◆第7話 「5年目の祟り」

「あ…圭一…」
「ちっ違うのです 何ともないのです」
「それより圭一…」
「お祭りの晩 何か悪い事しましたか?」
「圭一…」
「境内の裏を少し行った所に 大きな倉庫があるのをご存知ですか?」
「祭具殿といいますです」
「お祭りの晩そこに猫さんが入り込んだのです」
「だけど中には猫さんの怖がるものが沢山あったのです」
「猫さんはびっくり仰天 一目散に逃げ出して がたがたぶるぶるにゃーにゃーです」
「猫さんは猫さんです にゃーにゃー」
「………」
「猫さんは猫さんですから にゃーにゃー鳴いてるだけで大丈夫ですよ」
「鳴いてるだけではだめなのですか?」
「大丈夫ですよ」
「猫さんはボクが守ってあげます」
「猫さんは怖がってますが 本当はそんなに大変な事じゃないのです」
「何匹かの犬さんが勘違いしてるだけなのです」
「富竹と鷹野ですか?」
「忘れるとよいのです」
「あの二人がどんな死に方をしても 圭一には関係のない事」
「すべて忘れてボクに任せるのです」
「ボクがなんとかしてあげますですよ」
「圭一!」
「勘違いの犬さんが猫さんに噛みつこうとしたら 知らせて下さいね」

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