BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   ハン尚宮×チャングム   −初めて嗜む−       壱参弐様


 ハン尚宮は思案した。最近王様のお加減がすぐれず、よい療養の地がないか、長官から訊ねられ
たからである。

 ハン尚宮の知る場所は多くはなかった。
 一つは有名な温泉地だが漢陽からは少し遠い。王様が長い間、宮中を離れることはできないだろう。

 なにもハン尚宮が保養地を決める必要はない。王様に随行して水剌を作ればそれで充分だった。
しかしハン尚宮は常に相手へのもてなしを考えた。王様にくつろいでいただきたかった。
そして宮中ではお出しできないような、王様のご健康を回復するような料理を差し上げたいと思った。

 ハン尚宮の故郷の近くに、あまり知られていない温泉があった。硫黄泉で、独特の臭いとあい
まって心身の疲れを癒すと評判だった。
 その温泉地を思い出したのは、チャングムを思い浮かべたときだ。
 あの子がミョンイの娘だったなんて・・・。私がこうして宮中に上がれたのも、そして最高尚宮
になれたのもミョンイと、そしてミョンイの娘のチャングムがいてくれたからこそ。今でもミョンイ
が私を守ってくれる。
「そう、ミョンイと私の故郷の温泉をお勧めしよう。そしてチャングムも連れて行こう。あの地には
気力回復効果のある家鴨もあるわ。」
 ハン尚宮は長官にその旨、告げた。
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 チャングムは混乱していた。母の死、その真相。そしてチェ尚宮様がそれに深く関っていたとは。
 チャングムを取り巻く状況は大きく変化していた。何よりも、ハン最高尚宮様、大好きなハン尚宮
様が、母の最も大切な人だったなんて。
 落ち着かない気持ちのまま、今日、王様の湯治に随行し料理も出し終えた。
「ハン最高尚宮様は、私にとって嬉しい所だと言われた。私が何故かとお尋ねしても、行けば判る
とおっしゃった。来てみたけどまだ判らないわ。」
 ミン尚宮とヨンセンが美肌効果を試しに、温泉にこっそり行こうと話しているのも耳に入ら
なかった。
 そこにハン尚宮が来て、チャングムを外に連れ出したのであった。チャングムはどこに行くのか
知りたかったが、ハン尚宮は何も答えなかった。
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 チャングムはハン尚宮に付き従いながら思った。
 初めてこの方にお会いしたとき、厳しさ怖さを感じながらも、鮮やかに料理をする手さばきに
見とれたものだった。偶然にもハン最高尚宮様の下で寝食を共にし、訓育を戴いた。その教えの
一つ一つが、私をここまで導いてくれた。それだけでなく、ハン最高尚宮様がいつもお話しを
されていた親友は、私の母だった。ハン最高尚宮様は今でも母のことを思っておられる。教えを
いだだく度に、なぜか母の面影を感じたのは、だからなんだわ。

 ハン尚宮はチャングムを連れながら思った。
 初めてこの子と話したとき、最高尚宮になりたいなんて、当時の私ですら思いもよらないこと
だったから本当に驚いた。身の程を知らない者だと思った。
 ミョンイがいた頃は最高尚宮になろうと二人でよくおしゃべりしていたけれど、あんなことが
あって以来、考えることもなくなった。ただひたすら上の方の目につかぬよう、静かに過ごす
しかないと考えていた。
 でもこの子の、とんでもない願いに私の方が励まされた。ミョンイったら、こんなに似た
女の子がいることを私にも話してくれなかったなんて。
 もし私が最初から、この子のことを知っていたらどうだっただろう。お転婆なこの子には
幾度となくはらはらさせられた。真っ直ぐな気性に惹かれもした。その天性の能力を見つけ
引き出してやった。けれどもしミョンイの娘だと知っていたら、あれほど厳しく訓育できた
かしら。甘え、甘やかしていたかも・・・知らなくてよかったのかも知れない。ひょっとして、
これもミョンイの用心深さかしら。

