911 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:15:48 ID:xApEFBSc
912 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:17:57 ID:xApEFBSc
913 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:19:32 ID:xApEFBSc
914 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:20:43 ID:xApEFBSc
915 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:21:46 ID:xApEFBSc
916 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:23:00 ID:xApEFBSc
917 名前:守護獣と寮母の戯れ [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 19:24:06 ID:xApEFBSc

守護獣と寮母の戯れ


 まるでありふれた、平和な午後の一時の話だ。
 機動六課の隊員寮、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの部屋でそれは起きていた。
 部屋にいるのは二人、正確に言うなら一人と一匹か。
 紫のセミロングの髪にエプロンを掛けた寮母の女性と、ベルカ式魔法により生み出された青い体毛の守護獣だ。
 彼女らはこのような時間帯、この部屋の主がいない間はヴィヴィオという女の子の面倒をみている。
 ソファに腰掛けて洗濯物を畳んでいた寮母がふと、近くの床に寝そべっていた楯の守護獣を見つめた。
 そして、


「ねえ、ザフィーラ……」


 と、アイナ・トライトンは言った。
 いつもの優しい慈母のような声ではない、まるで男を悦楽の泥沼に誘い込む遊女のような、甘く蕩けた残響だ。
 それは合図。二人の秘めた情事の開始を告げる鐘の音。
 情交を妨げるような、気兼ねするべき要因が全てクリアされている。
 機動六課隊員寮の寮母として成すべき雑務は全て滞りなく済み、六課の隊員が戻ってくるまでの時間の余裕もたっぷり。
 そして一番の懸念である、なのはから面倒を頼まれている少女、ヴィヴィオも今はすっかりお昼寝の最中だ。
 つまり、今ここでアイナとザフィーラが何をしようと咎める物は誰もいないし、止められる要因も何もない。
 ならば求めよう、淫らなる饗宴を。
 アイナは洗濯物を手早く畳み終えると、最後の一着であったシャツを積まれた洗濯物の山の上に置き、動いた。
 そして床の上で横になっている狼形態のザフィーラの隣りに、寄り添うように座る。
 白くしなやかな彼女の指が、そっと狼の毛を掻き分けた。
 蒼く太く硬質な、されど心地良い狼の毛並みをアイナは無心で撫ぜる。
 うなじから背中にかけて、優しく優しく、慈しむように愛撫。
 それは見ている方がこそばゆくなるような、ひたすらなまでに優しい手つきだった。
 彼女の愛撫が心地良いのか、ザフィーラは気持ち良さそうに目を細める。
 だがそこには喜悦の感情とは逆のものもあった。
 アイナはそれを知ってか知らずか、狼の巨躯に抱きつき、顔を彼の体毛に埋め、エプロンに隠された柔らかな乳房を押し付けながら囁く。


