BBSPINKちゃんねる内で発表されたチャングムの誓いのSS(二次小説)を収集した保管庫です

   皇后×チャングム       第二部094様


ある日の夜
医女・チャングムは皇后に呼ばれた。

『女官時代に作ってくれた野苺の砂糖漬けを食べたいから今夜野苺の砂糖漬けを持って皇后殿に来ておくれ』と。

そしてチャングムは野苺の砂糖漬けを持って皇后殿へ向かった。

『チャングム。』

『皇后様、野苺の砂糖漬けをお持ちいたしました。しばらく料理から離れていたので同じ味なのかは自信はございませんが…』

そう言ってチャングムは皇后へ野苺の砂糖漬けを差し出した。

皇后は野苺の砂糖漬けを口へ運んだ。
『うん、美味じゃ
あの頃と同じ味だ
しばらく料理から離れていたのに料理の腕は落ちておらぬな』

『有り難きお言葉です皇后様』

そう言ってチャングムの作った野苺の砂糖漬けを美味しそうに口に運ぶ皇后。

『そちも食べるか?』
『いえ…そんな…』
『近う寄れ』

そう言ってチャングムを自分の近くに引き寄せた。
『もっと…』
チャングムは皇后に肩を引き寄せられた。

皇后は楊枝に刺さっている野苺1粒引き抜きつまんで
チャングムの口元へ運ばせようとした。
『チャングム口をお開け』
チャングムは皇后の持つ野苺を口へ運ばされ、チャングムは野苺を口に含んだ。

『美味か?』
チャングムは少し動揺しながら
『は…はい…皇后様』
と答えた。

皇后はもう一度
楊枝に刺さった野苺を1粒引き抜き
チャングムの口元へ運ばせた。
チャングムももう一度野苺を口に含んだ。

『チャングム…私の指についた野苺の汁をお舐め』

チャングムは動揺したが
チャングムは皇后の爪を甘く咬んで
皇后の野苺の果汁の付いた指先を口に含み
口で一通り舐った。

『そちはいやらしい舐めかたをするな…
その上目使いもそそるな…可愛いな』

そう言って皇后は妖しく微笑んだ。
皇后は人差し指でチャングムの顎をくっと持ち上げ、
親指はチャングムの唇に置き
皇后はチャングムに口づけをした。

『ん……ん……っ』

皇后とチャングムは
口の中で舌を絡ませ合った。
チャングムは口づけを重ねていくごとに
吐息が熱く荒くなっていくのがわかる。
そして皇后の熱い舌も自分の舌で感じる。
しばらく口づけを交わし唇を離した。
チャングムの唇から
皇后と絡ませた唾液が糸を引いた。

チャングムは動揺していた。
『…皇后様…何故いきなり…このような事を?』

『…信頼してる人間であるしそちは…私の愛しい女子(おなご)である…』
チャングムは自分の耳を疑った。


―私の事を愛しい女子…??


『…は?』
『最初見かけたときから私の目に止まっていた。
綺麗な顔、透き通った白い肌、
そちのまっすぐ直向きな瞳、
そちの志に惚れている。
ずっとそちを私のものにしたいと思っていた。』


唐突に自分の事を慕っていると告げれたことと先ほどの接吻したことでチャングムは動揺して何が何だかわからなくなり
暫く冷静に物事を判断できずにいた。

『…私の傍にいておくれチャングム
チャングムの心が欲しい…』

『医女としてお傍にいることはできても…
それは…できません…』

『何故?』

皇后は少し眉間にシワを寄せて言った。

『皇后様に私の命を差し上げることはできても心まで差し上げることはできません…』

『命を差し出しても心は差し上げることはできぬとな?』

『はい…』

チャングムの心の中には今も亡きハン尚宮がいる。
チャングムとハン尚宮は互いを慕いあっていたのだ。
チャングムはいまも亡きハン尚宮を愛しているのだ。

『そちを失いたくないと言っているであろう…?』

『…できません…』

『なら私付きの尚宮になっておくれ…
私はそちと一緒にいたい…
心は欲しくとも愛しい人間の命など欲しくない』


暫く沈黙が続いた。
沈黙の中、チャングムは時が過ぎるのがこんなにも遅いのかと思っていた。


『皇后様、よろしいでしょうか?』


―この声は女官時代同期であり今や最高尚宮となったクミョンの声だった。

『…入りなさい』
皇后は渋々と言った。

『それではまた何かあったらお呼びください
失礼致します』

チャングムはこの場から去ろうとした。

『チャングム…!』

皇后はチャングムの腕を強く掴んだ。

暫くチャングムと皇后は目を合わせていた。

『申し訳ございません皇后様。皇后様のお気持ちに答えられそうにありません…
恐れながら申しあげます…皇后様
私にも慕っているお方がいます…
………失礼致します』

チャングムは自分の心に嘘はつけなかった。
自分の腕を強く掴む皇后の手を優しくほどいた。

チャングムは皇后殿を後にした。

皇后はただその場に立ち尽くすだけだった。


夜食を持ってきたクミョンに皇后は
『…すまないが…そちの作った料理を食べられそうにない…
食べる気分にはなれないのだ…
本当にすまぬ…』

『しかし皇后様…』

『…料理を下げろと言っているではないか!…一人にしておくれ…!』

いつも柔らかな気品を持つ皇后が珍しく声を荒らげた。

『……かしこまりました………』

料理を下げ、クミョンも皇后殿を後にした。


『チャングム…どうしたら…
そちの心を私に向けてくれるのだ…?

ああ…どうしたら…


愛している…チャングム…』


皇后は小さく呟いた。


―皇后の欲しいものは手に入れることはできないとわかっていても皇后は一人の愛しい女に恋焦がれてやまないのだった。


■皇后×チャングム・終



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