 チャングムは思った。
 初めハン最高尚宮様は融通の利かない、冷たい方かと思った。でも徐々にそんな思いは消えて
いった。蔵から出されたとき、ハン最高尚宮様が私を背負いながらささやいた言葉を聞いて、
私を受け入れてくださったことが本当に嬉しかった。
 もっと私を受け止めて欲しかったのだけれど、そして何度かお誘いしたのだけれど、ちっとも
振り向いていただけなかった。
 競合に勝って初めて抱きしめられた時の温かさ。何度でも感じたい。ずっと、そしてもっと・・・。
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 二人はチャングムの祖父の家に到着した。
「チャングム、ここがお前のお母様、ミョンイの実家よ。」
 ペギョンは宮中に上がるにあたって、ミョンイの父の養女という形をとった。そしてミョンイの
行方が判らなくなった後も、ここを訪ねていた。そんな関係から、ミョンイの父が亡くなった際
ハン尚宮はこの家を譲り受けることができた。
 ハン尚宮はミョンイがいつか帰ってくると信じていた。帰ってきたときに、それがたとえ
何十年後であっても、戻れる家を残して置きたかったのである。

 ハン尚宮はチャングムにミョンイとの思い出を語った。
 そしてハン尚宮はチャングムを抱擁した。お互いが近しい間柄だと知って以来、こうして何度
抱き合っただろう。

 いつもはそれで終わりだった。ひとしきり身体を寄せ、相手の温もりを感じればお互いに深い
安心と勇気を感じることができた。
 ところが今日チャングムを抱きしめるハン尚宮は、いつもと違った。温もりというよりは熱かった。
胸の鼓動はチャングムにも伝わって来るほどだった。しかし耳元で感じる息遣いは穏やかだった。
 チャングムはハン尚宮の意志を察した。
「ハン最高尚宮様、私ハン最高尚宮様と・・・。」
 ハン尚宮は更に胸が高まるのを感じた。ハン尚宮もいずれチャングムとそうなることを予感
していた。いやむしろそのつもりで、ここに連れて来たのだ。

 この子が私を好いているのは、以前から気づいていた。でも私は、その望みを許そうとは
しなかった。ミョンイを見捨ててしまった私が、他の者となんて。許されるものではない。
 でも今、私はチャングムを愛しみたい。この想いを抑えきれない。
 この家はミョンイ、あなたとの思い出の場所。この子と結ばれるなら、この地をおいて
他にはない。ミョンイ、許してくれるわよね。

 チャングムは更に続けた。
「私、ハン最高尚宮様のことが誰よりも好きです。そしてずっとお側にいたいと思って
います。どうか私を受け入れてください。いいでしょ、尚宮様、ねっ、ねっ!」
 ハン尚宮は軽く頷いた。この無私の笑顔と、尚宮様(ママニィム)という甘い声には
勝てないわ、と思いながら。
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 ハン尚宮とチャングムはミョンイの家に入った。チャングムがハン尚宮から聞かされていた通り、
両班の家としては質素だった。しかし一通り設えがあった。ハン尚宮はチャングムを居間に
招き入れた。
 チャングムは少し照れた。お許しくださったものの、実際こうやってハン最高尚宮様と
二人きりになると、どうしてよいか判らなかった。とりあえずお茶を沸かし、道すがら買った
干し柿をお茶請けにすることにした。
 二人で干し柿を食べ、暫くの間黙って過ごした。

 チャングムは思った。
 気品のある美しい横顔。ずっと憧れていた方。先ほどはあんなお願いを申し上げたけれど、
怒っておいでなのかしら。

 ハン尚宮は思った。
 ミョンイ、あなたのお墓の前でそうとは知らず、この子のお母様はどんな方なのか思いを巡らせ
たわね。そしてチャングムがきれいな子だから、あなたのことをきれいだろうと言った。
そうだったのね。私が心から愛した、あなただったのね。
 こんなに私のことを慕い、私を助け、私を全力で守ってくれるこの子。この子の全てに、あなたを
感じてしまう。ミョンイ、私はこの子自身を愛しているの? それとも、あなたの生まれ変わり
とでも思っているの?

