最終更新: nano69_264 2010年10月10日(日) 11:32:45履歴
691 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:25:50 ID:gykKbdXE [3/9]
692 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:26:27 ID:gykKbdXE [4/9]
693 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:26:59 ID:gykKbdXE [5/9]
694 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:27:34 ID:gykKbdXE [6/9]
695 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:28:05 ID:gykKbdXE [7/9]
696 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:29:04 ID:gykKbdXE [8/9]
雷刃は考えていた。
新必殺技が欲しいと。
このところ模擬戦で負けが込んでいるのだ。これは、必殺技がないのが原因なのだ。
勝たなければならない。
「ボクは強いんだ」
そう。強いのである。最強なのだ。
だけど必殺技がない。いや、あるにはある。あるのだけれど、とりあえず全て既出なのだ。
欲しいのは新必殺技である。
別に必殺でなくてもいい。単なる新技でもいい。相手の意表を突いてなおかつ威力のある技なら最高だ。
雷刃は悩んでいた。
そんな簡単に技が思いつくのなら苦労はしない。
しかし、それでも雷刃は考える。
勝ちたいのだ。彼女に。闇統べる王、今ではヤミと呼ばれている彼女に。
高町にも、八神にも、フェイトにも常というわけではないが勝利を収めたことがある。
しかし、マテリアル同士では一度もないのだ。
それが、悔しい。
ヤミか星光、どちらかに初勝利を。星光はなんか恐いのでヤミ。
だから雷刃は、新しい技を模索していた。
「あ」
それはそれとして、時間は過ぎていく。
今日は日曜日。
欠かさず見ているテレビ番組の時間。
「よし。ここだっ!」
リモコンでチャンネルを合わせると、テレビの前にぺたんと座る。
「かっこいいなぁ」
そしてその頃……
これがこの世界(正確には日本)名物のヲタ文化というものか。
とヤミは圧倒されていた。
ものすごい量のアニメ、コミック、ゲーム。しかも、その質は決して低くない。確かに低俗なモノも含まれてはいるが、それでも決してクオリティは低くない。
「ふむ。塵芥にしては、面白いものを作るではないか。褒めてとらせよう」
誰も聞いちゃいない独り言なのだが、とりあえず褒めてみる。
いや、聞いている者が一人いた。
「誰に言っているのですか?」
星光である。
ヤミのお目付役、というか監視役として付いていくように頼まれているのだ。
因みに頼んだのははやてを筆頭とした地球在住魔道師組。
星光はとりあえずルールは守る。ヤミはその辺りがちょっと恐い。因みに、雷刃は誰にも止められないが、基本的に馬鹿はしても無茶はしない。
そして二人がいるのは海鳴一のブックセンター。
さらに、いわゆるヲタコーナー。
二人にとってはまさに百鬼夜行の世界である。
「むう……これほどまでのコミックが揃っているとは」
「壮観ですね」
「な、なんだこれは」
「どうしました」
「男同士で抱き合っている……」
「マイノリティの恋愛でしょうか」
「こっちは女同士だ」
「やはりマイノリティですか」
「ようやく異性同士のものがあった。が……これは……」
「何故縛られているのでしょうか」
慌てて駆けつけた店員に成人向コーナーから追い出される二人。
「なんだというのだ、あの無礼な店員は」
「どうやら、年齢制限のあるコーナーだったようです」
「我に年齢など関係ない」
「それはそうですが。無理に行かずとも、私たちの入れるコーナーにもコミックはたくさんあります」
「そうなのか」
「はい」
二人は結局、普通のコミックコーナーに入っていく。
「これだけの量、見ているだけで人生が終わってしまいそうだな」
「折角ですし、一つくらいは購入してみましょうか。それくらいの金銭は持ち合わせています」
「ふむ」
「エイミィ・リミエッタの話によると、この世界のコミックは、密輸入されるくらい面白いそうです」
