日本の周辺国が装備する兵器のデータベース

対潜ロケット

RBU-6000 212mm12連装対潜ロケット発射機

口径212mm
発射機重量3,100kg
最大射程距離6,000m(RGB-60対潜ロケット弾の場合)
ロケット弾重量119.5kg(同上)
爆発深度1〜400m(同上)
沈降速度11.6m/s(同上)
損傷半径50m(同上)
RBU-6000「スメルチ2」は1960年代初頭に旧ソ連で開発された対潜ロケット弾発射機。火器管制システムに連接しており、攻撃は自動化されていて目標の探知から1〜2分で発射できる。装填は機械式で約30秒で全弾再装填される。発射されるRGB-60対潜ロケット弾の射程は約6,000m。旧ソ連/ロシア海軍では様々な艦艇に使用されているが、中国海軍では空母「遼寧」で初めて装備が確認された。対潜攻撃の他、魚雷の防御にも用いられる。

RBU-1000 300mm6連装対潜ロケット発射機

口径300mm
発射機重量2,900kg
射程距離100〜1,000m(RGB-10対潜ロケット弾の場合)
ロケット弾重量196kg(同上)
爆発深度1〜450m(同上)
沈降速度11.8m/s(同上)
損傷半径100m(同上)
RBU-1000「スメルチ3」は1960年代初頭に旧ソ連が開発した大型の対潜ロケット発射機。RBU-6000と同様に火器管制システムに連接しており、攻撃は自動化されている。装填は機械式で、甲板下に48〜60発の予備弾を有する。発射されるRGB-10対潜ロケット弾の射程は100〜1,000mで、設定された深度に到達するか接触した時に爆発する。射程は短いが威力は大きく、損傷半径は100mといわれる。中国海軍ではソブレメンヌイ級駆逐艦のみが装備している。対潜攻撃の他、魚雷の防御にも用いられる。

87式250mm6連装対潜ロケット発射機(FQF-3200)

口径252mm
最大射程距離1,200m(62式対潜ロケット弾の場合)
ロケット弾重量71kg(同上)
炸薬量32kg(同上)
爆発深度1〜300m(同上)
沈降速度6.85m/s(同上)
損傷半径9.0m(同上)
65式250mm5連装対潜ロケット発射機(RBU-1200)の改良型で、砲身が1つ増えて6連装になっている。65式と異なり俯仰旋回は機力式で、対潜システムに連接されていて目標を自動で追尾して攻撃する。87式は中国海軍の主力艦載対潜兵装となっており、052型駆逐艦(ルフ型/旅滬型)(近代化改装後)と052B型駆逐艦(ルヤンI型/旅洋I型)053H1G型フリゲイト(ジャンフーV型/江滬V型)以降の全フリゲイトに装備されている。

75式204mm12連装対潜ロケット発射機(FQF-2500)

口径204mm
射程距離1,200〜2,500m(75式対潜ロケット弾の場合)
ロケット弾重量72kg(同上)
爆発深度10〜250m(同上)
75式は中国が独自開発した初の対潜ロケット発射機。第701研究所が設計・開発を行った。口径は204mmで65式よりも小さくなっているが、砲身は12門と倍増しており、より濃密な対潜弾幕を形成する事ができる。75式の最も特徴的な点は対潜システムと連接した事で、ソナー等から得た情報を元に距離・深度等の発射諸元が対潜システムから入力され、最適なタイミングと投射パターンで自動的に対潜ロケットを発射する。もちろん手動での発射も出来る。12門一斉に発射する事も、単発で発射する事も可能。発射する75式対潜ロケット弾(火箭深弹)の性能は重量72kg、射程距離1,200〜2,500m、爆発深度10〜250m。主に051型駆逐艦(ルダ型/旅大型)052型駆逐艦(ルフ型/旅滬型)に装備された。(052型は2011年の近代化改装で対潜ロケットをFQF-3200に変更している。)

65式250mm5連装対潜ロケット発射機(RBU-1200)

