530 名前:奥さんと僕 [sage] 投稿日:2011/10/16(日) 04:56:46 ID:CCZ1OXdU [2/6]
531 名前:奥さんと僕 [sage] 投稿日:2011/10/16(日) 04:59:09 ID:CCZ1OXdU [3/6]
532 名前:奥さんと僕 [sage] 投稿日:2011/10/16(日) 05:00:16 ID:CCZ1OXdU [4/6]

別段、魔導師の結婚の年齢制限はない。魔法を行使できる者は大人として扱われ
第一項から四項の例外を除いて自己責任が用いられる。各管理内世界によって細かい法令や
具体的な内容が異なっているが

「…………」

ユーノは思った。
僕はロリコンじゃない。
だが、己は今裸で、滾る一物と組敷く相手に欲情しているのは紛れもない事実だった。
開け放たれた窓からは程良い潮風と波の音が聞こえてくるが望外だった。
暗い部屋は、性の匂いに満たされている。

軟い肌。
まだ大人への変貌も見せず子供特有の柔らかさを持つ。
小さな四肢。
大人とは比較にならぬ腕と足の長さは顕著だった。
幼い乳房
まだ小さな膨らみと桜色の乳首が可憐だった。

野獣のように飢えた己の吐息が連続して聞こえる。
女を抱きたい。
女を抱きたい。
女を抱きたい。
その醜い一念を抱きながらも、今は罪悪感の欠片など微塵に持たなかった。
相手は僅かに怯えの表情を掻き抱いていた。
それでも構わなかった。

「(あれ?)」

性欲に忠実になりながらも、何故自分がここまで欲望に忠実なのか
ユーノは解らなかった。性欲の存在は認めるが、ここまで昂った事は
これまでなかった。いきり立ち、揺れている一物を抑えめるには射精をする以外他にないが

「ど、どうぞ……」

組敷く相手は、幼女であり妻であった。
小さく優しげな声に、亀頭の先端を迷わずに濡れる割れ目に押し当てた。
まぐわいを始める。





「ユーノ、嫁をもらわんか」

「は?」

第88管理内世界レゼウム。ス・ケベエ共和国のヌゲバスゴイ海峡に程近い、
エンテという村を拠点に仕事をしていた時の事。身内の思わぬ一言に虚を突かれた。
嫁、といえば奥さんだ。
奥さん、といえば妻である。
妻、というのは伴侶である。
人生を共にし、喜びも苦しみも分かち合う人だが。
急な言葉に目を白黒させる。

「どうしたんですか急に?」

「嫁だ。嫁。お前もそろそろいい歳だろう?」

質問にも答えてもらえぬ有様にため息を落とす。
拠点としている宿で仕事をしていたらこの有様だ。
尚、ユーノは20。確かに歳は悪くない。

「そろそろ家庭をもってだな」

「質問に答えて下さいよ」

机の上に散らばる資料を片しながらユーノはため息を落とした。
窓からは潮の香りが風にのってやってくる。
幼少の頃から仕事一筋できたユーノに女っ気はない。
何人かスクライアの族内の女を抱いた事はあったが、それだけだった。

「いや、何。お前さんに話を回せって言われたんだよ」

「誰にです?」

「お財布係に」

ここでいうお財布係というのはスクライアの一族の中で会計や仕事上での
折衝を務める人間のことだ。余談だ。

ユーノの気持ちに凄い喜びもなければ、落胆のため息もなかった。
大人になれば結婚するのは当たり前だし、ユーノの中でもいずれは
妻を持ち子を持ち、一族の中で華やかさはなくとも暖かな家族を持ちたい、
という願望は少なくともあった。

結婚を勝手にする者にはこういった声はかからないが、しない者には
少なからず回ってくるのがスクライアだった。小さな願望は小さな願望であり、
瑣末な感情でしかない。話を聞いたユーノはまあいいか、という気持ちが生まれた。

何も恋愛結婚でなければ良しとしないという気持ちはないのだ。

「いいですよ、お財布係って誰ですか?」

「ビーンだ」

「声かけときます」

「おうよ」

そこで会話は終了し気持ちは仕事に戻った。
尚、この話に出てくるオリジナルの人物名は例外を除きその場凌ぎの人間が
多いので忘れても支障はない。さらばビーン。

夕刻まで仕事をこなすと、街にでて夕食を摂る。
港町らしく海の食材をふんだんに使った料理は美味かったが、
仕事中に持ちかけられた結婚の話を思い出し、もぐもぐと咀嚼を続けながら
妻が暖かな料理を作ってくれて、お疲れ様と労いの言葉をかけてくれるのを想像すると、
悪くないという気持ちが強くなった。

誰でも一人は寂しいものだ。
お冷に手を伸ばしながら、レストランの中を見渡すと家族連れが多々見受けられた。
騒ぐ子はいない。暖かな光景に、ユーノの気持ちは前向きになった。食事を終えると
仮住まいの自宅に戻る。腹も満たされ満足とばかりにベッドに腰かけた時、
財布係に声をかけねばという事を思い出した。

「(いけないいけない)」

光学端末を開いて連絡をとる。
話はさくさく進んだが、相手は忙しそうですまないが明後日に
スクライアの族のお偉いさんがいる管理内惑星に飛んでくれ、とのお達しだった。
丁度仕事も一区切りつき余裕のあるユーノは一発OKだった。

端末を閉じると服を脱ぎシャワーで一日の疲れを落とす。
ラフな服装に着替えるとベッドに身を落とした。
どんな相手なのか、という期待が少なからずあった。

えり好みはしない、が凄まじいブスは嫌だと思うユーノだった。
眠りにつく。深い眠りだった。翌日も普通に仕事を済ませるが翌々日はおかしかった。
眠っている所を起こされ(拉致られ)無理やりどこかに連れて行かれた上、四人がかりで
着替えの支度を手伝われてしまう。

紫式部が着ているようなやたらと重いスクライアの儀式用の服にうんざりしながらも、
それが結婚式ようの服と気付いた時にはもう遅かった。髪は綺麗に結いあげられ
見事な新郎のできあがりだった。そして、ほいほいと連れて行かれる。

何やら、ゲル(テント)が立ち並ぶ荒野の寂れた場所にいるようだった。自分の現在地も解らぬ程
ばたばたしているのだ。そしてここが、どこの管理内世界なのかもわからない。あっちょんぶりけ。

「こっちよー」

「どういうことですか?」

「いいからいいからー」

濁されて明確な返事も無い。
少々の憤りを感じる暇も無く控室を思わせる風貌のテントに連れて行かれると、ユーノは出会う。

「……………」

「……………」

自分と同じように大層な衣装を纏った一人の少女に。


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著者:サンポール

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