エイミィの証言を待たずとも、ことインドア娯楽については、地球のレベルは以上に高いのだ。
「じゃあこれを」
ヤミはとあるバイオレンスアクションものコミックを手に取った。
ちなみにヤミの財布の管理も星光がしていたりする。
そして、一週間。
ヤミの元に果たし状が届いた。
「手紙が届いています」
「なんだ?」
「雷刃からですよ」
「雷刃? わざわざ手紙にせずとも」
「果たし状ですね。様式美というやつでしょうか」
手紙を開くヤミ。
『今度こそ僕が勝つ! 必殺技も出来たんだ』
「ああ、模擬戦か。確かに、時間があるときは下郎どもの相手をしてやっても良いと言っていたがな」
「やるのですか?」
「我に小賢しくも勝負を挑むのだ。応え、叩きつぶすのが王の器量というものだろう」
「では、八神はやてに連絡し、結界などの処置を依頼しましょう」
「ふん。子烏もその程度には役に立つか」
「では連絡します」
「ふふふ、雷刃よ、我の新技におののくが良い。貴様ごときの得意とする近接技など、即座に叩きつぶしてくれるわ」
そして決闘当日。
「行くぞ、ヤミ!」
「構わぬ。かかってこい、雷刃」
「必殺!」
走り出す雷刃。さすがにそのスピードはマテリアルでも一番である。
ヤミに向かって駆け出し、その直前で身体を捻る。
「おしりパンチ!」
日曜の朝から何を見ていたかよくわかる技だった。
他人のような気がしなかった。(雷刃談)
が、しかし、一見一聞ではお遊びのように見えるが実際それほど捨てたものではないのだ。
まず、お尻というのは一番痛覚が少ない。これは、スパンキングプレイ(お尻叩き)を見ればわかるだろう。
実際、もっとも叩かれてダメージの少ない人体箇所がここなのだ。
そして、全体重をかけることが出来る。
雷刃の身体能力ならば、スピードと体重を掛け合わせて一点集中で相手にぶつけることも可能だ。
つまり、回避させないことを前提とするならば、かなり有効な技なのである。
しかも、対象が男であれば避けたくても避けられない。
いや、これを避ける者を少なくとも筆者は男と認めない。
雷刃のお尻を避けたがる者など、今すぐ去勢するべきである。そのような者が男として認められるだろうか?
断じて否である!!! むしろ受け止めろ! 顔で!
閑話休題。
急速に突進してくるお尻を前に、ヤミは微動だにしない。
正確には、迎撃体勢の様なものをとっている。ただし、この体勢は対尻ではない。
なぜなら、雷刃が技を出す前から既にヤミはこの体勢だったのだ。
雷刃に向かい半身に構え、指一本を突き出す構え。
そしてヤミは叫んでいた。
「ほあたっ!」
邪魔する奴は指先一つでダウンするYOU ARE SHOCK!な人である。
何のコミックを読みふけっていたか非常にわかりやすい。
「下郎の尻など、指一本で止めてくれるっ!」
「危ないですよ、ヤミ」
「闇統べる王は退かぬ、媚びぬ、顧みぬ!」
「混ざってますよ、ヤミ」
雷刃は背後の違和感に気付いた。
お尻の向こうにいるヤミ。そのヤミはこちらに向かって指を突き出している。
どう見ても、指とお尻が激突する。
というか、刺さる。
これはおしりパンチではない、と雷刃は思った。
これは、お尻ピンチだ。
マジで、ピンチだ。
指が、刺さるような気がする。
指が、近づいてくる。
雷刃は今更軌道変更できない。
ヤミは何故か堂々と仁王立ちで微動だにしない。いつもの様に、無駄に自信に溢れている。
指が、近づく。
お尻が、ピンチ。
指が、近づく。
お尻が
ぷすり
「に゛ゃぁあああ゛あ゛あああっ!!!」
あうあう、と震える雷刃。
あまりのことに固まっているヤミ。
これは興味深い。としげしげと観察している星光。
「ヤミ、とりあえず抜いてはどうです?」
「え」
「指をです」
「あ、ああ、そうか……」
抜けない。
「なんかしっかりと保持されていて抜けないが」
「あうっあうっ」
ヤミが力を入れるたび、雷刃がぴくっぴくっと反応する。
「無駄に名器ですね、雷刃は」
「いきなり何を言っているのだ」
「しっかりとくわえて離さないことを名器というのです。クロノ・ハラオウンに習いました」
「ほお。あの黒塵芥がか」
「あうっ、あぅっ……抜いて、お願い。抜いてよ、ヤミ」
振り回すヤミ。振り回される雷刃。
「ひゃうっひゃうっ! だめっ、なんか変!」
「……力を抜け! どう見ても固まっているではないか!」
「そ、そう言われても……あうっ、だめっ、ヤミ、指が、はうっ、ぐりぐり、ボクの中で動かしちゃだめぇ……」