「ね、ザフィーラ……良いでしょ? 最近していなかったし、ね?」


 甘い、濃密な糖度を持つ声が誘う。
 彼女が求めるのはもはや言うまでもないだろう、男女の契りである。
 今から半年前、二人は燃える情欲に身を浸し、身体を重ねた。
 全ての始まりは随分と昔だ。
 アイナ・トライトンは既婚者である。
 愛する夫がいて、子供が彼女にはいる。
 今の生活に問題なんて一つもない、夫は自分を慈しんでくれて、子供は愛らしくて堪らない。
 だが、一つだけ満たされぬ事がある。
 それは、アイナの中の“女”だ。
 雌と言っても良いだろう、浅ましい、爛れた性の欲望。
 アイナは、人から比べれば性欲の強い方だった。
 容易く濡れそぼり、容易く達し、そして貪欲に雄を求める。
 だが哀しい事に、夫はそんな彼女を満足させる事は結婚生活でただの一度もなかった。
 彼は実に淡白だった。
 床の上では、一度達して精を吐き出すのがせいぜい。
 後には火照ったアイナを一人残して眠りの世界に落ちるばかり。
 人格的にはこれ以上ないという、最高の夫だった、彼女は彼を愛していた。
 されど、性的な面で言えば最悪と考えるよりない。
 女として盛りを迎えた、熟れた身体の情欲を鎮められぬ日々はある意味拷問である。
 燃え盛る肉欲の炎は止まる事を知らず、時折耐え難い程に滾った。
 例えば、逞しい肉体をした男性を見たときなど、どうしようもなく子宮が疼いてしまうなど。
 アイナが機動六課の寮母を仕事とするのもそれが理由の一つだった。
 女性の多い職場ならば自分の中の浅ましい雌の性も抑えられると思ったのだ。
 だが、それも浅はかな考え。
 いくら女性が多い機動六課とて男がまったくいないという訳ではない。
 ヴァイスやグリフィスといった男性局員を目にし、アイナの中の雌は燃えた。
 子宮が、女の悦をもたらす器官が灼熱を滾った。
 若く逞しい男の姿に、まるで発情期の雌狗のように。
 酷い時には、それこそエリオのような少年の姿にまで盛るのだ。
 抑えきれない性の衝動にアイナが己を慰めるたは当然の事だろう。
 女性用更衣室や女子トイレに駆け込み、煮え滾る女陰を掻き回したのは一度や二度ではない。
 そして、ある日それは起こった。
 きっかけが何だったのか定かではないが、唐突に下腹部で燃え上がった。
 熱く猛る肉欲に、いつもは人目に付かぬ場で致す自慰行為をその日のアイナはなのはとフェイトの部屋でした。
 2人がいない間に、ヴィヴィオを寝かしつけた後、誰もいない居間で彼女は自身を慰めた。
 その様をザフィーラに見られたのは、運命の悪戯としか言い様がない。
 そして、その時のザフィーラがいつもの狼の姿ではない人間の姿だったのは、もう運命的と呼んでも良いだろう。
 色欲の中に深く沈んだアイナにとって、屈強な肉体を持つ男とはもはや麻薬的な魅力を持つ存在だった。
 彼女がザフィーラを求めたのは自明の理である。
 淫蕩に雄を求める彼女に、守護獣は困惑し、最初は拒んだ。
 だが熱烈な雌の求愛に、彼は遂には応じた。

 それからはもう――泥沼だった。

 時と場所、そして滾る獣欲があれば、2人は肉欲のままに身体を交わした。
 激しく、正に発情期の獣の如くに。
 そして今日もまた、そんな肉欲の宴が幕を上げる。


「私は構わん」


 アイナの蕩けた誘いに、守護獣は小さく低い、されどよく響く声で返した。
 喜ばしい受諾の言葉に、淫蕩なる人妻の顔には喜悦が浮かぶ。
 チロリと舌が薄桃色の唇を舐め、火照り紅潮した彼女の顔にさらなる艶を孕ませる。
 ザフィーラに絡まる四肢に力が増し、より一層強く乳房の柔い肉が押し付けられた。
 艶めく熟女は、愛しい獣の耳元にそっと囁く。


