416 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:24:16 ID:PBw.yUCE [1/11]
417 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:25:15 ID:PBw.yUCE [2/11]
418 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:26:13 ID:PBw.yUCE [3/11]
419 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:27:04 ID:PBw.yUCE [4/11]
420 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:27:48 ID:PBw.yUCE [5/11]
421 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:28:21 ID:PBw.yUCE [6/11]
422 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:29:24 ID:PBw.yUCE [7/11]
423 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:30:13 ID:PBw.yUCE [8/11]
424 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:30:48 ID:PBw.yUCE [9/11]
425 名前:野狗 ◆NOC.S1z/i2 [sage] 投稿日:2010/06/21(月) 21:31:20 ID:PBw.yUCE [10/11]

 その日、グリフィスがはやての元へ持ってきたのは、六課メンバーの模擬戦データであった。

「これがどないしたん?」

 データと言われても、はやてにとっては今更な話だった。新人四人についてはスターズ、ライトニングそれぞれの隊長副隊長から報告を受けているし、隊長副隊長に関してはかつては肩を並べて闘った者たちである。

「面白いことに気付いたんですよ」
「面白いこと?」
「状況によって攻撃力や守備力にカテゴライズされる魔力、言い換えれば戦闘力に明らかな差があるんです」
「ほぉ」

 資料を展開するグリフィス。

「見てください」

 シグナム、フェイト、スバル、ティアナの四人のデータが筆頭である。

「それぞれ、通常時と上昇時のパラメータを確認してください」

 確かに、統計誤差やコンディションでは片付けられない有意な差があるように思える。
 しかし、グリフィスのデータにはその理由までは書かれていない。
 はやてがそれを指摘すると、

「実はこれは、パートナーがいる場合のデータなんです」
「パートナー?」

 シグナムにはフェイト、フェイトにはなのは、そしてスバルとティアナはお互いに。
 それぞれ、その相手がいる場合のパラメータが上昇しているのだ。

「信頼する相手とのコンビネーションにより、戦法の幅が広がり、結果として戦力としてパワーアップする、という話ではありませんね」

 根本的にパラメータが上がっているのだ。戦法やコンディションの問題ではない、とグリフィスは言う。

「少し、調べてみたいんですが。ただ、これは精神的な理由が大きいと思われるため、出来れば彼女たちには極秘の内に」
「うん。わかった。これに関してはグリフィス君に任せる。必要なら、設備は好きに使うて。なんやったら、シャマルにも協力させよか」
「ありがとうございます」

 言うまでもないやろうけど、と、はやては言を続ける。

「極秘に調べるとはいえ、プライバシーは尊重してや。そこまでする気はないからな」
「勿論です」

 そして一週間が過ぎた。


 グリフィスがはやての前にデータを持ってくる。

「まとまりました、やはりこれは、ある種のドーピングのような効果があるようです」
「ドーピングなぁ。実際に使えるんか?」
「実戦使用に関してはこれからの研究待ちですが、とりあえずこれを見てください」

 一週間前のデータが、洗練された形ではやてに示される。

「推測混じりですが、精神的な何かがリンカーコアに作用し、それによって魔力が向上しているようです」

 グリフィスはデータを次々と展開させる。

「それに伴い、機動性をはじめとする様々な面に置いて能力が向上します」
「ふむふむ」
「ただ、あくまでも観察結果であり、その理由は未だ不明です。
これ以上は本人の協力を仰がなければ……」

 しかし、とグリフィスは言った。
 実は、とある極秘データがある、と。
 その報告を聞いたはやての目が光る。

「ふふーん。実際にデータとして出ているって事は、ほっとくわけにもいかへんな。
何かの間違いかも知れへんし、その四人に直接聞いてみよか」

 早速呼びだした四人にデータを見せるはやて。

「そう言うことやねんけど、なんか特別なことやってる?」

 四人は互いの様子を窺っている。

「フェイトちゃんがなのはちゃんと一緒の時にがんばるっちゅうのは、当然やと思うけど。
これだけデータが変化すると何か特別なことやってるように見えるんや」
「そ、それは……」
「別にそれをとやかく言うつもりはない、せやけど、折角パワーアップ出来るんやったら、
それを日頃から使えへんのかな、とも思うんや」