「だから抜けんのだ。動かしてみるしかあるまい」
とりあえず雷刃を下ろすヤミ。しかし、この体勢では雷刃は四つんばいになるしかない。
「ヤミぃ、早く抜いてよぉ……うう」
「黙れ塵芥、我は少し面白くなってきた」
「えええええっ!! 酷いッ、酷いよっはうっあうっ」
「いや、おい、塵芥」
「はふぅ……」
「もしかして、気持ちよくなってないか?」
「な、なってない。ボクはそんな変態じゃない。お尻なんて気持ちよくない! アイツと一緒にするな! あうっ、だから、はうっ、動かしちゃ……だめっ、あうっ」
「誰だアイツとは」
「多分、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」
星光は何でも知っていた。
「フェイト・テスタロッサはお尻が好きだと……」
「クロノ・ハラオウンから聞いたのか?」
「それもありますが。高町なのはからも確認しています。ヤミも聞いたのですか?」
「……いや、そういうわけではないが……凄いな、塵芥共」
「はぁ、はんっ、あんっ、だめ、だめ、ヤミ、抜いて、お願い、ボクっ、ボク、もう……」
「確かに、クロノ・ハラオウンは凄いですが」
「どういう意味でだ」
「ああ、動いてる、動いてる。ボクの中、ヤミの指が掻き回してるっ!! だめっ、だめだって、あんっ、はぁっ、はっはっ、はっ……あうっ」
「ところでヤミ」
「なんだ」
「雷刃が大変なことになっている様な気がしますが」
「イくっ、も、あっ、あ、はっ、お尻がぁぁぁ、ああ、イくっ、やだっ、こんなっ、あっ……」
「これはこれで面白い」
「あああああっ!!!」
「果てたようですね」
「果てたな」
チュポン、とヤミの指が抜ける。
大きく息をついて、恨みがましそうにヤミを見上げる雷刃。
「うう、ひどいよ、ヤミ……」
「イッた癖に被害者ぶるな、塵芥」
「イッてないよ、ボクはイッてないからねっ!」
「ほう? 言い張るか」
わきわき、と指を動かすヤミ。
「ならばもう一度試してみるか?」
「ヤミ、私にもやらせてみてください」
「ほう?」
「ひっ!? 星光まで」
「フェイト・テスタロッサとどの程度まで同じなのか、確認しましょう」
「ひっ、ちょっ、ちょっと待って、星光、ボクはもう、これ以上は……あ、あ、ひゃうっ、ひぃっ!」
このあと、ヤミと星光に交互に五回ずつお尻でイカされてから解放されたそうな。
終われ
著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2
692 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:26:27 ID:gykKbdXE [4/9]
693 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:26:59 ID:gykKbdXE [5/9]
694 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:27:34 ID:gykKbdXE [6/9]
695 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:28:05 ID:gykKbdXE [7/9]
696 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/08/04(水) 00:29:04 ID:gykKbdXE [8/9]
雷刃は考えていた。
新必殺技が欲しいと。
このところ模擬戦で負けが込んでいるのだ。これは、必殺技がないのが原因なのだ。
勝たなければならない。
「ボクは強いんだ」
そう。強いのである。最強なのだ。
だけど必殺技がない。いや、あるにはある。あるのだけれど、とりあえず全て既出なのだ。
欲しいのは新必殺技である。
別に必殺でなくてもいい。単なる新技でもいい。相手の意表を突いてなおかつ威力のある技なら最高だ。
雷刃は悩んでいた。
そんな簡単に技が思いつくのなら苦労はしない。
しかし、それでも雷刃は考える。
勝ちたいのだ。彼女に。闇統べる王、今ではヤミと呼ばれている彼女に。
高町にも、八神にも、フェイトにも常というわけではないが勝利を収めたことがある。
しかし、マテリアル同士では一度もないのだ。
それが、悔しい。
ヤミか星光、どちらかに初勝利を。星光はなんか恐いのでヤミ。
だから雷刃は、新しい技を模索していた。
「あ」
それはそれとして、時間は過ぎていく。