 お茶を飲み終えて、つと、ハン尚宮はチャングムの手を取り、その顔を自分の胸に引き寄せた。
チャングムはしばらくハン尚宮の鼓動を感じていたが、たまらなくなりハン尚宮の口元に自分の
唇を近付けた。ハン尚宮はいつものように目を伏せることもなく、チャングムを見つめ最初は軽く、
そして徐々に強く、唇を重ねた。
 ハン尚宮が軽く舌を入れようとすると、チャングムが身体を引いて、二人は離れる形になった。
沈黙が流れた。
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「どうしたの、チャングム?」
「尚宮様。いいんですよね!」
 そういうとチャングムは布団を敷き、その上にハン尚宮を座らせ自分も並んで座った。
 ハン尚宮はチャングムの頤に人差指をあてて、少しだけ顔を上向かせた。目を閉じるチャングム。
ハン尚宮は再び口付けを始めた。ハン尚宮の舌がチャングムの唇を割り、チャングムの舌を捜す。
柔らかく、そして少しずつ深く絡める。口付けの音さえも心地よく感じる。もっと欲しい。もっと
感じたい。チャングムはそう願った。

 チャングムはようやく放されると、ハン尚宮のチョゴリの紐を解き、襟元を弛めた。
 そしてハン尚宮を抱きしめ、うなじに唇を寄せた。チャングムはその柔らかな感触を味わい、
次に耳に唇を寄せた。そして耳たぶを軽く噛む。舌を耳殻に這わせる。ハン尚宮は耳に吹き込まれる
チャングムの息遣いに、小さく吐息をもらした。
 チャングムは更にハン尚宮のチョゴリをはだけさせた。甘く柔らかな匂いがチャングムの鼻腔を
くすぐる。憧れの尚宮様。その胸は柔らかく張りがあった。決して大きくはないけれど、形よく、
今はチャングムの手に収まっていた。チャングムの唇がハン尚宮の胸元から乳房に降りる。そして
とうとうその中心を口に含んだ。
 チャングムはハン尚宮の香りにつつまれて夢中になって吸い付き、その突起に歯を立ててしまった。
思わずハン尚宮が声を上げた。チャングムは我に返りハン尚宮を胸元から見上げた。
「チャングム。お前も見せて。」
 チャングムは、チョゴリをはだけた。ハン尚宮はチャングムの胸に顔を埋め、唇を這わせる。
そしてチャングムのチマを解いて、また自分のチマも解き、素肌で抱きしめた。
 ハン尚宮の身体に、直にチャングムの体温が伝わってくる。その感触と共に、ハン尚宮の脳裏に
ミョンイが浮かんだ。
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 幼い頃、両班の男に襲われそうになった。あのときのことは今思い出しても恐ろしい。奴婢の私が
どんな目に遭っていても、誰も助けてくれるはずはなかった。ただ耐えなければと思っていた。
ところがそのときあなたが現われた。
 以来共に遊び、学び、私は活発なあなたにいつもくっついていた。

 宮中に上がって、私が付いたチョン尚宮様は、私をとても可愛がってくれた。他の尚宮様は
お付きのセンガッシに、手解きをしていると聞いたこともある。でもチョン尚宮様は、添い寝を
されるだけだった。だから私は内人式を終えてあなたと同じ部屋になるまで、こんな感情がある
ことを知らなかった。