口径252mm
最大射程距離1,200m(62式対潜ロケット弾の場合)
ロケット弾重量71kg(同上)
炸薬量32kg(同上)
爆発深度1〜300m(同上)
沈降速度6.85m/s(同上)
損傷半径9.0m(同上)
旧ソ連で1950年代後半に開発されたRBU-1200のコピーで、爆雷を艦前方にパターン投射する対潜迫撃砲(対潜臼砲)。製造時期によって62式、81式、85式、86式とも呼ばれる。重量71kg(炸薬量32kg)の62式対潜ロケット弾を使用した場合の性能は射程距離1,200m、爆発深度1〜300m、沈降速度6.85m/s、損傷半径は約9m。俯仰角度は調整できるが、射出方向は固定されており構造上前方以外に発射できない。装填は人力で行われる。改良型の81式対潜ロケット弾は射程距離が延びた。5発全弾を発射すると1隻で70×150mの範囲をカバーできるが、基本的には複数隻が併走しつつ同時に前方に投射することで攻撃範囲を大きくする戦術をとる。037型哨戒艇(ハイナン型/海南型)037-I型哨戒艇(ハイチウ型/海久型)は艇前部に4基、053H型フリゲイト(ジャンフーI型/江滬I型)053H1型フリゲイト(ジャンフーI型/江滬I型)053H2型フリゲイト(ジャンフーIII/IV型)は艦首に2基装備している。

対潜ミサイル

CY-1対潜ミサイル(長纓1号)


CY-1対潜ミサイルは1980年代に開発が始まった中国初の対潜ミサイルでYJ-8艦対艦ミサイル(鷹撃8/C-801)をベースに開発された[10][11]。1988年に開催された北京国際防務展においてその存在が公にされた[11]。CY-1のサイズは重量610kg、全長4.5m(もしくは5m)、直径40cm、翼幅1.2m。胴体中央部と尾部にそれぞれ4枚の翼がX字型に配置されている。ミサイル先端部には対潜魚雷が装着されており、艦から発射されあらかじめ設定された空域まで飛行した後に魚雷を投射する。最大飛翔速度はマッハ1.5、射程は20km。深度300mまでの潜水艦に対する攻撃が可能。

CY-1は、051型駆逐艦(ルダ型/旅大型)053H2G型フリゲイト(ジャンウェイI型/江衛I型)039型潜水艦(ソン型/宋型)などで運用試験が行われたが、部隊配備には至らなかった[10][11]。不採用になった要因としては、CY-1の20kmという射程では潜水艦の長魚雷にアウトレンジ攻撃を受ける懸念が存在した事(一例として、米海軍の533mm魚雷Mk48は40kmの射程を有する)、中国艦艇が装備するソナーの探知能力が低く、対潜ミサイルを使用するような遠距離の潜水艦を探知できなかったなどの点が挙げられている[11]。また、CY-1はYJ-8及びYJ-82対艦ミサイルのキャニスターがそのまま利用できるが、CY-1を搭載するとそれだけ対艦ミサイルの搭載数が限られてしまう点も、艦艇への対艦ミサイル搭載を重視する中国海軍では問題視された[11]。

CY-2対潜ミサイル(長纓2号)

CY-2(長纓2号)は、開発が中止されたCY-1の技術を基にしてC-802対艦ミサイルの派生型として開発された空中発射型対潜ミサイルで、1994年にSH-5哨戒飛行艇(水轟5)からの発射テストに成功している[11]。

CY-2は基本的にはC-802の弾頭をYU-7短魚雷に換装したものと言える[11]。全長4.5m、直径36cm、翼幅1.18m。最大飛翔速度はマッハ0.8で、射程は55kmとCY-1より倍以上延伸された[11]。

CY-2は射程延伸には成功したが、遠距離における潜水艦の探知という問題はそのままであった。探知が難しいというだけではなく、飛翔時間が長くなればなるほど目標潜水艦が移動する可能性が高まるので、ミサイルが到着した時には敵潜水艦は既に退避した後という可能性が高かった。結局、CY-2も部隊配備は行われなかったが、中国海軍にとっては対潜ミサイルに必要な課題が明確になり、ミサイル開発に必要な各種技術やノウハウを蓄積できたという意味で無駄にはならなかった[11]。