「じゃあ、早速変身してちょうだい」


 2人のまぐわいは濃い。
 時にはザフィーラが狼の状態のままで濃厚な獣姦セックスをする事さえある。
 だが今日のアイナが求めているのはどうやら普通の状態での性交らしい。
 守護獣は請われるままに、その姿を変化させた。
 青い体毛に覆われた巨大な狼が、短い白髪の屈強な偉丈夫へと変わる。
 狼の名残として獣の耳と尾を持ち、褐色の肌と隆々たる筋骨が逞しい美男子の姿、ザフィーラの持つもう一つの姿だ。
 人間の姿へと変わった彼を、アイナはすかさずその場で押し倒す。
 女の細腕如き、守護獣にとっては振りほどく事など容易いだろう。
 だがザフィーラは成されるがまま、何の抵抗もせずに受け入れる。
 熱に浮かされたように、淫蕩なる欲望に狂った人妻は大人しく横たわる雄から邪魔な衣服を剥いでいく。
 魔力で編まれたザフィーラの防護服は少々変わった構造だが、既に何度も情交を重ねたアイナは慣れた手つきで淀みなく脱がす。
 現れるのは引き締まった、鋼のような肉体だ。
 浅黒い肌の肉体は、鍛え重ねられた筋繊維により芸術的なまでに力強いラインを描く。
 どこまでも男らしい、雄の肉体。
 守護獣のヘラクレスのような五体へ、アイナは愛おしそうに口付け。
 啄ばむようにチュッチュと音を立てて小さくキスをし、チロチロと舌を這わせて舐めていく。
 最初は広く厚い胸板、次いで引き締まった鋼の腹筋を伝い、徐々に下へ下へと向かう。
 巧みな指遣いはいつの間にか守護獣の下半身の衣服も脱がして、そこに備えられた獣の凶器を曝け出した。
 アイナの前戯の為か、それとも匂い立つ色香の為か、既にザフィーラの肉棒は半ば硬くそそり立っていた。
 それは凄まじい、まさしく屈強な五体のザフィーラに相応しい凶悪な男根だった。
 太く硬く、いやらしいほどに傘の張ったエラの亀頭、女を快楽により破壊する凶器。
 目の前に現れた肉の凶器に、アイナはうっとりと目を細めて魅入る。
 このおぞましい程の肉塊と何度交わり、何度絶頂の果てに追いやられたか。
 思い出すだけで下腹部の子宮がより一層熱を帯びる。
 そして、淫らな蜜が後から後から溢れてきた。
 早くこれを入れて欲しい、早くこれで掻き回して欲しい、早くこれでメチャクチャに突き上げて欲しい。
 淫蕩なる欲求が止め処なく溢れ出す。
 すぐにでも犯して欲しい、とアイナの中の雌は叫んだ。
 が、彼女はそれを制する。
 いきなり結合を求めるのも良いが、その前に色々とこの寡黙な守護獣を満足させてあげたい。
 己の欲求に応えてくれる、狂おしい快楽を与えてくれる愛しい獣に、彼女はまず軽く奉仕をする事にした。
 幾重にも血管が浮き上がる硬い肉根を、まずは優しく、触るか触らないか程度の力でそっと握る。
 幹をやんわりと撫ぜつつ、その先端の亀頭には舌先を近づけ、躊躇せず舐め上げた。
 カリ首のラインをなぞり、裏筋から亀頭の鈴口までゆるやかに。
 無論手による奉仕も忘れない。
 強すぎず、かといって弱すぎる事もない、絶妙な力加減の手淫。
 淡白な夫をそそり立たせる為に練り上げた性技は、下手な商売女顔負けの技巧だ。
 舐め上げながらたっぷりと唾液を絡め、その唾液がさらに染み出た先走りの液と絡まりあう。
 たちまち濡れに濡れ、アイナの施す奉仕はニチャニチャと粘着質な音を立て始めた。
 先端をチロチロと丹念に舐め上げ、幹は緩急を付けてしなやかな指で以って徹底的に扱き上げる。
 たちまちのうちに、屈強な守護獣に射精感を沸き上がらせる凄まじい快楽の技だった。
 ザフィーラの精悍な顔立ち、その眉間にシワが寄る。
 苦痛にではなく、悦楽の甘さに耐える表情だ。
 巧みな手淫と口淫奉仕の前に屈強な肉棒は破裂寸前であり、先走りは射精顔負けの量を溢れさせている。
 発射寸前の愛しい豪根に、アイナは嬉しげに笑みを浮かべて口付け。
 チュッ、と小さく音を立て、溢れる雄の分泌液の味を楽しみ、告げる。


「ふふ……すごぉい、ザフィーラの狼チンポ……早く出したい出したい、って言ってるわ。チュッ、ほら、出したいなら好きなだけ出して良いのよ? 私もあなたの精液飲みたいの」