 初めての夜、あなたの手が私の布団に入ってきたわね。幼い頃は手を繋いだこともあったし、
子供どうし抱き合ったこともあった。だからきっとその延長だと思った。その晩はただ手を
繋いで眠った。
 ところが、あなたは徐々に私の腕を触り、脚を絡め、身体を寄せてくるようになった。
そのうち胸をまさぐるようになった。ちょっと恥ずかしかったけど、私はあなたのすること
ならと思って、何も言わずにいた。
 でも唇を寄せられたときは、さすがにびっくりした。慌てて押しのけると、あなたは私を強く
抱き寄せた。
「ミョンイ、何をするの?」
「いいから。」
「でも駄目だって、黙契式で誓ったわ。」
「あなたは本当に真面目なのね。確かに殿方とは絶対駄目。でも尚宮様たちはみな、内人やムスリと
されているのを知らないの? それに、私はあなたのことが好きなの。それとも嫌なの?」
「ううん。」
 実のところ、私はこの宮中の生活が気に入っていた。自分の生まれ育った環境よりずっと良く、
料理も読み書きも教えてくれた。そして、幼い頃に怯えたような恐ろしい男がいないことに
心安らぐ思いだった。
 それに、大好きなミョンイに求められているのだ。拒む理由はなかった。
「じゃ、任せて。」
 私は身を委ねた。あなたは、口付けを教え、身体を愛でられる喜びを与え、そして私の芯を
熱く火照らせた。
「ミョンイ、あなたはいいの?」
 ある時私が聞いたら、あなたはこう言った。
「私に抱かれている時のあなたって、本当に好き。小さな声で喘いで、身体を震わせて。とっても
可愛い。」
 だから専らあなたが求め、私はそれに応えていた。肌を重ねるごとに愛おしさが高まり、
深まっていった。時には私もあなたを求め、同じときに達することもあったわね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 あなたは私を守り、いろんなものを与えてくれた。私を一番理解してくれた。私にとってあなたが
全てだった。
 なのに私は愛しいあなたを守れなかった。何の手助けもできなかった。

 ミョンイがいなくなった後、ペギョンの大きな部分が欠け落ち、埋めるどころか自責の念が
更にペギョンの心を責め苛んだ。だからペギョンは料理だけに打ち込み、痛みに直面することを
避けようとしたのだった。

 そんなペギョンを誘惑する内人や尚宮もいた。でも嫌悪しか覚えなかった。誰がこの寂しさ、
悔しさを埋められようか。
 特にソングム。ソングムは、たぶんミョンイのことが好きだったのだろう。ミョンイも彼女の
ことが嫌いではなかったようだ。彼女が時折見せる笑顔。私が言うのもなんだが、ちょっと
可愛らしい。もしかしてミョンイは、彼女と肌を合わせたことがあるのかも知れない。遅くに部屋に
戻ってくることがあったから。もちろん私は聞けなかった。もしそうだとしても、私よりはずっと
少なかったと信じたい。どうであっても、気分のいいものではない。
 そんなソングムが、ミョンイがいなくなってから私に付きまとうような時期もあった。彼女なりに
寂しさを感じていたのかもしれない。でも私は受け入れなかった。
 ミョンイ以外はいらない。そう思っていた・・・この子が現れるまでは。
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 チャングムはぎこちなさが残るその口や舌を、ハン尚宮の身体に這わせていた。
 チャングムを抱こうと思ったのはハン尚宮の方だった。しかし今、私がこの子に抱かれている。

 ハン尚宮はチャングムの手を取り、その中指を口に含んだ。舌を絡めて唾液を塗し、指先を
自分の身体に導いた。チャングムは少し驚いたが、素直に従った。そこには、熱を帯びたような
部分があった。おずおずと手を差し入れると、柔らかく、すぐにつぶれてしまいそうな感触がした。