 はやての言葉ももっともである。力の無意味な出し惜しみは周りも困るだろう。
 四人はそれぞれ、はやての言いたいことがわかったかのように頷く。

「ところで、面白い話があってな。六課は、洗濯物を担当がまとめて洗うてるやろ? 
それからアイナさんにも話を聞いたし、うちの洗濯物は私が全部把握しとるし」

 突然の話題変更に、四人は首を傾げた。
 が、すぐにティアナが顔色を変える。
 そして、それを見逃すはやてではない。

「ん? どうしたんかな、ティアナ」
「あ、その……いえ」

 次の瞬間、フェイトも。

「はやて! それは……」
「なんやろ?」
「えっと……その……」

 三人のやりとりを見ていたシグナムの目が突然大きく開いた。

「洗濯物……まさか!?」
「そや、そのまさかや。もう、動かぬ証拠はあるんやで?」

 それは、四人がそれぞれパラメータをアップさせる日の洗濯物が確実に少ないということ。
 具体的には……

「主はやて。貴方の推察は正しいのです。私は……テスタロッサと共の任務にあるとき……穿いてません!」

 断腸の思いで告げるシグナムに続き、フェイトも、

「はやて、いつから気付いてたの。私が、なのはと一緒に出撃するときは穿いてないって」
「ちゅうか、フェイトちゃんの場合はなのはちゃんと一緒が多いから、日頃も殆ど穿いてないやろ」
「うん」
「あと、スバルとティアナも」
「え。ティアも穿いてなかったの!?」
「スバル、貴方も?」
「おそろいだったんだね、ティア!」
「べ、別に貴方のタメじゃなくて……い、今の話聞いてた? 穿いてない方がリンカーコアが調子良いのよ」
「でも今の部隊長の話だと、ティアが調子良いのはあたしと組むとき。つまり、穿いてないのはあたしと一緒にいるときだけだよ」
「そ、それはたまたま……」
「はいはい、痴話喧嘩は後でな」

 はやては宥めながら、改めて四人を見回す。

「……ヘンタイ」
「主はやて……これには、これには深いわけが……」
「違うよ、私はヘンタイじゃないよ、ヘンタイだとしてもなのは限定のヘンタイさんだよ」
「わーい、ティアとお揃いのヘンタイだ〜」
「あんたそれ、喜ぶところなの?」

 はやては軽く頭痛を覚えた。
 何かの間違いであって欲しいと思っていたが、まさかどんぴしゃりだったとは。
 しかし、何事も考え方一つである。
 穿いてないと強くなるのだ。理屈はよくわからないが。

「ふむ……」

 レジアスはオーリスからの報告を受けていた。

「六課の小娘どもが穿いてない……だと?」
「はい。まったく……何をやっているのやら」
「あの子ダヌキ。そこに気付くとはやはり徒者ではないか」
「はい?」
「ふふふ、思い出すぞ、ゼスト。貴様との熱き語り合いを……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うぉおおおっ!!」
「せいっ!」

 ゼストの槍裁きを特製手甲で受け流すレジアス。
 いつものように始まった二人の模擬戦は、いつのように終わろうとしている……はずだった。
 しかし、その日のゼストは違った。普段ならレジアスに停めきれるはずの踏み込みから、さらに一歩、いや二歩の踏み込み。
本来なら身体のバランスを崩しているはずの踏み込みが来たのだ。
 咄嗟に片腕での受け流しから両腕での保持に切り替えるレジアスだが、ゼストのデバイスはそれ以上の速度で防御を吹き飛ばす。
 もんどり打って倒れるレジアスだが、身体のばねを利用すると瞬時に体勢を整え、最初に倒れた場所から少し離れた位置に立ち上がる。

「どうした、ゼスト。えらく腕を上げたじゃないか」

 以前の模擬戦からわずか三日。この変貌はただごとではない。

「なにかあったのか?」

 ふっ、とゼストは笑う。

「ちょっとしたコツだな」
「コツだと?」

 構えを解いたゼストに、レジアスは呆れ顔で言う。

「是非ご教授願いたいモノだな」
「なに、それほど難しい話ではない。ただ、穿いていないだけだ」
「は?」
「レジアス、騙されたと思って試してみろ」
「いや、待て、ゼスト。おい、その手は何だ。何で近づいてくる、おい、おい……ちょ、ちょちょょよよよ」

 そして数分後。

「な、なんだ、この股間を立ち上る背徳感。そして、そこはかとない不安、いやむしろ穿かない不安と言うべきか」

 そして込み上げる開放感。
 自分にリンカーコアがあるのなら、きっと活性化しているだろう。レジアスは確信していた。

「ゼスト、これが、さっきの槍捌きの秘密なのか」
「そうだ、レジアス。お前ならわかると思っていたよ」
「ああ、わかる。わかるとも。確かに、これなら俺たちはもっと戦える」