 言いながら、猛る肉棒に絡みつく指が力を増し、激しく扱き上げた。
 亀頭にしゃぶりつく舌も、エラの張ったカリ首から尿道口まで、愛と肉欲を込めて情熱的に奉仕。
 いよいよ、守護獣の精は弾ける寸前まで上り詰める。
 迫り来る快楽の頂きに、ザフィーラは眉を苦しげに歪め、一瞬耐える。
 が、それはすぐに決壊した。


「くぅうッ……もう、出すぞ!」


 言うが早いか、白く濁った精が迸った。
 それを逃すまいと、アイナは咄嗟に滾る肉棒の先端に吸い付き、溢れる熱に喉を鳴らす。
 ドクドクと脈動し、壮絶な性臭を伴い吐き出されるザフィーラの精液。
 その粘度と熱たるや、まるでマグマのようだ。
 量も並大抵の男では足元にも及ばぬような、凄まじい精液の噴射。
 夫の貧弱な射精ならば瞬く間に飲み干すアイナだが、やはり屈強なる守護獣が相手ではそうもいかない。
 何度か懸命に喉を鳴らして飲み込むも、途中であまりの量と粘り気に限界を迎える。
 むせ返り、口を離した瞬間、飲みきれなかった射精のアーチがアイナの顔にかかる。
 唇から解放された肉棒がビクンと震え、淫靡に蕩けた人妻の美貌をアイボリー色に染め上げていく。
 黒味がかったアイナの濃い紫色の髪を高粘度の精液がカラーリングする様の、なんといやらしい事か。
 むせ返るような性臭と口内に溶ける精液の味に、アイナの瞳は淀み、とろんと蕩けている。
 頬を紅潮させ、蕩けきった顔で唇の端の精液をチロリと舌で掬い喉を鳴らして飲む、まるで天性の淫婦。
 その様に、思わずザフィーラは魅入る。


「んちゅ……すごい……こんなたくさん、飲みきれないわぁ……んくッ、それにすっごく濃くって……美味しいぃ」


 精に酔う人妻の淫靡な姿、それはあまりに筆舌に尽くし難い艶だった。
 蕩ける雌の痴態を前に守護獣の雄は一度の射精などあってなきが如しと言わんばかりに、隆々と天を突きそそり立つ。
 正に鋼、折れることも曲がる事もない、女を狂わせる為にある鋼鉄の軛である。
 その雄雄しい姿と、精液の味がもたらす余韻に溶けながらも、アイナの瞳が淫蕩なる光を宿した。
 目の前で反り返る屈強な肉凶器に、その肉がもたらす快楽への期待に、雌妻の子宮が灼熱と燃える。
 まだ何もされていないというのに、アイナの太股は溢れた蜜が伝い、存分に濡れていた。
 まるで発情期の獣だ。
 それを自覚し、己の浅ましさに呆れる。
 愛する夫がいるのに、家庭があるのに、獣と快楽を交えてよがり狂う。
 思い出される夫の顔が、羞恥心と自虐を煽る。
 が、その自虐の念と羞恥心が余計に淫心に火を注ぐ。
 まだザフィーラの精液の後味が残る唇を一舐めし、肉欲に燃える人妻は立ち上がった。
 横たわる彼をよそに、アイナは自分が纏っているスカートの中に手を挿し入れる。
 淫らなる人妻は、流れるような動作でスルリと下着を抜き取った。
 淫蕩な彼女を彩るに相応しい、黒いレースのショーツだ。
 溢れ出た愛液を吸い、ぐっしょりと濡れたそれを床に下ろすと、彼女はスカートをまくりあげながらソファに手を付く。
 まるで発情期の浅ましき雌犬の如く、服の下に隠されていた素晴らしい肉付きの尻を突き出す格好。
 振り向き、ザフィーラを見つめる瞳は欲望というなの甘い炎に爛々と燃え、蕩けている。
 そして、濡れた唇から発する言葉も、また糖蜜の如く甘い……


