◆第1話 「勧告」

「ん んん…」
「んー…(うつら)」
「んんん−…(うつら)」
「みぃ…痛いのです…(じわっ)」
「赤坂…」
「ボクがお昼寝していたので静かにしててくれたのですか?」
「ありがとうなのですよ(にぱっ☆)」
「(にぱっ)」
「…牧野 ボクも赤坂と一緒に行きたいのです(にぱっ)」
「みぃ〜」
「み〜〜」
「そうなのですよ(にぱーっ)」
「古手梨花と言いますです」
「もう繰り上がりの足し算とかもできますですよ」
「お指とかは折ってませんですよ?」
「ちゃんと暗算でできますのですよ(ぶいっ)」
「みーみー」
「赤坂は変な人なのです」
「こんなのが面白いのですか?」
「…キレイな人なのです」
「赤ちゃんが生まれるのですか?」
「男のですか?女の子ですか?(ぱぁぁぁ)」
「では赤坂〜」
「ボクのお家へご招待なのです!」
「赤坂がさっきから何を言ってるのか分からないのですよ(みぃ…)」
「…では赤坂」
「ボク達の村は どうやったらダムに沈まないのですか?」
「ボク達は都会では生きていけないのです」
「ここでしか生きていけないのです」
「…ここがボクのお家なのです」
「…ここはボクのお家なのですよ」
「喜一郎」
「赤坂を見晴らしの良い所に案内したいのですよ」
「赤坂!こっちなのですよ!」
「(ニコッ)」
「沈みませんよ」
「ダム計画なんてなくなっちゃいますから」
「もう決まっている事なのですよ」
「赤坂が何をしてもしなくても ダム計画は今年で終わりになってしまうのです」
「赤坂…」
「東京へ帰れ」
「…もうすぐ」
「あなたはこの村に来た事をひどく後悔する事になる」
「それがあまりにみすぼらしくて気の毒だから 今のうちから警告してあげているのですよ」
「いちいちうるさいな」
「あまたの親はあなたが赤信号の横断歩道にいる時」
「どうして危ないか説明してからあなたの手を引くの?」
「警告はした」
「勘違いしないで欲しいのはあなたが嫌いだからこういう事を言ってる訳じゃないって事」
「死んでも良い人に危険を教える必要はないのだし」
「赤坂の恐がり」

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