SITSH(TSH不適切分泌症候群)

甲状腺ホルモン濃度が正常〜上昇しているにも関らずTSH分泌が抑制されず、甲状腺ホルモンレベルに比べて不適切に分泌し続ける病態
臨床的にはTSH産生下垂体腺腫甲状腺ホルモン不応症が代表

SITSHの分類(Weintraub)

1.腫瘍性TSH産生
A下垂体腫瘍
 1.他の下垂体ホルモンの過剰分泌を伴わないもの
 2.他の下垂体ホルモンの過剰分泌を伴うもの
B下垂体以外の腫瘍(異所性TSH産生腫瘍)
2.非腫瘍性TSH過剰分泌
A.甲状腺ホルモン不応症
 1.全身型
 2.下垂体型
B.TSH分泌の異常刺激
 1.TRHによる
 2.その他の刺激因子による
C.TSH分泌の抑制不全
 1.somatostatinによる
 2.dopamineによる
 3.その他の抑制因子による

T3,T4が高値にもかかわらずTSHが星状または高値を示す病態

1.甲状腺ホルモン輸送蛋白の増加(TBG,アルブミン,プレアルブミン)
2.家族性異常アルブミン血症
3.異常プレアルブミン血症
4.抗T3,T4抗体→測定系に影響を与え、みかけのT3,T4が高値となる
5.抗TSH抗体、抗マウスIgG抗体(HAMA)→測定系に影響を与え、みかけのTSHが高値となる
6.新生児期
7.全身性疾患
8.急性精神疾患
9.薬物(アミオダロン、アンフェタミン、経口造影剤)
10.I-サイロキシンの補充療法中
11.TSH産生下垂体腺腫
12.甲状腺ホルモン不応症

下垂体TSH産生腫瘍

どの年齢層でも発症の可能性有り
発症に男女差認めず

症状

甲状腺機能亢進症状
TSHによる甲状腺腫大(90%)
腫瘍圧迫症状(視野欠損、ホルモン分泌低下)

検査所見

TSHはLH,FSH,hCGと共通のαサブユニットとTSHに特異的なβサブユニットからなるが、TSHomaの患者では血中のαサブユニットの濃度が上昇している
TRH負荷試験に対するTSHの反応は消失(90%)
  • 嚢胞性の巨大腺腫の場合下垂体卒中の可能性がある為禁忌
1/4で下垂体前葉ホルモン(Gh,PRL)を同時産生
T3抑制試験→抑制されず自律的分泌

画像所見

90%以上がマクロアデノーマ
2/3に鞍状部進展が見られる
腫瘍サイズとTSHの値に相関は認めない
ミクロアデノーマでは造影MRIが必要

治療

外科的摘出
(2/3は浸潤性で治癒率40%)
オクトレオチド
抗甲状腺薬
ガンマナイフ

甲状腺ホルモン不応症(RTH;resistance to thyroid hormone)

十分甲状腺ホルモンが存在しているにも関らず濃度に見合った効果が標的臓器において認められない疾患
大部分が家族性でAD遺伝形式→家族歴精査
甲状腺ホルモン受容体(TR)はαとβの二つのアイソフォームが存在するが、TRβの変異のみ認める
変異TRβは正常TRβやTRαを阻害するドミナントネガティブ作用を発揮する→AD遺伝形式
また臨床的にRTHだがTRβに異常を認めない例→転写共役因子などの異常?

症状

SITSHによる代償のため代謝状態は正常にとどまることが多い
びまん性甲状腺腫大
頻脈
ADHD
眼症状はみられない

診断

TRH負荷試験に対してTSHは正常あるいは過剰反応を示す
TRβ遺伝子異常
T3抑制試験(部分的に抑制された結果TSHの低下が見られることが多い)

治療

代謝状態が正常であることが多い→特別な治療を要さないことが多い
バセドウと誤診し「治療」を行うと甲状腺ホルモン不足が顕著となる
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