 二人は槍を、拳を、そして○○を振り回し続けた。

「回る! 回るぞゼストぉぉぉっ!!」
「うむ! 回すのだ、存分にな!!」

 ぐーるぐる。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ゼスト、我らにようやく連中が追いついてきたようだな」
「あ、あの回想中申し訳ありませんが……」
「どうした、オーリス」
「今の話からすると、もしかして……」
「うむ。今も儂は穿いてないぞ」
「うわ」
「気付かなかったのか? 家でも洗濯に出したことがないのに」
「いや……その……娘に遠慮して、自分で洗っているのだとばかり」
「まさか、穿いていないだけだ」
「道理で……ズボンが怪しいくらいに汚れていると思っていたら」
「それは仕方あるまい。なにしろ、穿いてないのだからな」
「穿いてください」
「それはできん相談だ、オーリス。儂は陸を預かる身だからな」
「まさか、陸士が皆穿いてないなんてことはないでしょうね」
「ははは、まさか」
「そうですよね、すいません、変なことを」
「内勤組は自由に任せている」
「外勤は穿いてないんかい!」

 レジアスは立ち上がった。
 時々立ち上がらないと、中身がズボンの裏地にひっついて困るのだ。穿いてないから。

「しかし、今の状況で陸全体の強化策を図らねばならんのは事実だ、そこで儂は考えた」
「まさか、内勤組も穿いてないを強制……」
「いや、そんなモノは無意味だ」

 胸をなで下ろすオーリス。

「穿いてないレベルを上げる必要がある」
「は?」
「中身だけではない。外側も穿いてない状態にするのだよ」
「どう考えても治安が乱れます」
「それを正すのが我々の役目だ」
「いえ。我々が乱してます」
「初期の多少の混乱は目を瞑ろう」
「とても肝心なことだと思いますっ!」
「ミッドの平和のために!」
「乱してます! 徹底的に乱してます!!」

「ほお。六課と陸が……」

 ドゥーエからの定期報告に目を通していたスカリエッティは、一言呟くとウーノに声をかける。

「ところでウーノ、少し基本装備を改良しようと思うのだが」
「はい。どうされるのですか?」
「そうだね。穿いてない状態にしようか」
「は?」
「ナンバーズスーツの内側のサポーターを外すのだよ」
「え」
「くわえて、スーツの薄型化をもう一段階推し進める」
「これ以上薄くては、透けて見える可能性が」
「構わないだろう」
「え」
「穿いてない事による戦力アップは無視出来ない、六課と陸だけにパワーアップを許すわけにも行かないだろう」
「えーと」
「すぐにかかりたまえ、ウーノ」
「……はい」

 スカリエッティの命令は絶対である。
 ウーノは直ちに、妹たちの待つ広間へと向かった。

 そして一時間後……
 すけすけナンバーズか誕生した。

「た、戦えるかぁぁぁぁっ!!」

 股間と胸元を抑えてしゃがみ込んでいるノーヴェ。
 胸元を抑えているのは、乳首も透けているためだ。勿論股間も透けている。
 
「何してるんすか、ノーヴェ」

 のほほんと尋ねるウェンディ。

「何って、透けてるだろ、見えてるだろ」
「何が」
「何って……その……い、い、陰毛……」
「誰の」
「誰って」

 ノーヴェは気付いた。
 ウェンディの股間には黒い蔭が見えない。

「汚え、お前、サポーター外してねえだろ」
「外したッスよ」
「だって……」

 さらに気付くノーヴェ。
 確かにウェンディの股間にはあるはずの茂みが透けてない。茂みは透けてないが……

「……なんかより以上に拙いものが透けてるような気がする……つか、お前……」
「剃ったッス」
「何やってんだぁあああ!!」
「剃ったら目立たないッスよ、本体は近づかないとわかんないし」
「何をやってるんだお前らは」

 現れた助け船に縋るノーヴェ。

「チンク姉、ウェンディの奴が恥知らずにも……あれ?」
「どうした?」
「チンク姉も透けてない……」
「まだ生えてないし、近づいたところで透けて見えるほどにも発達してないからな」
「あ、ごめん」
「気にするな」

 その一方。

「セッテ、剃ったか」
「はい。処理済みです」

「ディエチちゃん、どうして逃げるの?」
「えっと、クアットロ、私は別に……」
「遠慮しないで、剃ってあげるから」
「いや、自分で出来る……から」
「いいのよ、ディエチちゃん。こっちにいらっしゃい」
「あ、あの……」

「オットー、剃りっこしましょう」
「うん。いいよ、ディードなら」
「じゃあ部屋で二人っきりで、ゆっくりと」
「うん」

「あ」
「どうしたセイン」
「ISの誤発動で、毛だけがスーツからはみ出てきた」
「……剃れ」
「……はい」






 尚、ナンバーズと六課の最終決戦では避難しない市民が続出、強制避難させようとした陸士は、フルボッコにされたという。


著者:野狗 ◆NOC.S1z/i2

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