「じゃあ……今度は私を気持ち良くしてちょうだい」


 あらゆる男を狂わせてしまいそうな、淫魔の囁きだった。
 さらに加えて言うならば、豊満な肉付きの尻肉、そこからしなやかに伸びる極上の太股と両の脚。
 それらを彩る黒いガーターストッキング、むっちりとした白い太股に食い込むベルトとサスペンダー、白と黒のコントラストは正に淫靡の極み。
 ほとんど凶器に近い色香だった。
 こんな雌の誘いに、守護獣の股ぐらの雄は更なる滾りへと至る。
 請われるままにザフィーラは静かに彼女に歩み寄ると、尻肉を掴むと共に己が肉根の照準を濡れそぼる蜜壷へと向けた。
 蕩けきった熱い淫穴と、さらにそれを上回る程に熱く滾った肉槍が触れ合う。
 粘膜と粘膜が獣欲と快楽を孕んで触れ合い、くちゅりと粘着質な音を立てた。
 小さな音と接触は一瞬であり、その直後には――暴力的なまでの結合があった。


「はああぁぁあぁッッッ!!!」


 アイナの口から発されたのは、ほとんど絶叫といった残響。
 無理もない。
 昂ぶりきった爛れた蜜壷を、限界まで怒張した野獣の剛根が凄まじい力で貫き抉ったのだ。
 その快楽たるや、都合3度は絶頂に至る程だった。
 たった一度の姦通で3度も果て、アイナの意識は真っ白に染め上げられる。
 熟れた人妻の意識など、この圧倒的な快楽の前では風前の灯だった。
 背筋が折れんばかりに弓なりに反ったかと思えば、ガクガクと膝が笑い、瑞々しくも熟れた女体が崩れ落ちる。
 が、それを守護獣の腕が支えた。
 鍛え抜かれた筋繊維の塊、屈強極まるザフィーラの腕が、アイナのくびれた腰を掴む。
 そして同時に、彼は人妻の首筋にそっと顔を寄せ、囁いた。


「大丈夫か?」


 静かで低い、されど心地良い声、守護獣の囁き。
 これに、昇天して半ばまで蕩けたアイナの意識が現世に戻る。
 そうだ、まだ少ししか満足していないのだ、自分はもっともっと彼と肉欲を貪りたい。
 貪欲な人妻の中の欲望が熱く燃え盛り、桃色に淀んだ心を煮やす。
 はぁ、と艶めいた甘い吐息を吐くや、アイナの下腹部が締まった。


「うあッ!?」


 守護獣の口から苦悶とも取れる声が漏れた。
 雌を貫き、その肉の中に埋没する己が陰茎へ加えられた刺激に対してだ。
 うねる、と呼べば良いのか。
 濡れに濡れた人妻の蜜穴は、さながらそれ自体が別種の生命のように蠢き、愛おしい肉の凶器を締め付けていく。
 緩急を付けた締め付けと、ザワザワと蠢く肉ヒダの快楽は、寡黙なザフィーラの顔を歪ませる程のものだ。
 そんな守護獣の様に、アイナは汗で濡れた頬に髪を貼り付けたまま淫靡に笑む。


「ふふ……心配なんていいから、ね? 気にせずもっと激しく犯して……私のこと……メチャクチャにしてちょうだい」


 と、雌妻は囁く。
 もっと激しく、もっと荒々しく、もっともっと奈落のように深い肉の悦びが欲しいと。
 浅ましき雌の性、狂おしい女の情欲。
 これに、守護獣の雄は従順に応えた。
 言葉ではない、内臓まで貫通してしまいそうな強烈な突き上げで以って。



「ひゃはぁんッ!」


 甘やかな人妻の鳴き声と、濡れた肉穴を肉棒が掻き乱す粘着質な音が響く。
 そして続く。
 前後左右上下、あらゆる角度を、たっぷりと力を込めた守護獣の肉凶器が犯すのだ。
 一回一回を全力で、少しの躊躇もない姦通。
 与えられる快楽の濁流に、淫靡なる人妻は鳴き叫ぶ。
 ただただ、悦楽の甘さに。