YU-8対潜ミサイル(長纓3号)

 YU-8/CY-3は、CY-1/2の経験を踏まえて開発が行われた中国第3世代の対潜ミサイル。名称については、当初はCY-3と報じられた(例[11])が、次第にYU-8(魚8)と表記されるケース(例[12])が増加しているので、軍の制式名称はYU-8になったものと推測される。ただし「YU-8」は後述する長魚雷の名称としても登場しているので、名称については更なる検討が必要。本稿では「YU-8/CY-3」を併用する。
 YU-8/CY-3の開発は、各種魚雷の開発を行った経験の在る中国船舶重工集団所属の705研究所昆明支部が担当した[12]。開発着手は2002年で、2006年に制式化された。YU-8/CY-3の開発に際しては、ソナーの性能向上を前提として、30km以上の射程を確保して、従来の対潜ロケットと対潜ヘリコプターのギャップを埋める装備とする事が求められた[11]。このほかに、全天候性能、全方位への発射を可能とする、データリンク機能付与による飛翔中の軌道制御能力などが要求されている[11]。
 YU-8/CY-3の基本的な構造はCY-1/2を踏襲しており弾頭部に対潜魚雷が搭載されている。CY-1/2はYJ-8及びYJ-82対艦ミサイルのキャニスターをそのまま利用したが、CY-3では054A型フリゲイトのVLS(Vartical Lunch System:垂直発射システム)への搭載を前提としている。VLS方式は上部構造物上に傾斜式キャニスターを配置するよりも搭載スペースを節約する事が可能で、全方位発射という目標を実現するのにも都合が良い方法であった[11]。ミサイルの誘導は慣性航法システムを採用しているが、艦艇やヘリコプターがソナーなどで探知した目標情報をデータリンクで飛行中に受け取って中間軌道を修正するアップデート機能を有するのが特徴。これにより、遠距離攻撃でも移動する目標に対して軌道修正しつつ誘導する事が可能となり、CY-1/2で問題になっていた課題の1つが解消された形になる。CY-3の制御システムは、054A型フリゲイトの兵器システムの1つとして組み込まれており、艦のソナー、もしくは対潜ヘリコプターが探知した目標情報を基にして、脅威度の判断、必要な装備の選択、諸元算定など自動化された一連の過程を経て、目標に対してCY-3の発射を行う[11]。
 YU-8/CY-3の実用化は、長年の懸案であった対潜ミサイルの配備を達成したという点で重要な意義を有する。現時点では、搭載が確認されているのは054A型フリゲイトのみであるが、今後建造される新型水上戦闘艦艇への搭載も進められるであろう。

爆雷投射機

64式432mm爆雷投射機(BMB-2)


旧ソ連製BMB-2のコピーで、円筒状の62式対潜爆雷を火薬で射出する第二次大戦型の片舷用爆雷投射機。いわゆるK砲(帝国海軍では八一式投射機)のように使い捨て型の投射箭に爆雷を載せて投射するのではなく、爆雷そのものを巨大な砲身に装填して射出する。装填は人力で、発射方向と仰角を手動で設定できる。射出距離は約150m。基本的に艦尾両舷に2〜4基装備される。051型駆逐艦(ルダ型/旅大型)053H型フリゲイト(ジャンフーI型/江滬I型)などの旧式艦艇の一部、037型(ハイナン型/海南型)などの小型哨戒艇に装備されている。