「チャングム、お前初めてなの?」
「はい。ヨンセンに胸を触られることはありますが、あまり好きじゃないんです。」
「そう言えば、私はお前が子供の頃、添い寝もほとんどしなかったわね。」
「はい。他の尚宮様は、見習いを同じ布団に招き入れてお休みになることもあると聞いて、どうして
ハン最高尚宮様はそうなさらないのかと思うこともありました。」
「そうだったの。悲しい思いをさせていたのね。」
「いいえ、ハン最高尚宮様。私ハン最高尚宮様のことが大好きでしたから、同じ部屋にいられる
だけで、とても幸せでした。」
「そう。」
 ハン尚宮は時間を取り戻そうとするかのように、チャングムを抱きしめた。そして唇、うなじ、
胸を味わい、張りのある柔らかな肌を楽しんだ。チャングムは再び指を、そっとハン尚宮の奥に
沈めた。そこは温かく滑り、チャングムの指を飲み込んでいった。
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 この感覚! ミョンイもこうやって私を愛してくれた。
 いつからだろう。いつまでも子供のように思っていたこの子を、抱きたいと思い始めたのは。
いつだっただろう、こんなに想い始めたのは。
 競合でこの子は私を助け、助けるどころかこの子自身が勝ったようなもの。その後、私が挫けて
諦めそうになったときに、支えてくれたのもこの子だった。あの時、この子は私に並んだ。
いや、超えていたのかもしれない。慈しむ対象だったのが、愛おしい相手になったのだ。
 この子の素性を知って、気持ちは高まるばかりだった。本当に愛おしい。この時を、どんなに
待ち望んだことか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 チャングムはハン尚宮を愛でながら、尋ねた。
「尚宮様、何をお考えなのですか。」
 ハン尚宮は答えなかった。いや、答えられなかった。ミョンイへの想い、チャングムへの想い。
合わせた肌から溢れ出る快さ。
 愛撫を続けるチャングムの手がハン尚宮の敏感な部分に当り、ハン尚宮はたまらず小さく
叫び声を上げた。
「尚宮様、おっしゃってください。」
 こう言うと、深く、激しく手を動かし始めた。
 ハン尚宮は喘ぎ声をあげた。身体は汗ばみ、上気してほのかに色付いている。
 ハン尚宮は今どこにいるのか、自分を愛でているのが誰なのかすら判らなくなった。
愛しい人、ミョンイに包まれた記憶、愛しい子、チャングムに抱かれている心地よさが身体を
駆け巡った。

 達したのは、チャングムがハン尚宮の乳首を甘く噛み、その手が深く挿し入れられた時だった。
その瞬間、思わず叫んでしまった。
「ミョンイ!」
 その名を口にした時、自分でも驚いてしまった。チャングムを傷つけたかもしれないと思い、
チャングムの顔を見た。
 チャングムはそんなハン尚宮の肩を抱き、心配ないというように、乱れた髪を撫で付け、
唇を寄せた。チャングムとハン尚宮は互いの口を求め合った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ハン尚宮が少し落ち着いてから、チャングムはやさしく語りかけた。
「母を愛されていたんですね。」
「チャングム。お前に悪いことをしたわ。」
「いえ、いいんです。私の腕の中で吐息を漏らされる尚宮様は、とてもおきれいです。とても
可愛いです。きっと母も同じように感じたことでしょう。」
「でもチャングム、お前とこうしているのに。」
「お気になさらないでください。尚宮様が少しでも安らげるなら、私も嬉しいです。」
「チャングム・・・。」

 しばらく二人は何も言わずにいた。チャングムはハン尚宮に寄り添い、軽くその身体を撫で続けた。
ハン最高尚宮様も満足されていると思い、嬉しく感じていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ハン尚宮は自分を撫でているチャングムの手を取り、指の一本一本を舌で愛撫し始めた。指先、
指の股。唇で感じるのとはまた異なった、ちょっとくすぐったいような感じがする。
 ハン尚宮は上体を起こすと、チャングムに身体を預けていった。そして胸だけでなく、背中も、
内股も、あらゆる部分を舐め、転がし、軽く噛み、吸った。