「もっとぉ……んはぁッ!……もっと強くして! おあぁ、くっはぁああ! そうよぉ……はぁん! 遠慮なんかしないで、淫乱寮母のマンコにオシオキしてぇ!」


 屈強なる守護獣の力の、限りの睦み。
 引き締まった鋼の肉体を駆使し、貫き、抉り、突き上げ、擦り上げ、何度も何度も強烈に犯す。
 しかも、その全ての動きが淫乱な雌寮母の性感帯を捉えているのだ。
 その圧倒的な快楽の前にアイナの理性は欠片も残さず瓦解し果て、後には喜悦の中でよがり狂う浅ましさだけがある。
 濃い紫色をしたセミロングの髪を振り乱し、ガーターストッキングに彩られた美尻と太股を淫蕩に揺らして人妻が蠢く。
 自分からも快楽を、己が体内で暴れ狂う肉棒の感触を求めて。
 守護獣の硬く雄雄しい肉槍を、雌寮母の柔い肉壷が愛しさと狂おしさを持って食む。
 エラの張ったカリ首が肉ヒダを掻き分ければ、その分ヒダの一つ一つが蠕動して緩急を持った締め付けを行い。
 亀頭の先端が子宮口を凄まじく突き上げれば、その分一度の出産を経ていやらしくキスをねだる淫買の口付けの如く子宮口が肉棒に吸いつく。
 テクニック(技巧)などという生易しいもなどそこにはない。
 燃え盛る獣欲の中で二匹の雄と雌が、本能の赴くままに互いの肉体を貪りあっているのだ。
 それはどこまでも果てしなく美しく、そして――淫らだった。


「くッ! うおおッッ!」


 低く呻くような守護獣の声が響く。
 目の前の雌をもっとよがり狂わせる為に、もっと深く快楽に沈む為に、圧倒的な射精感を抑え込む。
 絶え間なく果汁を垂れ流す淫穴を抉りながら、ザフィーラの身体が前傾した。
 喘ぎ続けるアイナの女体を抱きしめるように、彼女の尻肉を掴んでいた手を移動させる。
 その先は、エプロンの下に隠された豊熟な胸だ。
 着やせするタイプな上に普段はエプロンで覆われているから分からないだろうが、彼女の胸は実に豊満だ。
 シグナム程ではないだろうが、少なくともフォワードやロングアーチの小娘には負けないだろう。
 一度子を成し、母乳を滴らせた乳房はまるで熟した果実のように実り、その重量と年を経た肌が故に少しだけ垂れている、釣鐘型の乳房。
 だがそれが美しく、いやらしいのだ。
 激しい獣性を帯びた情交の中、たぷたぷと雄を誘うように揺れる乳房にザフィーラの手が伸びる。
 エプロンの両脇から手を差し込み、ブラウスとブラ諸共引き千切ってしまいそうな力強さで掴む。
 少しの遠慮もなしに行われる暴力的な愛撫。
 柔い乳肉を満遍なく揉み転がし、先端の肉豆を捻り上げる。
 苦痛と半ばする快楽が被虐の悦びをそそり、淫らな雌寮母を責め立てた。


「ああぁッッ! すごぉ……むね、ひゃぁんッ! わたしのぉ……淫乱寮母のオッパイ、もっといぢめてぇ!」


 彼女の要求に従ったのか、それとも猛り狂う野生のままにしたのか、ザフィーラの無骨な指はさらなる力を込めて乳肉を嬲った。
 乳房に深く指を沈みこませ、乳首を力の限りに抓り上げる。
 もちろん、結合した下半身の動きも忘れない。
 淫靡な蜜で濡れに濡れた人妻の膣を、守護獣の硬い肉凶器は休む事無く責め立て続けていた。
 徹底的に肉の欲望を貪り合う交合は、そろそろ一つのフィナーレを迎えようとしていた。
 肉棒はもはや発射寸前であった。
 肉壷もまた絶頂寸前であった。
 深い快楽の果てに、二人は共に堕ちる寸前であった。
 ふと振り返り、悦楽の中に蕩けきった瞳でアイナが守護獣を見た。
 言葉などなくとも、顔を見れば彼が自分と同じく絶頂に近いのが分かる。
 ならば求めぬ道理はない。
 淫魔さながらの微笑を浮かべ、淫乱寮母は荒く甘い吐息と共にザフィーラへと囁いた。


