目森一喜の本
『司法の崩壊』
やくざに人権はないのか


 警察や検察、そして、やくざの裁判のひどさを書きました。
 現在の司法は、あまりにひどい。
 斎藤三雄氏と共著です。
 出版は現代人文社。
 お値段は1700円(税別)です。







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月曜日, 1月 23, 2006

ライブドア、黄昏のドタバタ

強制捜査を受け、今後のポータルサイト「livedoor」の運営に関して
 というお知らせが、ライブドアのホームページにある。
 2006年1月20日の日付で、株式会社ライブドア ネットメディア事業本部 ネットサービス事業本部 モバイル事業本部 が出したものだ。
 この中に、

ポータルサイト「livedoor」は、月間約1400万人のユーザーの皆様からご来訪を、約300社の広告主からのご出稿を頂いており、既に法人としての株式会社ライブドアからは独立した「公共性」を有していると考えます。当社は、上記の認識に立ち、今後も、メディアとしての「中立性」「独立性」を最大限に確保しながら、ポータルサイト「livedoor」の運営を継続してまいります。

 という部分があった。
 ポータルサイト「livedoor」は、沢山の人が来訪して、沢山の広告が出稿されているから、本社とは関係ない、つまり、本社は悪いけど、ポータルサイトは悪くない。「公共性」「中立性」「独立性」を持っている。つまり、「正義」だと言っている事になる。
 ホリエモンが逮捕されたけど、自分は悪くない。逮捕しないでね。ついでに、こんなに人も来るし、広告も集まってるんだから、誰か、このポータルだけ(私、あるいは、私たちとコミで)買収してねと、そう言っているのだ。
 ライブドアのポータルは、ライブドアの一部だというのは、考えるまでもない話だ。
 検察に逮捕された、現段階では、ホリエモンたちは無罪だ。有罪が確定するまでは無罪なのが法律の精神なんだぜ。それを身内が裏切ってどうするのよ。
 まあ、堀江がいいとか悪いとか、判断はしないでおくけれど(功罪あると思う)、ライブドアのポータルには、利用しているだけにガッカリした。
 慌てて、理屈にならない理屈をならべる程度だから、深くはつっこまないが、みっともないぞ。
 しかし、いかにも、終焉を迎えたバタバタの図だね。
posted by 目森一喜 @ 8:10 午前 0 comments links to this post



水曜日, 1月 04, 2006

4日の神田明神

 毎年、神田明神にお参りする。今年はいつになく人が多く、驚いた。
 境内にびっしりと人がいて、参道から、けっこうならばなければならなかった。
 やっとお参りして、古いお守りを裏手の受付に返し、新しいお守りを買った後は、甘酒を飲もうという気にもならず、横に出る道から帰った。
 後で新聞を見たら、今年は1000社ほど企業の参拝が増えたのだとわかった。
 神田明神は将門公を祀った神社で、天皇が将門公を参拝するわけにはいかないと、後から別の神を祀った。神田明神にある将門公の人形は、鬼気迫る、恐ろしい一体だ。神は、畏れ敬うものだ。板東では、将門公は畏れ敬われる。 
posted by 目森一喜 @ 11:30 午前



金曜日, 12月 02, 2005

道浦母都子さんの歌

 道浦母都子さんの『無援の抒情』を、私たちは今、岩波現代文庫で読める。
 道浦さんの歌を読んでいると、全共闘なのか、党派なのか、そういう若者たちの馬鹿さと痛々しさに胸がつまる。今になると、道浦さんが歌っている父親の姿
の方に自分が重なってしまうが、道浦さんと同世代で、道浦さんの、そして、自分の父親に並ぶほどの器量を持てた人は少ないのではないかと思う。
 歌としてはあふれ返るものがありすぎて、どうしていいか見当もつかなくなる魅力があるが、歌人としては、後の作品で技量が高まったわけでもなく、また、
思想が深まった印象もない。ただ、道浦さんそのものから、正面から時代の苦悩をひきうけて生きる清さが感じられる(おそらく、常にそのように思われ、言わ
れて来ただろう。本人にとっては嫌な言葉かもしれない)。NHKの短歌番組で見る彼女は、やはり美しい。
 私などは、あの道浦母都子だと、仰ぎ見る、高い存在です。
posted by 目森一喜 @ 8:17 午前



