544 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 23:08:23 ID:CILwE5FE
545 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 23:08:58 ID:CILwE5FE
546 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 23:09:48 ID:CILwE5FE
547 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 23:10:33 ID:CILwE5FE

 そこには、ノーヴェとウェンディがいた。両腕を後ろ手に縛られ、両足首は鎖で繋がれ、普通に歩くことも難しい状態の二人。そしてその周囲には男たち。
 その正面、それほど大きくはない部屋の反対側には、セインが床の上に直接座らされていた。セインの方は二人と違って身には何の束縛も受けていない。
 セインは二人の名を呼び、二人はセインの名を呼ぶ。
 しかし、セインは妹たちの身体を自由にするために動こうとはしなかった。二人と自分との間には目に見えない力場が存在していることをセインは知っている。
その力場は天井や壁も覆い、セインのディープダイバーを持ってしても抜け出ることは叶わないのだ。
 そして、セインの周りには管理局の男たちの姿が。

「妹とのご対面だ。感謝しろよ」
「二人だけじゃないか……」
「ああ?」

 男が間髪入れずにセインを蹴り上げた。
 瞬間、立ち上がりかけたノーヴェとウェンディが取り押さえられる。力場は音すら遮断するが、セインが蹴り上げられた姿は当然二人に見えている。

「おいおい、お姉ちゃん、妹の躾はちゃんとしようよ。なに? それともあの二人まで同じ事させたいわけ? うわ、ひっでぇお姉ちゃんもいたもんだ」

 その言葉に、セインは苦悶の表情を堪え、男をにらみつける。しかし、力の優劣は明らかだった。今のセインは、戦闘機人としての力をほとんど失っている。
残っているのは肉体の強靱さと感覚の鋭敏さのみなのだ。

「他の妹たちは……どこなんですか?」
「順番が違うなぁ」

 男はインターコムのスイッチを入れると、ノーヴェたちを示した。
 セインはうなずく。

「ノーヴェ、ウェンディ、落ち着け」
「セイン! 何やってんだよ! そんな奴ら、ぶっ飛ばしちまえよっ!」
「いいんだ、それより二人とも、落ち着いて管理局の指示に従うんだよ。悪いようにはされないはずだからね」
「だってセインが……!」
「バーカ。お姉ちゃんは大丈夫だから、安心しな」
「……セイン」
「いいから、お姉ちゃんに任せな」

 セインは笑ってみせた。
 ウェンディとノーヴェは守る。そう、決めていた。単純だが、強固な決意。
 ディエチは、こいつらからは何とか逃げ延びたらしい。最後に消息を聞いたのは、直接機動六課に保護されているという噂だ。
少なくとも、六課ならここよりは随分マシな扱いだろう。
 それ以外の姉妹は、こちら側にいるということしかわからない。
 
 この部屋に連れてこられる前に、さんざん暴行を受けて床に伏せっているセインに、男は笑いながら言った。
 貴様の素行が良ければ、妹たちの身の安全は保証する。と。

「自由とはいかないが、少なくとも安全は保証しよう」
「信じられるか……」
「では、君のリクエスト通りにしようか。まずは……」

 セインは壁に作りつけのモニターに映し出された光景に息をのんだ。
 ディードが、男の上で腰を振っている。全裸で。両手では別の男たちのペニスをそれぞれ握っている。
 そして口は、さらに別の男に奉仕している。

「彼女の奉仕は、オットーの身の安全と引き替えなんだよ。彼女の奉仕が止むたびに、オットーの身体が切り刻まれるという約束だ」
「切りき……てめえらっ!!」
「君の場合はノーヴェとウェンディと言ったかな。まあ二人分だから、一人当たりの負担は少ないかもな」

 またもや、セインの動きが止まる。

「……オットーは無事なのか」
「言ったはずだろ。そこに映ってる女次第だって」
「無事なのか」
「さあな」
「てめぇっ!」

 立ち上がろうとして、別の男たちに床へ引き倒されるセイン。

「自分の立場をわきまえろ、オットーのことはディードが上手くやっている、そう思っておけ」

 そして連れて行かれる先。ウェンディとノーヴェがそこにいる。

「さて、君に奉仕をお願いしようか」
「……変態野郎っ」

 男はニッコリ笑うと、セインの粗末な拘束衣を引きちぎる。

「その変態野郎に好き放題されてたっぷりヨガるのは誰だと思う?」
「絶対に……」

 セインは絶句した。
 力場の向こう、ウェンディとノーヴェ、そのまた後ろ。
 二人からは見えない位置に掲げられた丸いもの。
 姉の…………身体の一部。

「さて。ウェンディとノーヴェの命は誰にかかっていると思う?」

 くぐもったうめき声と、リズミカルに肉を打つ音。そして男たちの罵声。

「ほらほら、お姉ちゃん、がんばらないと二人の番が来ちまうぞ〜」

 くぐもったうめき声は、唇を肉棒に犯されているため。
 肉を打つ音は、男たちの腰が尻に打ち付けられるため。
 両手を床に着き、四つんばいで前後から男たちに貫かれている姿を、セインは惨めにさらしていた。