魚雷発射管

DTA-53-956 533mm連装魚雷発射管


旧ソ連/ロシア製の長魚雷発射管。連装もしくは4連装のタイプが存在するが、中国海軍が保有しているのはソブレメンヌイ級駆逐艦に搭載された連装型のみ[1][2]。ソブレメンヌイ級は船体中央部の上部甲板両舷に同発射管を合計2基装備している[2]。通常発射管は艦の首尾軸に平行な状態で配置されているが、発射時は発射管を旋回させて発射口を艦外へ向ける。目標データの入力と発射は対潜システムが自動的に行うが、管側でも手動で設定・発射が可能。シーステート5以下の海況で魚雷を発射できる。予備魚雷を搭載するケースもあるが、ソブレメンヌイ級の場合は搭載魚雷は発射管内の4発のみ[2]。DTA-53-956はSET-53M、SET-65、53-65Kなど各種対艦・対潜用の533mm長魚雷の運用が可能[2]。中国海軍のソブレメンヌイ級が使用している魚雷については諸説あるがTEST-71M、SET-65KE、53-65KE[3][4]などの名が挙がっている。

B515 324mm3連装魚雷発射管(ILAS-3)


イタリア製の短魚雷発射管で、アメリカ製のMk32短魚雷発射管と同等の性能を持つ。管体を3本俵状に重ねており、各管体に1本ずつ装填された対潜用短魚雷を高圧空気で海面へ射出する。通常発射管は艦の首尾軸に平行な状態で配置されているが、発射時は発射管を旋回させて発射口を艦外へ向ける。054A型フリゲイト(ジャンカイII型/江凱II型)のようなステルス性を考慮した最新艦は魚雷発射管を完全に艦内に収めており、魚雷発射時にはシャッターを開けて発射管を露出させる。魚雷の発射は対潜攻撃システムから行うが、管側でも手動で発射可能。艦内の装填用レールを使用して魚雷の再装填ができる。中国海軍の各種艦艇に広く装備されており、標準的な対潜兵装となっている。

短魚雷

YU-7短魚雷(魚7型/YZQ-007)

全長2.6m
直径324mm(12.75インチ)
重量235kg
弾頭重量45kg
機関斜盤機関(オットー燃料II)
射程14,000m
最大速度43kts
誘導方式アクティブ/パッシブ誘導
YU-7は中国が開発した324mm対潜攻撃用魚雷。アメリカ海軍が1960年代に開発したMk46短魚雷のコピー。1978年10月に中国は南シナ海で海没していたMk46魚雷を秘密裏に回収し、第705研究所でリバースエンジニアリングを行った。天安門事件前(1985年)にアメリカから供与されたMk46魚雷の技術サポートに加え、1987年に輸入したイタリアのアレニア社製A244S魚雷も開発の参考にされた。中国海軍は1982年にMk46をYU-7として開発する事を決定し、1994年以降に海軍に正式採用され、1990年代後半から量産が行われた。誘導は魚雷が装備するアクティブ/パッシブソナーで行われ、設定されたパターンで目標を捜索して攻撃する。射程は14km、最大速度は43kts。YU-7は水上艦艇の3連装魚雷発射管から発射されるほか、Z-9C対潜ヘリコプターにも装備される。

ET52短魚雷(A244S)

全長2.6m
直径324mm(12.75インチ)
重量235kg
弾頭重量34kg
機関電気
射程6,000km
最大速度30kts
誘導方式アクティブ/パッシブ誘導
ET52はイタリアのアレニア社製A244Sをコピーした324mm対潜攻撃用魚雷。中国は1987年にイタリアから40発のA244S魚雷とB515魚雷発射管を輸入し、数本の魚雷を第705研究所に送って内部を解析させた。即座にA244Sのコピーが作られ、1990年にはET52として採用された。ET52は水上艦に装備されている魚雷発射管から発射されるほか、パラシュートを付けてZ-9C対潜ヘリコプターZ-8対潜ヘリコプターに装備される。

APR-3E「アリョールM」短魚雷

全長3,600mm
直径350mm
重量525kg
弾頭重量74kg(TNT火薬換算)
機関固体燃料モーター+ウォーター・ジェット推進装置
最高速力56kts
射程3,000m
運転可能時間113秒
使用可能深度800m
誘導方式アクティブ/パッシブ誘導
APR-3E「アリョールM(Орёл-М)」350mm短魚雷は、ロシアから輸入したKa-28対潜ヘリコプターの兵器パッケージの1つとして2000年代半ばに中国に導入された対潜魚雷[5]。原型となったAPR-3は前型APR-2対潜魚雷の発展型として1990年に開発を開始して1998年に実用化に漕ぎ着けた新型の対潜魚雷で、APR-3Eはその輸出型[6]。APR-3は今後登場する新型潜水艦への対処を前提として開発され、原潜から通常動力潜水艦、水上戦闘艦にいたる艦艇を攻撃対象としている[6]。沿岸域(深度60〜150m)から外洋まで任意の海域での運用が可能で、シーステート6までの海況で運用能力を有する[6]。ロシアでは対潜哨戒機や対潜ヘリに搭載される他、91RE1やカリブルIRCなどの対潜ミサイルの弾頭としても使用される[6]。兵器システムとしてのAPR-3Eは魚雷本体、キャニスター、制御・管制システム、整備機器、訓練用機材(訓練用魚雷APR-3Rやシミュレーターなど)などで構成される[6][7]。APR-3Eの構造は前方から、ソナー誘導システム部、弾頭/信管・照準回路部、制御システム、推進装置、操舵翼面作動システム部、制動傘部となっている[8]。APR-3Eの誘導システムは「水圧音響相関フェイズ・システム」と呼称されており、この複チャンネル・システムにより1.500〜2,000mの距離で目標を探知することが可能とされる[5][8]。同システムは90度×45度の捜索パターンを有し、信号雑音比0.4の感度を持つ[8]。アクティブ式とパッシブ式の2つの探知方式が可能だが、パッシブ式だと最大探知距離は500m程度になる[8]。APR-3Eの推進装置は固体ロケットモーター、固体燃料、ガス発生装置、ウォーター・ジェット推進系統などで構成されている[6][7]。APR-3Eの推進装置は素早い起動と高速を発揮することが可能であり、作動後1〜2分で目標に到達するため敵側の回避を困難にする[6]。最高速力は56kts(104km/h)で、機関の最長作動時間は113秒、航続距離は3,000m[5][6][7]。運用可能深度は800mで、最高速力43ktsまでの目標への対処が可能[5]。APR-3Eの運用パターンは、目標となる潜水艦を発見すると水上に投下、胴体尾部の制動傘を展開して減速しながら降下し、海面に達した時点で制動傘を分離すると共に前方の保護フェアリングが外される[8]。その後、15度の角度で螺旋軌道を描きながら海にもぐり、水深20m程度で信管システムを作動させ、目標捜索を開始[6][8]。目標を探知すると推進装置を作動させ56ktsの最高速力で、内蔵ソナーの誘導により目標に指向される[5][8]。信管は着発信管と音響近接信管の併用で、直撃ないし至近距離で爆発して目標艦艇を撃破する[7]。目標の中心部に命中するように誘導されるので、50%の確立で潜水艦の船体中央部に命中し、相手に致命的な打撃を与えるとされている[6]。なお目標を探知できなかった場合は、推進装置の停止から15〜20分後に自爆する[8]。

APR-2E「ヤストレブE」短魚雷

全長3,700mm
直径350mm
重量575kg
弾頭重量80kg(TNT火薬100kgに相当)
機関固体燃料モーター
最高速力62kts
射程1,500〜2,000m
運転可能時間1〜2分
使用可能深度15〜600m
誘導方式アクティブ/パッシブ誘導
(参照[8][9])

長魚雷

YU-8長魚雷(魚8型)

YU-8はYU-6の改良型で、斜盤機関から閉サイクル蒸気タービンに変更されており、水酸化ナトリウムを充填した高威力の新型弾頭を装備していると言われているが、詳細は不明。東シナ海でテストが行われたとの情報もあるが、まだ開発途中と思われる。

YU-6長魚雷(魚6型/YZQ-006)