「んぅッ……ザフィーラも、もうイきそうなのね? わかるわ……はぁん!……私のなかで、ザフィーラのチンポが“出したい出したい”ってビクビクしてるのが。
 ……良いわよ、わたしももう限界なの……んはぁ!……だから、ね? 一緒にイきましょ?」


 言うと同時に、強烈な締め付けが守護獣の肉棒を責めた。
 万力の如く、されど蕩けるような柔らかな肉が、硬くいきり立った男根を締め付ける。
 絡まる肉ヒダもまた同じく、徹底的に雄を食む。
 それが決定的な要素となった。
 次なる刹那、ザフィーラの肉根は一段と強烈な突き上げと共に、我慢していた分の精を一度に吐き出した。


「ひゃはああああぁぁんッッ!!!」


 蕩けきった絶叫が木霊し、アイナの身体が折れんばかりにのけ反り痙攣。
 ザフィーラと共に彼女も最高の、意識が根こそぎ白濁するような絶頂の頂を昇り詰めた。
 一瞬で狭い膣穴はおろか子宮まで注ぎ込み、それでも出足りない分は結合部から溢れてフローリングの床板に零れる。
 ドクドクと、精液が止め処なく注がれる音が聞こえそうな程の盛大な射精。
 吐き出される精の熱は、さながら灼熱だ。
 蜜壷に加えられた突き上げと精の熱、そして全身を痺れさせる絶頂の余韻がアイナを侵食していく。
 瞳は完全に蕩けきり、もう完全に気をやってしまっている。
 膝が笑い、身体を支える力を失った四肢が崩れかけた。
 そんなアイナを、ザフィーラがまた支える。
 今しがた乳房を入念に責めていた手を腰に回して、しっかりと抱きしめたのだ。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 濡れた熟女の唇から漏れる、甘い息。
 汗と、吐息と、精と、愛蜜がむせ返るような性臭を漂わせる中、二人の身体が重なる。
 しばしの間、場には二つの息だけが静かに響く、まるで壮大な交響曲の後の残響のように。
 互いの体温を享受し合う、身も心も溶けてしまいそうな時間だった。
 吐息と心臓の音の響きの、なんと心地良い事か。
 圧倒的なまでの多幸感に、アイナは酔い痴れる。
 と、そんな時だ。
 力強く抱き寄せた彼女に、ザフィーラが顔を寄せる。
 そっと耳元に、静かで低い残響が、守護獣の声が掛けられた。


「大丈夫か?」


 慈しむような、それでいて静かな獣性を帯びた眼差しを向けながら、彼はそう問うた。
 絶頂の余韻に蕩けきった思慮の中でアイナは、心底愛しい、と思う。
 愛する夫がいるのに、愛する子供がいるのに、愛する家庭があるのに。
 一時の快楽を与えてくれる、この守護獣が堪らなく愛しい。
 左手の薬指にある指輪の感覚が心を冷たく苛む。
 だが、その冷たさも子宮を焦がす微熱が塗り潰していった。
 もう後戻りなんてできない。


「ふふ……」


 爛れた寮母は、淫靡な、果てしなくいやらしい雌の笑みを浮かべる。
 自分が、先ほど感じた背徳感にすら欲情しているという事実が、あまりに滑稽だったから。
 浅ましく、いやらしく、恥知らずな淫乱寮母。それが自分だ、アイナ・トライトンだ。
 ならば沈んでしまおう、堕ちてしまおう……この快楽の深い檻の中に。
 そう思うが早いか、アイナは自分の耳元で囁いた守護獣の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
 静かに重ね合わせ、即座に舌を絡めて濃厚な口付けへと転じる。
 ぴちゃぴちゃと、唾液を飲ませ飲まされる艶めくキス。
 口を離せば、つぅ、と唾液の糸が引く。
 そして、人妻寮母は囁いた。