今日は日曜日。
欠かさず見ているテレビ番組の時間。
「よし。ここだっ!」
リモコンでチャンネルを合わせると、テレビの前にぺたんと座る。
「かっこいいなぁ」
そしてその頃……
これがこの世界(正確には日本)名物のヲタ文化というものか。
とヤミは圧倒されていた。
ものすごい量のアニメ、コミック、ゲーム。しかも、その質は決して低くない。確かに低俗なモノも含まれてはいるが、それでも決してクオリティは低くない。
「ふむ。塵芥にしては、面白いものを作るではないか。褒めてとらせよう」
誰も聞いちゃいない独り言なのだが、とりあえず褒めてみる。
いや、聞いている者が一人いた。
「誰に言っているのですか?」
星光である。
ヤミのお目付役、というか監視役として付いていくように頼まれているのだ。
因みに頼んだのははやてを筆頭とした地球在住魔道師組。
星光はとりあえずルールは守る。ヤミはその辺りがちょっと恐い。因みに、雷刃は誰にも止められないが、基本的に馬鹿はしても無茶はしない。
そして二人がいるのは海鳴一のブックセンター。
さらに、いわゆるヲタコーナー。
二人にとってはまさに百鬼夜行の世界である。
「むう……これほどまでのコミックが揃っているとは」
「壮観ですね」
「な、なんだこれは」
「どうしました」
「男同士で抱き合っている……」
「マイノリティの恋愛でしょうか」
「こっちは女同士だ」
「やはりマイノリティですか」
「ようやく異性同士のものがあった。が……これは……」
「何故縛られているのでしょうか」
慌てて駆けつけた店員に成人向コーナーから追い出される二人。
「なんだというのだ、あの無礼な店員は」
「どうやら、年齢制限のあるコーナーだったようです」
「我に年齢など関係ない」
「それはそうですが。無理に行かずとも、私たちの入れるコーナーにもコミックはたくさんあります」
「そうなのか」
「はい」
二人は結局、普通のコミックコーナーに入っていく。
「これだけの量、見ているだけで人生が終わってしまいそうだな」
「折角ですし、一つくらいは購入してみましょうか。それくらいの金銭は持ち合わせています」
「ふむ」
「エイミィ・リミエッタの話によると、この世界のコミックは、密輸入されるくらい面白いそうです」
エイミィの証言を待たずとも、ことインドア娯楽については、地球のレベルは以上に高いのだ。
「じゃあこれを」
ヤミはとあるバイオレンスアクションものコミックを手に取った。
ちなみにヤミの財布の管理も星光がしていたりする。
そして、一週間。
ヤミの元に果たし状が届いた。
「手紙が届いています」
「なんだ?」
「雷刃からですよ」
「雷刃? わざわざ手紙にせずとも」
「果たし状ですね。様式美というやつでしょうか」
手紙を開くヤミ。
『今度こそ僕が勝つ! 必殺技も出来たんだ』
「ああ、模擬戦か。確かに、時間があるときは下郎どもの相手をしてやっても良いと言っていたがな」
「やるのですか?」
「我に小賢しくも勝負を挑むのだ。応え、叩きつぶすのが王の器量というものだろう」
「では、八神はやてに連絡し、結界などの処置を依頼しましょう」
「ふん。子烏もその程度には役に立つか」
「では連絡します」
「ふふふ、雷刃よ、我の新技におののくが良い。貴様ごときの得意とする近接技など、即座に叩きつぶしてくれるわ」
そして決闘当日。
「行くぞ、ヤミ!」
「構わぬ。かかってこい、雷刃」
「必殺!」
走り出す雷刃。さすがにそのスピードはマテリアルでも一番である。
ヤミに向かって駆け出し、その直前で身体を捻る。
「おしりパンチ!」
日曜の朝から何を見ていたかよくわかる技だった。
他人のような気がしなかった。(雷刃談)
が、しかし、一見一聞ではお遊びのように見えるが実際それほど捨てたものではないのだ。
まず、お尻というのは一番痛覚が少ない。これは、スパンキングプレイ(お尻叩き)を見ればわかるだろう。
実際、もっとも叩かれてダメージの少ない人体箇所がここなのだ。
そして、全体重をかけることが出来る。
雷刃の身体能力ならば、スピードと体重を掛け合わせて一点集中で相手にぶつけることも可能だ。
つまり、回避させないことを前提とするならば、かなり有効な技なのである。
しかも、対象が男であれば避けたくても避けられない。
いや、これを避ける者を少なくとも筆者は男と認めない。
雷刃のお尻を避けたがる者など、今すぐ去勢するべきである。そのような者が男として認められるだろうか?
断じて否である!!! むしろ受け止めろ! 顔で!