全長5.8m
直径533mm(21インチ)
重量1,700kg
弾頭重量290kg
機関斜盤機関(オットー燃料II)
射程45,000m
最大速度65kts
誘導方式有線誘導、アクティブ/パッシブ誘導
YU-6は中国が開発した潜水艦装備用の533mm長魚雷(重魚雷)で、アメリカ海軍が1970年代に開発したMk48長魚雷のコピー。中国では1980年代半ばに第705研究所、西安精密機械研究所などを中心として開発が始まったが、多数の研究機関が参加したにもかかわらず、Mk48のリバースエンジニアリングはうまく進まず(特に推進機関とソナーの開発が難航した)、開発は長期に渡った。YU-6は1995年以降に国産潜水艦へ配備された。誘導方式は母艦からの有線誘導で、有線が切り離された場合はメモリー内に保存されている目標データを元に航走し、魚雷に装備されているアクティブ/パッシブソナーで捕捉して目標に突入する。発射された魚雷は事前に入力された誘導アルゴリズムに従って目標を捜索し、命中しなかった場合でも自動的に再攻撃モードへ移行する。射程距離は45km、最大速度は65kts。YU-6のシーカー部分のCPUはIntel486(Intel80486)が使われており、新しい技術が開発された時に容易に導入できるよう、モジュラー設計とオープン・アーキテクチャー・ソフトウェアが用いられているという。039A型潜水艦(ユアン型/元型)039型潜水艦(ソン型/宋型)093型原子力潜水艦(シャン型/商型)094型弾道ミサイル原子力潜水艦(ジン型/晋型)など比較的新型の国産潜水艦に装備されており、敵潜水艦及び水上艦の攻撃に用いられる。

YU-5長魚雷(魚5型)

全長7.8m
直径533mm(21インチ)
弾頭重量400kg
機関斜盤機関(オットー燃料II)
射程30,000m
最大速度50kts
実用深度500m
誘導方式有線誘導、アクティブ/パッシブ誘導
YU-5は中国が開発した初の有線誘導式の533mm長魚雷。旧ソ連製のTEST-71をベースに開発されたといわれているが、詳細は不明。1980年代に中国海軍は039型潜水艦(ソン型/宋型)に装備する有線誘導式の対艦/対潜水艦攻撃用魚雷の国内開発を決定した。1995年に開発は成功し1998年から中国海軍に納入されたが、同時期に開発されたYU-6の方が優秀だったため、生産は少数しか行われたかったと思われる。改良型の研究が現在も続けられている可能性もある。誘導方式は母艦からの有線誘導で、有線が切り離された場合は魚雷に装備されているアクティブ/パッシブソナーで誘導される。射程距離は30km、最大速度は50kts。輸出型はET34、ET36(改良型)と呼ばれる。

TEST-71長魚雷

全長7.9m
直径533mm(21インチ)
重量1,820kg
弾頭重量205kg
機関電気(銀亜鉛電池)
射程と速度20,000m/30kts
 15,000m/40kts
最大発射深度400m
誘導方式有線誘導、アクティブ/パッシブ誘導
TEST-71は1970年代に旧ソ連海軍で使用が始まった潜水艦装備用の533mm魚雷。中国は1994年にキロ級潜水艦(877EKM型)の導入と同時にTEST-71魚雷と53-65魚雷を調達した。TEST-71は有線誘導式の対潜魚雷で、有線誘導中は兵器操作員が自由に目標を変更することができ、誘導ワイヤーを切り離した後は魚雷自身が装備するアクティブ/パッシブソナーで目標を捕捉する。駆動方式は銀亜鉛電池を動力源とするモーター駆動で、最大速度は40kts、航続距離は15,000m/40kts、または20,000m/35kts。最大発射深度は400m。中国海軍ではキロ級潜水艦のみが装備している(ソブレメンヌイ級駆逐艦でも運用の情報も)。