「気にしないで、って言ったでしょ? ほら……早く続きをしましょ? ……もっともっと、私の事をメチャクチャにしてちょうだい」


 深い深い、奈落の底へと誘う甘えた声。
 後にはただ、雄と雌が根限りに睦み合う爛れた時が流れた。





「んぅぅ……あれ?」


 アイナが目を覚ました時、既に日は僅かな茜色に染まっていた。
 ソファに腰掛けている身体に、粘ついた倦怠感がまとわりつく感覚がある。
 先ほどまで眠りの世界に落ちていた思慮を、ゆっくりと再起動する。
 思い出されるのは、人間形態の守護獣と熱烈に肉体を交えた淫靡極まる情景。
 アイナが思い出す限り、確かザフィーラの放った6度目の精を菊座で受けて深い絶頂の中にいた、そこまでは覚えている。
 おそらくは、そのあまりの快感に意識を失ったのだろう。
 と、そこで彼女は自分の肉体の変化に気付く。
 先ほどまで汁気の多い濃密な性交に浸っていた筈なのだが、今の自分の身体はどうだろうか。
 汗だくだった服は新しいものに代わり、全身は丁寧に拭かれていた。
 言うまでもない、ザフィーラがやってくれたのだろう。
 その彼はどこに行ったのかと、アイナは部屋の中をクルリと見渡す。
 軽く見渡してが、青い狼の姿も、屈強な偉丈夫の姿もない。
 そこで一つの音が出でる。
 ガスを抜くような音、自動ドアの開閉した音だ。
 そしてヴィヴィオを寝かしつけた隣室から、大きな青い狼が現れた。


「起きたか?」


 人間の姿の時と同じ、低くて心地良い残響が問うた。
 これに、彼女は一度頷き無言で返す。
 ザフィーラは、そうか、とだけ言うと、アイナの座ったソファの隣に寝そべった。
 ゆったりと寝そべるザフィーラに、今度は彼女が問う。


「ヴィヴィオは?」

「よく寝ている」

「そう、良かった……」


 会話はそこで止まる。
 相手はおれど、特に語らう必要もないし、語るべき言葉もない。
 情交の後の気だるい、されど心地良い時間だった。
 そんな中、ふとアイナは口を開いた。


「ねえ、ザフィーラ……」


 情事を始める時と同じ、しかしまるで色の違う言葉。
 初めの言葉は、粘ついた糖度の高い声だった。
 だが今の声は、とても清らかで澄んだ残響。
 その響きが問う。


「あなた……どうして私を抱いてくれるの?」


 と。
 彼女は不思議だった。
 確かに精力は強いが、決して性に貪欲ではないザフィーラがどうして自分のような浅ましい女の相手をしてくれるのか。
 情交の残り香の消えた中、身体の芯を溶かしている微熱に浮かされた思考がその答えを知りたがっている。
 だが、待てども待てども、守護獣の狼は何も答えてはくれない。
 視線をソファの下に向ければ、青い体毛に覆われた狼はもう眠りの世界にいた。
 目を瞑り、顔を俯かせ、ただ小さく寝息を立てている。
 そんな彼に溜息一つすると、アイナはそっと手を差し伸ばした。


「……もう、むっつりな狼さんね……」


 優しく愛おしげに青い体毛を撫ぜ梳きながら、彼女は慈母のように微笑んだ。
 いつの間にか疑問はどうでも良くなり、ただ無心に守護獣の身体を撫で続けた。
 そんな彼女を、天に照る夕焼けだけが見ていた。



終幕。


著者:ザ・シガー

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます