
「い、いや・・そ、そのなんだ?頭が・・・その重くて・・なんつーか、眠いっていうか・・」
「圭ちゃん!?」
 圭ちゃんが手にしていたフォークをぽろっと落として、不快な金属音が耳いっぱいに広がる。そのまま圭ちゃんは椅子から滑り落ちるようにして床へとへたりこんでしまった。
「ちょっと、圭ちゃん! 大丈夫!?」
 一体何が起きたのか、圭ちゃんのそばへと近寄って息を確かめて、脈を取る。とくに異常はなく、倒れる前に「眠い・・・」と口にしたことから、深い眠りに落ちてしまっていることがわかった。
「何がどうしたって・・・」
 とりあえず、このまま硬い床に眠らせておくわけにはいかない。圭ちゃんの部屋は二階にあると聞いた。そこにだったらお布団も敷いてあるだろう。ヨイショ、と圭ちゃんを背負うが・・・レナや沙都子や梨花ちゃんを背負うのとはわけがちがう。もういい大人だ。力にも自信はあるのだが、私自身も少し体調がおかしくて・・・圭ちゃんみたいに眠い、というのはまた違う、ぼうっとした、ほわほわとした気持ちが私の集中力を散らせるのだった。
「うわっ・・・」
 圭ちゃんを背負ってバランスがとりづらくなった私は足を躓かせて倒れこんでしまう。身体を打ちつけたのも痛みの一つとしてあるし、背中に覆いかぶさった圭ちゃんの吐息が耳にかかるだけで私はなぜかゾクゾクしてしまって、動けなくなってしまった。
 なんだろう・・・胸がいつもより、ドキドキして・・・。なんだか、下半身が・・・熱くて・・・汗なのか、違うものなのかわからない液体が全身から湧き出してきそう。
 身体をねじって動かして、圭ちゃんに覆いかぶされるような姿勢になり、ますます私は動揺する。早く抜け出さなくては・・・でも完全に力が抜け切っている圭ちゃんの身体は思った以上に重いし、何より力が入らない。
 すー、すー、っと耳に聞こえる圭ちゃんの寝息がとても心地良くて・・・。私は・・・目を閉じて、僅かに開いている圭ちゃんの唇に自分の唇を軽く押し付けた。
「・・・わ、私・・・何してるんだろう・・・」
 今・・・私、何した?圭ちゃんに・・・キス、した・・?
 な、んで・・・?
「あっ・・あれっ・・?」
 なんだか下半身にごりごりと当たるものがある。圭ちゃんのズボンを見ると、股間のあたりがパンパンに膨らんでいる。どうして、なんで・・・え、あれ・・・?あれ・・。
「ね、ねえ、圭ちゃん、あはは、これはだめだよ・・・こんなの、ね、よくないよ。ほら起きて・・・ね」
 そうじゃないと私がおかしくなっちゃう・・・!
 そこまでは言わないけど、圭ちゃんが目を覚ましてくれるのを期待するけど、その瞼をぴくりとも動きはしない。私は段々と押し寄せてくるこの気持ちが何なのか薄々と感じ始めていた。じわりじわりと汗じゃない何かが自分の下着に染みをつけていっている。
 声だけじゃおきてくれない。そう気づいて、私は覆いかぶさる圭ちゃんの頬を両手で優しく抑える。そしてキスをする。無抵抗な圭ちゃんに何度も・・・何度も・・・。
 着ているシャツのボタンを外す。つん、と鼻に染みる圭ちゃんの匂い。汗の匂いが混じって、男臭い・・・っていうのはこういうのをいうのかな。
 首筋に舌を這わせて愛撫する。チュ、チュッと音を立てながら。起きて・・・ねえ、起きて。
「はぁ・・はぁっ・・・」
 息も絶え絶えで、どうしてこんな風に彼のことを責めているのか私にはわからない。だって私、あなたが好きだから。こんな風に身体を重ね合わせていたら、私だけの気持ちで時は動いてしまう。圭ちゃんの気持ちだけを置いてきぼりにして、私が止められない気持ちを走らせてしまう!
「み、魅音・・・?」
 虚ろな目をした圭ちゃんが本当に重たそうに瞼を開けようとしている。が、自由がまだ利かないようだ。苦しそうに呻いて、それから少し片手を動かしたが、またすぐに動かなくなってしまった。
「・・・どうしよう。どうしよう。どうしようどうしようどうしよう・・・」
 どうして、こんなことに、なってしまったの?
 そう、すぐに監督に電話をしてお医者様に来てもらえばいい。身体に生命の危機が訪れているわけではないというのが理解できたからこそそれはしない。そして自分自身、何かがおかしいことに気づいている。
 でも今はどうしようもなく・・・
 ――彼が欲しい。圭ちゃんが欲しい。欲しくて、欲しくて、たまらない。こんなにそばにいるんだから、抱きしめれば温もりを感じることができるのに、欲しいという感情が喉の奥から手が出るほど彼を求めている。
 私は素直にこの感情に従う。負けてしまう・・・。
「圭ちゃん・・・」
 自分に覆いかぶさる彼の前で私は服を脱ぐ。
 シャツを脱ぎ、ズボンも器用に脱ぐ、上下下着一枚ずつになる。上のブラジャーも外して、裸になり・・・。圭ちゃんの着ていた汗まみれのシャツも脱がしてあげて、放り投げる。
 裸で抱きしめあう。ぎゅうっと。互いの肌に艶やかなに浮かぶ玉のような汗が触れ合って、べとべとして、でも心地よくて。圭ちゃんの汗だから・・・。
「み・・魅音・・・」
 意識を途切れ途切れに、圭ちゃんが心配そうに声をあげる。互いが裸であることに気づいて、顔を少しほんのり赤くしながら・・・でも自由の利かない体を恨めしそうにしている様子だった。
「ごめんね?・・・でもいますぐ楽にしてあげるから・・・」
「んっく・・・」
 手を器用に下半身へと伸ばして股間部分をこする。チャックを見つけてそれを一気におろすと、ぷりんと大きくなった圭ちゃんのモノが私の掌いっぱいに広がった。
「魅お・・・」
 名前を呼ぶその声は本当につらそうで・・・でも私もつらくて。きゅっと圭ちゃんのソレを締め付ける。表情の変化はすぐに読み取れた。眠りから目は冷めているのだろうが、頭の中に残る余韻が彼の身体を眠りから覚ましてくれなくて・・・なんとも感情がうまくいきわたっていない状況なのだろう。
「どう?・・・圭ちゃん、こうすると気持ちいいでしょ?」
 しゅっしゅっしゅっと男の子がするアレと同じように、私の白い指がその運動を繰り返す。圭ちゃんは溜めた息を途切れ途切れに吐き出しながら悶えている。
「ね、気持ちいい・・・?」
「ぁうっぁ・・・魅音・・・」
「圭ちゃんすごい・・・大きくなってるよ?」
 責めを緩めない私の手の中で大きくなる圭ちゃんのイチモツはとても熱くて、たまらない。その先端から透明な、粘り気のある液体が滴りはじめて、私の手を濡らしていくのだった。

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