53-65型長魚雷

全長7.95m
直径533mm(21インチ)
重量2,100kg
弾頭重量300kg
機関ガスタービン
最大速度45kts
射程18,000m
誘導方式航跡追尾式
53-65型魚雷は1960年代後半に開発された旧ソ連製の対艦艇用魚雷。中国はキロ級潜水艦(877EKM型)の導入と同時にTEST-71魚雷と53-65魚雷を調達した。誘導方式は艦艇が海面上に残した航跡を追尾する高度なもので、通常の対魚雷欺瞞装置では回避が難しいとされる。300kgの高性能炸薬を積んだ弾頭は直撃、または近接信管によって爆発する。53-65型はガスタービンによって駆動し最大速度は45kts、航続距離は18,000mといわれている。中国海軍が導入したのは輸出型の53-65KE型。中国海軍ではキロ級潜水艦のみが装備している(ソブレメンヌイ級駆逐艦でも運用の情報も)。

YU-4長魚雷(魚4型)

全長7.75m
直径533mm(21インチ)
重量1,755kg
弾頭重量220kg
機関電気(銀亜鉛電池)
射程と速度6,000m/30kts
 15,000m/40kts
最大発射深度150m
誘導方式パッシブ誘導(YU-4A)
 アクティブ/パッシブ誘導(YU-4B)
YU-4は旧ソ連製SATE-60を元に開発した潜水艦装備用の533mm長魚雷。1966年から開発は始まったが、1971年に完成した試作型の性能が低く、海軍は採用を拒否した。開発は1982年まで続き、YU-4Aとして量産された。射程距離は15km、最大速度は40kts。YU-4Aの誘導方式はパッシブソナーによる音響誘導のみ。1987年から量産が始まった改良型のYU-4Bは魚雷に装備されたアクティブ・パッシブソナーで誘導され、目標の捜索はパッシブソナーで行い、目標を捕捉後にアクティブソナーに切り替わる。YU-4Bはデコイと目標を識別する能力を有する。220kgの炸薬を弾頭に装備しており、6,000tクラスの船を一撃で沈める事が可能。長い開発期間の中で様々な改良が行われたため、最終的にはベースのSATE-50の性能を若干ではあるが上回ったという。033型潜水艦(ロメオ級)などに装備された。輸出型はET31と呼ばれる。

YU-3長魚雷(魚3型)

全長6.6m
直径533mm(21インチ)
重量1,340kg
弾頭重量190kg
機関電気(銀亜鉛電池)
射程13,000m
最大速度35kts
最大発射深度150m
攻撃深度6〜350m
誘導方式パッシブ誘導(YU-3)
 アクティブ/パッシブ誘導(YU-3II)
YU-3は中国が初めて開発した潜水艦装備用の533mm長魚雷。第705研究所が1964年から開発を始め、1972年に最初のテストが行われた。中国の未熟な技術のため開発は難航したが、1984年に開発終了し量産が行われた。誘導方式はソナーによるパッシブ誘導のみだったが、改良型で魚雷に装備されたアクティブ・パッシブソナーでも誘導できるようになった。射程距離は13kmと短い。機関は電気式だが銀亜鉛電池の劣化が早く、頻繁に交換する必要がある。091型原子力潜水艦(ハン型/漢型)092型弾道ミサイル原子力潜水艦(シア型/夏型)035型潜水艦(ミン型/明型)に装備された。輸出型はET32/中華鱘IIと呼ばれる。

YU-1長魚雷(魚1型)

全長7.8m
直径533mm(21インチ)
弾頭重量400kg
機関ウェット・ヒーター
射程9,000m
最大速度50kts
誘導方式無誘導(YU-1)
 パッシブ誘導(YU-1A)
YU-1は旧ソ連製の53-51魚雷をコピーした潜水艦装備用(一部魚雷艇にも搭載された)の533mm長魚雷。中国はソ連と結んだ軍事技術協定により電気駆動式音響誘導魚雷の技術供与が行われる予定だったが、中ソ間の衝突によりソ連の技術者は1960年に引き上げてしまった。また大躍進政策により中国国内は無駄に混乱しており、近代的な対艦魚雷の開発は遅々として進まなかった。ソ連からの援助を打ち切られた中国は、当初帝国海軍から接収した酸素魚雷を参考に開発を進めていたが、数度の爆発事故の後、魚雷操作員に高度な技術が必要なことを理由に酸素魚雷の開発を中止した。その後中国は数本入手していたソ連製の53-51魚雷をコピーする計画に変更し、第705研究所を中心に1963年から開発を始めた。航走が安定しないなど53-51魚雷のコピー開発も難航したが、1971年9月に完成しYU-1と命名された。これまで中国海軍は使用する魚雷を全て輸入していたが、第705研究所がYU-1のコピー開発に成功したことで、初めて長魚雷の国内生産を行えるようになった。YU-1は無誘導型(予め設定したコースを進むだけ)だったが、1980年代に開発された改良型のYU-1Aは魚雷に装備されたパッシブソナーによる音響誘導が可能になった。射程距離は9km、最大速度は50kts。033型潜水艦(ロメオ級)035型潜水艦(ミン型/明型)など中国海軍の初期の潜水艦に搭載された。

航空魚雷

YU-2ロケット魚雷(魚2型)

全長3.0m
直径450mm
重量627kg
弾頭重量200kg
構造固体燃料ロケット
射程5,000m(空中)、1,000m(水中)
誘導方式無誘導
YU-2は旧ソ連製のRAT-52航空ロケット魚雷のコピー。爆撃機に搭載され、空中投下されたあとロケットで飛行して敵艦隊の防空網を突破し目標の近くに着水する。中国は1958年にソ連から技術者を招きYU-2の開発を行ったが、その後の中ソ対立のためソ連の技術者は引き上げてしまい、中国独自で開発を行わざるを得なかった。1960年に行われた最初の発射試験は魚雷が水没したため失敗したが、当時の中国の技術レベルでは原因が特定できず、YU-2の開発は一時凍結された。1964年にYU-2の開発は再開され、1970年までに開発は完了した。YU-2はオリジナルのRAT-52と比べて水中の航走距離が2倍に延びていたが、弾頭は40kg以上軽かった。YU-2はH-5爆撃機(轟炸5/B-5/IL-28)に搭載される予定だったが、対空ミサイルの装備など防空能力を向上させたアメリカ空母艦隊を攻撃するには時代遅れの兵器になっていた。レーダーの探知を避けるには低空で飛行する必要があったが、YU-2は低空で投下できなかった。また完全に無誘導であり(後にYU-1Aの技術がフィードバックされパッシブ誘導機能が追加された)、命中率も著しく低かった。YU-2は1984年までに全て退役した。

航空爆雷

ED-41型航空爆雷



【参考資料】
中国武器大全
海軍360-海軍艦艇大全
中国水中兵器的発展
[1]Tactical Missiles Corporation JSC「DTA-53 Set of Double-Tube Torpedo Tubes」
[2]Russian-Ships.info「Destroyers Project 956」
[3]MDC軍武狂人夢「杭州級導彈驅逐艦」
[4]中国武器大全「中国海军现代级驱逐舰139“扬州”号」
[5]Chinese Military Aviation- Missiles III「APR-3E (courtesy of HF, LXDF)」
[6]Ракетная техника Описания и технические характеристики ракет. Новости военно промышленного「Авиационная противолодочная ракета АПР-3 Орёл-М」
[7]Tactical Missiles Corporation JSC「APR-3E - Airborne Antisubmarine Missile」
[8]青木謙知『軍用機ウエポン・ハンドブック(ミリタリー選書8)』(イカロス出版/2005年)232〜233ページ
[9]MilitaryRussia.Ru「АПР-2 Ястреб」
[10]Chinese Defence Today「CY-1 ANTI-SUBMARINE ROCKET」
[11]小飛猪「探秘中国反潜導弾」(『艦載武器』 2013年8月号(2013.08A)/中国船舶重工業集団公司)38〜43ページ
[12]MDC軍武狂人夢「江凱-II級護衛艦」

中国海軍

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