土曜日, 11月 05, 2005

続・喜劇個人情報保護法

「日本情報処理開発協会」という国の外郭団体があるらしい。
 情報管理体制を整備した企業などに「Pマーク」というものを発行しているのだという。Pとはプライバシーの事だ。Pマークは公的効力のない、民間の評価制度なのだが、個人情報保護法施行後、Pマーク取得を求める企業が殺到しているようだ。
 10月末までに、2000を越える企業・団体がPマークを取得し、1300が申請中だという。
 ところが、この「日本情報処理開発協会」が、自らの主催した講演会で、同協会が受け付けた電話相談者の名前や携帯電話番号、相談内容などが書かれた書類を誤って配っていたのである。
 これは個人情報保護法違反ではないかと思う。「日本情報処理開発協会」は外郭団体ではあっても、政府機関ではないのだから、個人情報保護法の対象となるはずだ。
 しかし、Pマークというのはトボけてるな。
 同じく、公的効力のない、民間の評価制度だったら、俺にだってどうにでもなる。
 よし、目Pマークを出す。「日本情報処理開発協会」のも俺のも、どうせ御利益のないお守りだ。こっちは誰でも、好きに使ってかまわない。
posted by 目森一喜 @ 7:32 午前



名古屋刑務所放水殺人判決について

 名古屋刑務所で刑務官が消防用ホースで受刑者に水をかけ、死亡させた事件の裁判で判決が出た。
 名古屋地裁の柴田秀樹(しばた・ひでき)裁判長は4日、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた副看守長、乙丸幹夫(おとまる・みきお)被告(49)に懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役4年)を言い渡した。
 柴田裁判長は判決で、放水の目的は「受刑者の体の汚物を除くため」とし「懲らしめ目的」とした検察側主張を否定。一方、冬に臀部(でんぶ)を露出させ至近距離から肛門(こうもん)を目がけた放水は「暴行としての違法性がある」と述べた。
 刑務官だと人殺しをしても、懲役3年で、執行猶予までつくという判決だ。
 ただ水をかけたのではなく、消防用の水だ。もちろん、刑務所のような大きな施設の消防用なのだ、高圧の水だ。殺された受刑者は、この高圧の水を尻にかけられ、直腸を破裂させて死んだ。
 人間は火事ではない。これは、れっきとした刑務官による、つまり、国家による殺人だ。
 それでも、受刑者を死亡させたとして特別公務員暴行陵虐致死罪で、刑務官が有罪判決を受けたのは初めてだという。
 刑務官は受刑者に対して、し放題をして来た事になる。まったく嫌になる。日本のダメさが一番出ているのが、法務の部分だろう。
 そして、裁判官は、理屈が通らない事を平気で述べて判決を下す。
 ただ水をかけたのではなく、消防ホースを使ったのが「受刑者の体の汚物を除くため」などと、そういう馬鹿な事があるか。これは馬鹿な事だ。馬鹿というのは、柴田秀樹の事を指して言っているのだ。
 まったく、日本の判事はどうしようもない馬鹿がそろっている。論理が破綻していても平気なのだ。条理をつくすべき場で不条理がまかり通っている。
「太陽がまぶしかったから」と、殺人の理由を述べたら無罪になるかもしれない。
 刑務官の弁護側は控訴する方針だという。ふてぶてしい話だが、被告はふてぶてしくする権利がある。人殺し刑務官であろうと何であろうと、どしどし控訴すべし。
posted by 目森一喜 @ 7:31 午前



月曜日, 10月 31, 2005

杉浦法相、死刑発言撤回

 10月31日、杉浦正健法相が、就任後の記者会見で、死刑執行について
「(命令書には)サインしない」
 と表明した。
 しかし、その約1時間後、
「発言は個人としての心情を吐露したもので、法相の職務の執行について述べたものではない」
 と、発言を事実上撤回するコメントを発表した。
 これは、小泉政権の革新性とインチキ臭さをよく表した出来事だ。
 死刑について、なくして行く事がいいのだと、小泉も、その周辺も、十分にわかっているのだと、この出来事からよくわかる。
 昔なら、黙って、サインしないという実力行使をするのが良かった。昔ながらの見方であれば、杉浦正健は軽率である。しかし、今はこうした騒ぎとなり、問題が見えて来る事がいいのではないかと思う。
 小泉の敵は、また、1時間で杉浦の発言を撤回させる力を持っている。
posted by 目森一喜 @ 11:34 午後



