否定派の主張

ラーベが日本軍に対して感謝状を出している。「大虐殺」などありえない。
第5の論拠 難民区は安泰、感謝の書簡

 国際委員会の委員長ジョン・H・D・ラーベ氏は、国際委員会を代表して次のような書翰を日本軍に送っている(「法廷証」323号=検察番号1744号抜萃で弁護人が朗読したもの、速記録210号)。
「拝啓 私どもは貴下の砲兵隊が安全地区を攻撃されなかったという美挙に対して、また同地区における中国民間人の援護に対する将来の計画につき、貴下と連絡をとり得るようになりましたことに対して感謝の意を表するものであります。」

(田中正明『南京事件の総括』p176より。漢数字はアラビア数字に置換)

反論

ラーベ(または国際委員会)が日本軍に「感謝状」を送ったという事実はない。「感謝状」と銘打った文書、感謝文を主とする文書は存在せず、ある文書の冒頭に日本軍に感謝するという文言が含まれているだけである。それを渡部昇一あたりが印象操作のために「感謝状」扱いするようになったようだ。

当該文書の主旨は安全区国際委員会の計画および活動の説明であり、それに関する日本軍への要望を述べているに過ぎない。どう読んでも「感謝状」ではなくて「要請状」である。

国際委員会 第1号文書

 拝啓
 貴軍の砲兵部隊が安全区に攻撃を加えなかったことにたいして感謝申し上げるとともに、安全区内に居住する中国人一般市民の保護につき今後の計画をたてるために貴下と接触をもちたいのであります。
 国際委員会は責任をもって地区内の建物に住民を収容し、当面、住民に食を与えるために米と小麦を貯蔵し、地域内の民警の管理にあたっております。
 以下のことを委員会の手でおこなうことを要請いたします。〔後略〕

(『南京大残虐事件資料集 第2巻 英文資料編』p120より)※全文はこちらを参照
上記引用部分の原文

Honorable Sir
  We come to thank you for the fine way your artillery spared the Safety Zone and to establish contact with you for future plans for care of Chinese civilians in the Zone.
  The International Committee has taken responsibility for putting people into buildings in the area, has stored rice and flour for feeding the population temporarily, and has taken control of the police in the area.
  We would respectfully request that the Committee may:

これを読めば安全区を攻撃しなかったことに対し儀礼的に謝辞を述べているだけだと一目でわかる(ただし積極的に狙わなかっただけで、流れ弾による死者は出ていた)。
一部には「『南京全市民は約20万人が全員無事だった』と感謝状を送った」、「日本軍の治安維持に対して感謝状を送った」などと書く人々もいるが、いずれも実物を確認していないのだろう。

仮にこの文書が「感謝状」であったとしても、それを理由に南京事件を否定することは不可能である。この文書の日付は1937年12月14日であり、南京陥落の翌日にあたる。陥落から数週間に渡って続いた日本軍の不法行為が一般に南京事件とされているのだから、陥落直後の「感謝状」を持ち出しても意味はない。(この文書を作成した時点では国際委員会も日本軍が秩序的に南京を統治するものと期待していた)
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