993 名前:高級風俗 『年増宴』 [sage] 投稿日:2010/03/11(木) 22:13:55 ID:BR1B/4LY

高級風俗 『年増宴』


 その日も私は仕事で疲れた身をいち早く我が家の安ベッドに横たえるべく、足早に家路に着いていた。
 歩く道は夜の歓楽街、派手なネオンに彩られ、商売女や性風俗店の客引きの声が夜気に木霊する。
 無論、私にも誘いの声は掛かる。
 が、相手にする事はない。
 どの店も、どの女も、私の好みの範疇外。
 最近発散していない為に性欲は溜まっているが、疲れもあるし早く我が家に着く事の方が重要だ。
 だが、私は視界の隅に映った“あるもの”にふと足を止めた。
 それはある店の看板だった。
 書かれた文字、それこそが私の意識を根こそぎ集中させる。
 

「年増……宴?」


 思わず、書かれた名を呟いた。
 なんというイカれた名称をつけるのだろうか。
 この店、何でも熟女専門の風俗店らしい。
 人の性嗜好は色々あるが、こういう店まで出来たのかと、私は少々関心した。
 何しろ私は、


「……良いじゃないか」


 大の年増好きだった。





 年増宴に入店した彼は、まず悩んだ。
 何しろ選ぶ相手はより取り見取りだった。
 嬢の名前。
 リンディ、レティ、桃子、クイント、メガーヌ、アイナ。
 全員並々ならぬ美女、しかも既婚暦のありそうな風な、熟成された色気がまた良い。
 小娘では決してありえぬ風味、風格は彼の心を大層に焦がした。
 誰を選ぶかは極めて難題であった。
 全員が美女であり、スタイルも実に良好。
 爛熟と熟れた女体はあれこれと目移りして仕方ない。
 熟慮に次ぐ熟慮の末、彼は自分にとって可能な限り理想的な選択をした。


「ああ……楽しみだ」


 指定した嬢の待つプレイルームに向かいながら、彼はそう呟く。
 なにせ、悩み抜いた末に選んだ相手は彼の理想とする最高の年増だろうから、だ。
 高鳴る期待に胸躍らせ、彼はたどり着いた部屋のドアを勢い良く開ける。
 すると既に待機していた嬢が、笑顔と共に一礼して彼に挨拶した。














「ご氏名ありがとうございます。ミゼット・クローベルです、今日はよろしくおねがいしますね」


 曰く伝説の三提督、齢にして七十台オーバーの女性がそこはいた。

 その日、彼は心行くまで肉欲を楽しんだそうな。


終幕。


著者:ザ・シガー

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