月曜日, 10月 24, 2005

繰り言の気分的根拠

 不祥事というと、例外事例といった響きがある。だが、各県警で行っていた裏金作りは発覚し、問題とされたから不祥事と言われているが、例外どころか、日常業務となっていた。
 不祥事と業務の境界がひどく曖昧になってしまっているのである。
 不祥事を叩けば、不良警官がいなくなり、警察が良くなるなどという事は、現状ではありえないのだ。
 私ごときが、こうした事をいくら書き連ねても繰り言にしかならないのも自明だ。
 だが、警察組織に自浄能力が期待できない以上、警察が良くなる事が、将来においてあるとすれば、それは外からの力によるものとなる。
 そこに、こうした繰り言を外から書き連ねる、微かな根拠がある。
 こうしている事が何かに結びつくと思っているわけでもないが、黙っている気にもなれないという事になるだろうか。
posted by 目森一喜 @ 12:21 午後



散髪屋にて

 散髪はQBに行く。早くて安いからだ。
 面倒がって行かないが、今日、久しぶりに行った。
 前に二人ほどいた。三人がけの座席に、三人で座った。一人目の兄ちゃんは、何やら若向けの雑誌を見ていた。
 散髪の席は5つほどあったが、従業員は二人、しかも、一人(女の子)はその時散髪していた客が終わると、奥に引き上げてしまった。
 残る従業員は男が一人。
 そして、次の番になり、待っていた一人目の兄ちゃんが散髪台の人となった。
 すると、その兄ちゃんは、それまで見ていた雑誌を従業員に見せ、こういう髪型にしてくれと注文した。
 感動した。高級店ではなく、QBでこうして注文するなんていいと思った。
 従業員はそういう要求に応えなければならないとなると、技術を向上させなくてはならない。上手くなれば仕事に張りも出る。従業員の質が上がると、我々もその恩恵に浴する事が出来る。
 私の年齢になると、雑誌に掲載されている同世代は髪があればいい方という貧寒たるありさまだ。問題は、あるかないかに限定されてしまっており、格好がいい悪いという高度な水準は存在しない。当然、見本とする雑誌などは存在しない。かといって、高倉健の写真を出しても、気がふれたとしか思われないだろう。
 第一、これまで、ただ散髪すればいい、ああ、面倒だとしか感じていなかった。
 結果が良くても悪くても、どうしてそうなったかの検証もできなかった。まあ、どうであっても、さほど認識されないので助かっているわけだが……
 とにかく、QB従業員の技術向上にはまったくの無力なのである。
 ここは、若い人たちに頑張ってもらうしかない。どしどし雑誌を持ち込み、注文をつけてもらいたいものだ。
 デフレ初期には、安かろう悪かろうが通用したが、これからは安くても、それなりの質が求められるようになる。供給者には厳しい時代となるが、それは、新参者にも可能性チャンスのある時代という事でもある。
posted by 目森一喜 @ 11:27 午前



木曜日, 10月 20, 2005

不祥事の背景

 警察などの不祥事について、いつも攻撃している。
 だが、本当は、不祥事よりも、日常の方が問題だと考えている。
 警官が、取調室で被疑者を殴ったり蹴ったりしても、罵声を浴びせても、それだけでは不祥事にはならない。怪我をしたり、証拠が残った事で、外に知られ、社会的な問題となった時点で不祥事となる。ひとつの不祥事の背後には、どれほどの事があるのか、見当もつかない。
 あるいは、被告に不利な方向にばかり裁判を指揮する裁判官が多い。制度の上では、裁判官を忌避する事が出来る。だが、実際は出来ない。これが日常である。
 制度が悪くなるのは困るが、いくら良くでも、絵に書いた餅では、やっぱり困る。
 今の日本は、場合によっては国民が困る国だ。そして、困る場所に立ち至ってしまうと、まったく救いがない。救われない国だ。
 司法の動向を見ていると、救われる方向に向かう気配はない。
 今国会では見送られた共謀罪も、再び上程されるだろうし、可決されるだろう。
 法律が国家を作る。つまり、共謀罪が日本を作る。日本は、もっともっと国民が救われない国になる。
 私は、ほぼ毎日、共謀している。
posted by 目森一喜 @ 9:10 午後



