[222]妄想17話ダイジェスト  1/1<sage>2007/07/16(月) 07:26:10 ID:cwqoxL8n

誤算とも言えないほんの僅かな油断だった。

準備は万端、容易は周到、作戦は緻密
たったひとつ、移動用ヘリのパイロットという
映画で言うなら通行人のエキストラにしか値しない人物
そんな脇役の調査をスルーしただけだったのだ

故に、知りようもなかった
大規模なクラッキングに強力なジャミング、大出力砲による磁器嵐、AMFの干渉波
さらに夜の闇に加えガスと粉塵による煙幕という劣悪な視界の中で
真昼の平原の如く全ての敵を見通すデバイスが存在する事を。
敵味方のモニターが砂嵐に埋もれる中、唯一正確な情報を把握し続けるスナイパーがいる事を

〜〜〜〜〜

「『ストームレーダー』!セットアップ!!」
「Yes,sir.」
「ええっ!?ヴァイス陸曹、それ、ストームレイダーって、えええっ!?」
「おら、ぼけっとすんな、走れ!早いトコ隊長さん達に届けてやんな!」
「あ、ありがとうございます!」

「あの、兄の事」
「……帰ってきたら話してやる」
「……」
「聞きたかったら、生きて帰って来い」
「はいっ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜

接近するガジェット
ガジェットの撃ちだすレーザー
落下してくるビルの破片
全てがこちらに届く遥か前に後方から放たれる一筋の光にかき消される

「すごい……」

阿鼻叫喚の地獄絵図の中で
ティアナとその周囲の空間だけが平穏を約束されていた
光学質量魔法兵器が乱れ飛ぶ戦場に出現した世界で最も安全な空間だった

〜〜〜〜〜〜〜〜

(まだだ……まだいける……)

(目が見えて、指が一本動きゃいい……)

(守り切る……)


(……今度はっ!!)

著者:21スレ222

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