BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   ミン尚宮×チャンイ (1)       第一部064様


ヨンセンが王の寵愛を受け、特別尚宮となって間もなくのことである。
一日の仕事を終えたミン尚宮は、例によってチャンイを私室に呼び、
茶菓子をつまみながら、愚痴や宮女たちの噂話やら、影口やらを、
とりとめもなく語り合っていた。
ハン尚宮とチャングムが追放されて以来、チェ一族が水剌間の中核となり、
ハン尚宮の一派と見なされた者たちは、下働きに等しい仕事へと追いやられてしまった。
しかし、この度のヨンセンの思わぬ出世に、苦渋を嘗めていたミン尚宮の気持ちの中に、
春の訪れのような、浮かれた気分を目覚めさせてしまったのは、
無理からぬ事であったかもしれない。

いつもの愚痴ばかりの席が、幾分笑いに満ちたものとなり、
お茶だけであったというのに、ふたりとも何となく気分が高揚している。
「あのヨンセンが、王様のご寵愛をお受けになったとは。
一体、どんなふうだったんだろうね。
下をむいたままで、怯えていたみたいだけど、
これからはひとつ、その方面のこともいろいろ教えてあげないといけないかね。」
ミン尚宮の瞳に、灯が映り込む。
「そういう尚宮様は、いろいろとご存じなんですか。
枕絵とか、たくさんお持ちなんですか」
仕事や出世よりも楽しみが第一の、好奇心一杯のチャンイである。
「いろいろご存じというほどではないけどさ、
一応、女官だし、尚宮に上がる前は、なにかと年長の女官たちの手ほどきぐらいあったわよ。
今の女官長様が最高尚宮になられたあたりから、
そういう事をあまり好まない風潮が出来上がってきたのだけど。」
「え〜っ、尚宮様。手ほどきって、どんな……」
漢人から手に入れた桃饅頭を片手に、チャンイが身を乗り出してきた。
この娘は、こういう話に目がないらしい。
「まあ、あんたも見た目はそんなに悪くないし、
あの内気なヨンセンでさえ、王様のお目に止まったんだから、
あんたにも、いつお情けがってことも無いではないだろうから、
教えおくに越したことはないけどさ」
ミン尚宮は語尾を濁しながら、どうしたものかと考えていた。


 * (2) (3) ミン尚宮編 (4) チャンイ編


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