目森一喜の本
『司法の崩壊』
やくざに人権はないのか


 警察や検察、そして、やくざの裁判のひどさを書きました。
 現在の司法は、あまりにひどい。
 斎藤三雄氏と共著です。
 出版は現代人文社。
 お値段は1700円(税別)です。







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何が「自衛軍」だ、盗人じゃないか

日曜日, 10月 23, 2005
 憲法改正議論にともなって、自衛隊を「自衛軍」とか「国防軍」にするとか、そういう話が出てきている。
 反対する。
 どうしてかというと、自衛隊を信頼していないからである。
 小倉に、上高さんという移動パン屋さんがいた。
 2人の自衛隊員が、移動パン屋さんの車に置いてあったバッグを盗んだ。支払い時期だったため、大金が入っていた。
 上高さんと、居合わせた常連客の男性が自衛隊員の1人を捕まえた。
 金は逃げた自衛隊員が持っていた。
 捕まった自衛隊員は詫び、念書を書き、返済を約束した。
 上高さんは隊にも出向き、2人の上司とも話をした。金さえ返ってくれば、事を荒立てないという合意をした。
 その間、自衛隊員たちは、行きつけの飲み屋のママを通して、やくざに頼み込み、上高さんを脅そうとした事もあった。
 だが、上高さんは、小倉の工藤會という任侠団体に所属する任侠者でもあった。自衛隊が嘘を言って泣きついたやくざも、同じ工藤會に所属する人で「何だ、上高さんか」と、すぐに手を引いた。上高さんの人物を知っていたからだ。
 ある朝、上高さんが目覚めると、上高さんは警官に囲まれていた。寝ている間に、警察に侵入されたのだ。
 何事かと驚くと、自衛隊員に対する脅迫の容疑で逮捕すると言う。
 裁判の結果、上高さんは有罪となり、服役した。パン屋さんの常連だった男性も逮捕され、有罪となり、服役し、仕事を失った。
 自衛隊員が金を盗んだというなら、ただの不祥事である。きちんと処理、処分すればいいだけであって、自衛隊そのものの問題ではない。
 だが、自衛隊上層部が、警察、司法に手を回して、泥棒を被害者に仕立て上げるような真似をすれば、自衛隊そのものの問題となる。
 それは、この出来事が、自衛隊が、自分の都合によって、平気で国民を踏みにじったという事だからだ。
 そして、自衛隊という政府機関に、警察という地方行政機関、司法機関が一体となって協力し、法を曲げ、被害者を有罪とし、服役させた。
 政府も、警察も、司法も、自衛隊も、すべてインチキで、ペテンである。
 政府が自衛隊をどうするとしても、これでは信頼できない。
 私は、国家よりも、上高さんを優先する。
 なぜかと言えば、上高さんに償いをしないまま、頬被りで通り過ぎる事が出来るなどと心得ているうちは、国益が国家を牛耳る小狡い者たちの利益でしかなく、国民の利益ではないからだ。
 上高さんが工藤會である事が、何か問題であるというような意識は、ふやけているとしか言いようがない。
 ヤクザだから、外国人だから、異教徒だから……それがどうした。レベルの低い話をしたいなら、レベルの低い者同士で、私的にやっていればいい。だが、それは国益とも、法とも、何の関わりもない話だ。
(旧Memorix再録)





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2006年05月15日(月) 13:11:49 Modified by kozymemory




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