「チャングム、料理は相手への思いやりだと教えたわね。この営みも料理と同じ。相手のことを
よく知り、相手に合わせていかなくてはならないの。だけどチャングム、料理と違って、これは
あらかじめ用意できるものではないし、その場で聞けるものでもないわ。だからその時の相手の
様子を身体で感じ取って、真心をお返ししなければならない。」

 チャングムは、ハン尚宮を愛したつもりだった。だが、それはハン尚宮の導きもあってできた
ことであり、自分がされたときどう感じるのか知らなかった。これまでもハン尚宮と抱き合うと、
その温かさや柔らかさを服の上からでも感じて、いい気分に浸れた。でも、こうして直接触られると、
今までとは全然違う感覚が芽生えた。
「それにチャングム、素材は手だけ口だけとは限らないわ。腕も脚も息遣いも言葉も、唾液すらも。
あらゆるものが材料なの。それらを上手に組み合わせることで、お互いが気持ちよくなるの。
二人の身体が熔け合い一つになったとき、心も一つになれるの。」

 ハン尚宮はチャングムの身体を反転させ跪かせると、今度は背中から責め始めた。うなじに息を
吹きかけながら両の乳房を優しく揉みほぐした。脇の下を舐め上げ、臀部は荒っぽく揉みしだいて
いく。チャングムの皮膚はますます敏感に、巧みに擦られ口をつけられる度、より敏感に
なっていく。乳房も心なしか張りが増しているようだ。
「チャングム、これから私がお前を料理します。私がお前をどう変えていくのか、感じなさい。
そして自分の気持ちを身体中で表現しなさい。」

 ハン尚宮はチャングムの脚をゆっくりと開き、その中心に口元を寄せていった。ハン尚宮の
舌先がチャングムの敏感な部分を探し、軽く柔らかく触れた。チャングムは腰のあたりから
足先にかけて、甘美な痺れが走るのを感じた。その痺れは徐々に強くチャングムの身体を支配し、
気持ちが高鳴るかと思うとハン尚宮の舌が強く押し付けられ、あるいは歯で刺激を与えられた。
その微かな痛みに腰の辺りがキュッと震えて現実に引き戻され、それからまた頭がじんじんと
痺れてくるのであった。
 そしてハン尚宮の舌は、柔らかくチャングムの淵に沿って動き、徐々にその奥へ、もっと深みへ
侵入しようとしていた。チャングムはたまらず両手を伸ばし、ハン尚宮の頭を自分のそこから
どけようとした。ハン尚宮はふっと微笑むとチャングムの指を自分の指で絡め、擦りながら
柔らかく押さえ、しかし舌は容赦なくチャングムを責め続けた。
 チャングムの中心は溢れていた。それを掬い取ろうとするかのように、ハン尚宮の舌が、
ぺちゃ、ぺちゃと音をたてた。チャングムは恥ずかしさを感じる暇も無く、舌の動きにつれ何度も
昇らされ、身体の自由を奪われていった。
「チャングム・・・。愛しい子。」
 最初は微かに聞こえるぐらいであったチャングムの吐息は、やがて大きな喘ぎとなり、身体中が
汗に包まれていた。
「尚宮様!」
 そんなチャングムを見て、ハン尚宮はチャングムを解放すると、囁きながら再び腰や胸元、首筋を
順についばみ始めた。
「チャングム、私だけのチャングム。」
 愛撫によって敏感にさせられ、体内に興奮を与えられた後のそれらは、触れられるだけで震える
ほどに感じやすくなっていた。ハン尚宮は口元をチャングムの唇に寄せ、先ほどチャングムの中心を
そうしたように唇の縁を舐めまわし、唇を噛み、また舌を差し入れ、まるでチャングムの全てを
食べつくそうとするかのように激しく、甘く貪っていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ハン尚宮はチャングムの上体を起こして脚を広げさせ、自分もチャングムに向かい合い脚を広げた。
そうしてチャングムの手を取り、自分の中に入れた。自身も手を伸ばし、チャングムの中に
沈めていく。
「明国から取り寄せた秘具を使って快楽に溺れさせ、簡単に相手を墜すことができると思っている
者たちもいる。しかし、それはしょせん体の交わりに過ぎず、人の道を外れることだ。
気持ちを込めて自分の身体で相手を高める。そうやって高めてから、最後には奈落の底へ引きずり込む