水曜日, 10月 19, 2005

小役人の不心得

 鳥取県東京事務所の係長級の職員が、都内百貨店で催された県物産展の担当となった。
 この職員は、待たされた客から苦情を言われたことに腹を立て、百貨店に、匿名で、
「嫌なワガママな客多いね。もっと客を教育しなきゃ。客は図に乗る民なんだから」
 とメールを送った。
 この職員は百貨店からの謝罪を期待してメールに自分の携帯電話番号を書いていたため、店からの連絡で県東京事務所が突き止めた。するとこの職員は、
「個人情報保護法の趣旨に反する。提訴を考える」
 というメールを百貨店に送った。
 鳥取県は、公務員の信用を失墜させたなどとして、この職員を減給10分の1(6カ月)と降格の処分にした。
 この地方公務員は、個人情報保護法をまったく理解していない。だから、個人情報保護法を盾にとって民間企業を脅そうとした。
 役人は、自分が罪に問われないからって、個人情報保護法を知らなすぎる。こういう馬鹿が、人事異動で個人情報保護法に関わる部署に配属される可能性もある。
 個人情報保護法は、個人を保護する法律ではないと、政府が宣伝しなければいけないんだよ。
 そこを曖昧にしているから、こういう事が起きる。不心得な役人なんて、それこそ山ほどいる。こんなのよせって言ってやったのは私たちだ。それを無理矢理立法しちゃって……まだ、これからの色々起きるぞ。知〜らないんだ。
posted by 目森一喜 @ 4:35 午後



月曜日, 10月 17, 2005

喜劇・個人情報保護法

 医療機関などで警察の捜査照会に対して、個人情報保護法を理由に回答を拒否する事例が4月から6月の3カ月間だけで約500件に上っている事が分かった。
 報道によると、これは厚労省や日本医師会の指針に
「照会に応じても保護法違反ではないが、本人から損害賠償を求められるおそれもある」
 と記されているためらしい。
 まず、ふたつほどつけくわえておきたい。
 ひとつは、個人情報保護法がひどくわかりにくい法律だという事がある。
 どうも、世間では騒ぎになっていて、個人情報保護法はうるさそうだから、対処しなければならないだろうという風に企業などが動いているが、かなり苦労しているようだ。
 企業によっては、体質の未開な部分が露呈して、悲喜劇が演じられているらしい。
 個人情報保護法は、故意に破ろうと思っても、難しい、やっかいな法律だ。それを守ろうというのだから、最後は祝詞でもあげてもらうしかないかもしれない。風水がいいか、細木数子がいいか、色々あるが、何にするかは、他者の立ち入るべき問題ではない。
つまり、個人情報保護法という法律自体の問題が、捜査照会の回答拒否という形で現象したという事だ。これは、総務省に責任がある。
 次に、医療機関と司法の問題がある。
「照会に応じても保護法違反ではないが、本人から損害賠償を求められるおそれもある」
 というのは、端的にこの問題を現している。
 誤診など、医療過誤などは、本来、刑事責任が問われるべき事例であっても、すべて民事で処理されている。ようするに、医療機関は患者を殺しても、金で済まして来た。判事どもが無責任だから、逃げてしまうのだ。
 そこで、「損害賠償」は、医療機関にとって、最も恐ろしい言葉となった次第である。
厚労省は、
「一般論として例示しただけで、過剰に受け取られるのは本意ではない」
 としているが、官僚にとっては想定外の事態でとまどっているのだろう。役人の想定範囲の狭さがよくわかる話でもある。
 個人情報保護法に対する誤解で、個人(の情報)を守ってくれるものだというものがある。しかも、国に対して、個人情報保護法を盾にとろうとする人もいるようだ。
どんどんやればいいと思うが、個人情報保護法は国や地方自治体などの機関には適用されない、民間の大量に個人情報を持つ企業・団体にだけ適用される法律なのだ。だから、個人情報保護法によって、国の機関の責任を追求する事はできない。
 また、ある人が、数十人程度の個人情報を持っていて、これを本人の同意なしにどうこうしても、個人情報保護法にはひっかからない事になっている。
 この点について、三千人規模から問題になると、総務省が言っていたが、今後、どうなるかはわからない。
 個人情報保護法をめぐるドタバタは、面白いと言えば面白い。国が「個人」を守ると考えている人々がいるが、法律が問題としているのは人ではなく「情報」の扱い方なのです。
posted by 目森一喜 @ 4:22 午後

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2006年06月15日(木) 18:02:06 Modified by kozymemory




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