くりそつ

「そっくり」「うり二つ」なこと。1970年代に流行した。「そっくり」をひっくり返して「くりそつ」。ただし、語尾はつまらない。

使用例

「キミのお兄さん、殿さまキングスの宮路おさむに似てるね」
「えー、似てないよ。あんなにエラが張ってないだろ」
「くりそつだよ。ニヤニヤしながら『女の操』歌ったら、どっちがおさむちゃんか区別がつかないくらいだ」

補説

「ほんもの」を単にひっくり返して「ものほん」と言い換えたのと同様である。その意味では今日からみてもあまりに芸がないが、にもかかわらず、当時はそれだけでなぜか粋で通ぶっているかのように思われていた。今では逆にそのことが驚きである。

当時は「そっくりショー」や「物まね」「歌まね」などの番組が多かったためもあって、「単に『そっくり』だという以上の」あるいは「月並みの『そっくり』を越えた」というニュアンスを帯びており、ひっくり返すことによって、そこに強調や驚きの意味合いが込められていた。倒置法や強調構文の影響があったかどうかは不明である。

関連項目

2009年03月20日(金) 09:53:20 Modified by greenland4




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