閑話休題。
急速に突進してくるお尻を前に、ヤミは微動だにしない。
正確には、迎撃体勢の様なものをとっている。ただし、この体勢は対尻ではない。
なぜなら、雷刃が技を出す前から既にヤミはこの体勢だったのだ。
雷刃に向かい半身に構え、指一本を突き出す構え。
そしてヤミは叫んでいた。
「ほあたっ!」
邪魔する奴は指先一つでダウンするYOU ARE SHOCK!な人である。
何のコミックを読みふけっていたか非常にわかりやすい。
「下郎の尻など、指一本で止めてくれるっ!」
「危ないですよ、ヤミ」
「闇統べる王は退かぬ、媚びぬ、顧みぬ!」
「混ざってますよ、ヤミ」
雷刃は背後の違和感に気付いた。
お尻の向こうにいるヤミ。そのヤミはこちらに向かって指を突き出している。
どう見ても、指とお尻が激突する。
というか、刺さる。
これはおしりパンチではない、と雷刃は思った。
これは、お尻ピンチだ。
マジで、ピンチだ。
指が、刺さるような気がする。
指が、近づいてくる。
雷刃は今更軌道変更できない。
ヤミは何故か堂々と仁王立ちで微動だにしない。いつもの様に、無駄に自信に溢れている。
指が、近づく。
お尻が、ピンチ。
指が、近づく。
お尻が
ぷすり
「に゛ゃぁあああ゛あ゛あああっ!!!」
あうあう、と震える雷刃。
あまりのことに固まっているヤミ。
これは興味深い。としげしげと観察している星光。
「ヤミ、とりあえず抜いてはどうです?」
「え」
「指をです」
「あ、ああ、そうか……」
抜けない。
「なんかしっかりと保持されていて抜けないが」
「あうっあうっ」
ヤミが力を入れるたび、雷刃がぴくっぴくっと反応する。
「無駄に名器ですね、雷刃は」
「いきなり何を言っているのだ」
「しっかりとくわえて離さないことを名器というのです。クロノ・ハラオウンに習いました」
「ほお。あの黒塵芥がか」
「あうっ、あぅっ……抜いて、お願い。抜いてよ、ヤミ」
振り回すヤミ。振り回される雷刃。
「ひゃうっひゃうっ! だめっ、なんか変!」
「……力を抜け! どう見ても固まっているではないか!」
「そ、そう言われても……あうっ、だめっ、ヤミ、指が、はうっ、ぐりぐり、ボクの中で動かしちゃだめぇ……」
「だから抜けんのだ。動かしてみるしかあるまい」
とりあえず雷刃を下ろすヤミ。しかし、この体勢では雷刃は四つんばいになるしかない。
「ヤミぃ、早く抜いてよぉ……うう」
「黙れ塵芥、我は少し面白くなってきた」
「えええええっ!! 酷いッ、酷いよっはうっあうっ」
「いや、おい、塵芥」
「はふぅ……」
「もしかして、気持ちよくなってないか?」
「な、なってない。ボクはそんな変態じゃない。お尻なんて気持ちよくない! アイツと一緒にするな! あうっ、だから、はうっ、動かしちゃ……だめっ、あうっ」
「誰だアイツとは」
「多分、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」
星光は何でも知っていた。
「フェイト・テスタロッサはお尻が好きだと……」
「クロノ・ハラオウンから聞いたのか?」
「それもありますが。高町なのはからも確認しています。ヤミも聞いたのですか?」
「……いや、そういうわけではないが……凄いな、塵芥共」
「はぁ、はんっ、あんっ、だめ、だめ、ヤミ、抜いて、お願い、ボクっ、ボク、もう……」
「確かに、クロノ・ハラオウンは凄いですが」
「どういう意味でだ」
「ああ、動いてる、動いてる。ボクの中、ヤミの指が掻き回してるっ!! だめっ、だめだって、あんっ、はぁっ、はっはっ、はっ……あうっ」
「ところでヤミ」
「なんだ」
「雷刃が大変なことになっている様な気がしますが」
「イくっ、も、あっ、あ、はっ、お尻がぁぁぁ、ああ、イくっ、やだっ、こんなっ、あっ……」
「これはこれで面白い」
「あああああっ!!!」
「果てたようですね」
「果てたな」
チュポン、とヤミの指が抜ける。
大きく息をついて、恨みがましそうにヤミを見上げる雷刃。
「うう、ひどいよ、ヤミ……」
「イッた癖に被害者ぶるな、塵芥」
「イッてないよ、ボクはイッてないからねっ!」
「ほう? 言い張るか」
わきわき、と指を動かすヤミ。
「ならばもう一度試してみるか?」
「ヤミ、私にもやらせてみてください」
「ほう?」
「ひっ!? 星光まで」
「フェイト・テスタロッサとどの程度まで同じなのか、確認しましょう」
「ひっ、ちょっ、ちょっと待って、星光、ボクはもう、これ以上は……あ、あ、ひゃうっ、ひぃっ!」
このあと、ヤミと星光に交互に五回ずつお尻でイカされてから解放されたそうな。
終われ
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- 漫画/アニメ
- 魔法少女リリカルなのは
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>断じて否である!!! むしろ受け止めろ! 顔で!
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