「そろそろ感想のお時間ですよぉ」

 ギャハハと笑いながら、唇を突いていた男が腰を引き、セインの口元を自由にする。それを待っていたかのように二人の男が、左右からセインの乳房を乱暴に掴む。
 ねじり上げられ、乳首を捻られ、それでもセインには泣き言は許されない。
 ただ、言わされる。

「……気持ちいいですっ! もっとしてください! セインのお尻も口も全部使ってください。オッパイも捻られて気持ちいいんです!」
「なんだそりゃ、トンデモねえ変態だな」
「は……い、セインは変態です。虐められて感じてしまう変態なんです」
「おらぁ、しっかり告白しろよぉ」

 声が途切れれば、男たちは別の標的をいたぶり始める。ノーヴェと、ウェンディを。二人にはセインと同じく逃げ場などなく、どこかに拘束されているのだ。
 快楽などひとかけらも感じさせてもらえない徹底的な陵辱。屈辱と痛みだけが、セインの身を苛んでいた。ただ妹たちを救いたい。それを支えに、セインは耐えている。
 限界は、まだ来ない。 
 いや、限界などない。妹がいる限り、セインに限界はない。

「もっとぉ、もっと弄ってください、セインの穴、全部虐めてください」

 言わされているかぎり、妹たちの安寧は続くのだ。例えそれが二人だけでも、全員が救えなくとも。二人だけでも救えるのなら。

「セインちゃん、チンコ好きだよねぇ」
「はぃい、好きです、好きなんですぅ! もっとぉ、もっとたくさんください〜!」

 誰も他に目を向けないように。自分だけを陵辱し続けるように。自分に飽きないように。妹たちから目をそらし続けるように。

「気持ちいいんですぅ! もっとして、いっぱいしてぇえ!!」

 吐瀉を飲み込み、えづきを抑え、痛みも屈辱も全て隠して、でも、正気は保って。本当に気の触れた女など、男たちは相手にしないだろうから。
 セインは腰を振り、くわえ、擦り、舐め、飲み込み、締め付け、喘ぎ、偽りの快楽と欲求の声を上げる。

 娯楽室……と今では呼ばれている拘置室。いや、口の悪い者になると娯楽室ではなく「公衆便所」と呼んでいる。
 その部屋から出た二人は、なにやら楽しげに話していた。

「ふぃい。やったやった。時間まだあるし、飯でも行くか?」
「おお。で、明日はどうする?」
「あー。明日はスケジュールバッチリ詰詰だ。こっちに来る暇ないわ」
「そりゃ残念、ちなみに何処よ」
「んー。機動六課」
「マジ?」
「おう。あそこのスバルとか言うのと、茶でも飲んでくるわ。防災の方に行きたいってんで、その適性検査の準備だとよ」
「わははは、マジ鬼畜。あれのオカンのクローンにザーメン飲ませまくってんの誰だよ。娘の方は茶かよっ」
「や、ケツに入れまくるおめーに言われたくねーよ」
「わははは。ところでよぉ、ディエチとか言うのがそこにいるんだろ。アレもそろそろこっちに来させようぜ」
「やぁ、そりゃ無理だろ、鬼の高町教導官様が妙に気にいっちまってるから」
「……触らぬ神に祟りなしだな。つか、ここ自体、六課に内緒なんだろ?」
「まあねぇ、あいつら、腕は確かだし頼れるんだけど、偽善大好きだからなぁ。ちょいと、やりづれぇ」
「まあまあ、ああいう正義の味方もいてくれないと、市民が納得しないから」
「わははは、そりゃそうだ」
「おかげで俺らはいい思いしてるしな」
「そ、そ。今でも充分やらせてもらってんだから、贅沢は敵よ?」
「んだねぇ。ここもそろそろ潮時だろうし。どっかに埋めて、なかったことにすんだろ?」
「ま、いくつかの技術は転用するだろけどな。あの幻影システムなんかぜってぇ使えるって。戦闘機人騙せるんだぜ?」
「ああ、あれね。生意気眼鏡、生きたまま解剖して取りだしたって奴か。確か……シルバーカーテンだっけ?」
「アレ解剖か? おりゃあ、解体して遊んでるんだと思ってたがね」
「わははははは。ま、8割はそっちだろけどな」
「ぎゃははは」

 二人は拘置室に目を向け、ひとしきり笑う。
 おかしくてしょうがないのだ。
 管理局をあそこまで追いつめた戦闘機人が、姉妹の幻影を見せられただけであれほどおとなしくなるなど。
 セインも、ノーヴェも、ウェンディ……いや、捕らえられた全員が、姉妹の幻影を見せられ、屈したのだ。
 そして全員が、他の姉妹を救うためと信じて奉仕を続けている。

「あ、そういえば、一人だけは幻覚見せずに現実見せてるってさ」
「どいつよ」
「ん。スカリエッティ」
「わははははははっ」
「ぎゃはははははっ」

 二人は腹を抱えて笑いながら、その場を後にした。


著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2

このページへのコメント

看板に偽り無い、構造的にまっとうな話なんですけど堪えますね、コレは……。

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Posted by 時代遅れの追随者 2009年09月13日(日) 15:02:34 返信

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