それが本当に熔けさせるということ、つまり情を交わすということなの。私はそれをあなたのお母様、
ミョンイから教えてもらいました。」
「お母様が?」
「そうよ。ミョンイは私の身体に、情を刻み込んだわ。だから私の心には、今でもミョンイが
生きているのよ。」

 チャングムは師の愛撫を堪えながら、師が語る言葉を聞いていた。改めて、師と母が深く結ばれて
いたことを知った。感銘と同時に、母亡き後の師の苦悩の深さに思いを馳せるのだった。

 これからは、私が師と熔けあいたい。私が師と情を交わしたい。
 そう思いチャングムは、師が感じる部分を探し、指を沈め、浮かび上がらせ、また沈める。
時折最も敏感な部分をやさしく擦り込む。
 最初に師をいかせたときは手馴れない、やや荒っぽい動きであったが、今はハン尚宮が驚くほど
滑らかに、確実に昂ぶらせている。師のそこは、先ほどとは全く違うものと思えるほどだった。
敏感な部分はチャングムの手にもはっきり感じられるほど熟し、奥からはとめどなく暖かなものが
流れ出ていた。
 チャングムも自分の中にある師を貪り始めた。それはハン尚宮の指が圧迫を感じるほど
であった。そして舌で愛しんだ時よりももっと柔らかく、しっとりと変化していた。

「チャングム、仕上げはこうするのよ。」
 ハン尚宮はそう言うと、チャングムの肩をかかえて布団の上に倒し、その上に覆い被さった。
ハン尚宮は、チャングムの片腕を自分の背中に回させ密着度を高める。唇を合わせ、チャングムに
舌を出させて自分の口内で弄ぶ。同時に左手でチャングムの深奥と敏感な部分を愛しんだ。
 チャングムは、師の動きに身体が熔けていくように感じ、徐々に何も考えられなくなった。
そして背中を反らせ、たまらず腕に力が入り、師の腰を掴む。ハン尚宮は、敏感に尖った乳首を
口に含み、やや強めに吸い上げた。
 それから右手でチャングムの頭を抱え、指をチャングムの口に入れて、口内をかき回す。
耳たぶに舌を這わせる。
「ああっ、尚宮様!」
 心地よさが身を焦がすように思え、チャングムは果てた。
 初めて私の身体を開き、その全てを慈しんでくれた尚宮様。ハン尚宮に対する愛おしさが
チャングムの全身を包み込んだ。

 ハン尚宮も、チャングムの締め付けを感じながら、もうミョンイではなくて、この愛しい子、
愛しいチャングムそのものが自分の手の中にあることを確信していた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ハン尚宮はチャングムの息が整うのを待って言った。
「チャングム、基本的なことは教えました。お前なら、いろいろ工夫を重ねてもっと相手を喜ばせる
ことができるわ。」
「はい、尚宮様。ありがとうございます。尚宮様のお教えは忘れません。そしてもっともっとうまく
なって、尚宮様においしいものを差し上げます。それに・・・私も尚宮様を戴きたいです。」
「この子ったら、うふふ。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 帰り道で、もとの俯き加減の表情に戻りながら、ハン尚宮の頭を不安が過ぎった。
「この子は研究熱心なのはいいけれど、またあちこち駆け回り、間違いしでかさないかしら。

そうだ、>>82,83をもう一度言って聞かせねば。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――終―――


  (引用) 「ハン尚宮×チャングム 手ほどき?」 第一部075氏  


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