【暇潰し編】　其の弐　「兆し」

暇潰し編　其の弐

もとめているのは……揺れない面影……
探しているのは……光の抜け道……
与えられたのは……いつもの悲しみ……

次回予告

「出会うのは……優しさへの代償……」
「堕ちるのは……悲しみへの迷路……」
「焦がすのは……恨みへの想い……」
「ひぐらしのなく頃に目明し編其の壱『初恋』」
「あなたは…信じられますか？」

◆第15話　【暇潰し編】　其の弐　「兆し」

「ケガ人が病院を抜けだしてはいけないのですよ」
「かけても赤阪は悲しくなるだけなのです」
「にぱー☆」
「それがいいのですよ」
「病院への道はわかりますですか？」
「なのですよ」
「まぁそんなものです」
「今日はお祭りの日なのです」
「雛見沢村の唯一のお祭り」
「綿流しのお祭りなのです」
「祭りなんて名ばかりのつまらないものですよ」
「見ますですか？」
「えへ♪」
「ね？」
「つまんないおまつりでしょ」
「こんなのはぜんぜん綿流しのお祭りじゃないのです」
「こうして眺めると」
「この村ものどかそうに見えますです」
「ボクには難しいことはよくわかりませんです」
「なにがですか？」
「平和が？」
「この村に？」
「これから毎年血生臭いことが起きるのにですか」
「…ふふ…」
「ふふふ……」
「…あと何年かすると」
「私は殺されるの…」
「これは決まっていること」
「ここは人の命を何とも思わない連中でいっぱいだもの」
「これを伝えても何も変わらないかもしれないけど…」
「…でも」
「水面に映った死という月を掻き消すためなら…」
「小石を投じることもあるかもしれない…」
『〝かけても赤阪は悲しくなるだけなのです〟』
『〝東京へ帰れ〟』
『〝でないとひどく後悔する事になる〟』
「来年の今日…」
「そう昭和54年6月の今日…」
「ダム工事の現場監督が殺される」
「体中をバラバラに引き裂かれて捨てられる」
「その翌年の昭和55年6月の今日…」
「沙都子の両親が崖から突き落とされて殺される」
「その翌年の昭和56年6月の今日…」
「私の両親が死ぬ」
「更に翌年の昭和57年6月の今日…」
「沙都子のいじわるな叔母が頭を割られて殺される」
「そして次の年…」
「昭和58年6月の今日…あるいはその数日後か…」
「…私が殺される」
「すべての死が予定調和なら」
「最後の死もまた予定のうちなの」
「でもならばこれはいったい誰の予定なの」
「…私は幸せに生きたい」
「望みはそれだけ」
「大好きな友人たちにかこまれて楽しく日々を過ごしたい」
「それだけなのに…」
「それ以上のなにも望んでいないのに…」
「…死にたくない…」

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カテゴリ：
漫画/アニメ
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