ユーザー環境への意識

文章が長いと大切なことが抜けるので、最初にこれだけは
「インターネットエクスプローラーの見栄えはむしろ特異」


学校HPの作成にすこしゆとりがでてきと頃、考えるとよいこと。
それは、ホームページデザインの見直しと思われる方、ちょっと待ってください。
その前に、ユーザー環境について考えてみませんか?

学校HPを作成している人のほとんどが、Windows+IE(6.0)環境を想定していないでしょうか?
想定しているというよりは、意識をしていないのではないでしょうか。
確かにWin+IE最新バージョンのユーザーがもっとも多いのは確かです。
しかしながら、それ以外の環境でインターネットに接続している人もたくさん、いやいや、ほんとにたくさんいるのです。
端末が違うと意識はいくのですよね、例えば携帯向けにコンテンツを作成している学校はいくつかあります。

5年ほど前からインターネットをやっていた人ならば知っているのではないでしょうか、インターネットエクスプローラー(以下IE)とネットスケープナビゲーター(以下NN)のブラウザ戦争を。
インターネットを閲覧するためのアプリケーションをブラウザ(httpプロトコルなどを人の目でわかるように翻訳してくれる)といいますが、ブラウザのシェアを争ってIEもNNも自分のブラウザにだけのオリジナル機能を付け加えていった時期がありました。
ホームページはHTMLというタグベースの言語で書かれていますが、HTMLというものはW3CというWEB標準規格団体が作ったものです。しかしながら、W3Cからだされたものに各ブラウザベンダーは独自のタグを追加しました。例えば文字を点滅させるBLINKタグ、文字を修飾するFONTタグ、インラインフレーム、などなど。
ブラウザ戦争が終結してから、インラインフレームやFONTタグなどはお互いのブラウザがサポートするようになりました(W3Cは非推奨)が、まだ片方にしかサポートされていないタグもあります。そしてやっかいなのが、タグだけでなく、JavaScriptにおいても同様のことがいえるということです。
最近ではCSSの解釈の違いが特に問題とされていますが、とにかく私たちが何気なく作成しているHTMLは実は万能のページとなっていない可能性が大なのです。

個人的にはMicroSoftが排他的経営政策を続ける限りこの問題はなくならないと思います。

では、この問題にみなさんならどう立ち向かいますか?
たまにネットサーフィンをしていると
「インターネットエクスプローラ6.0以上でご覧下さい」などと言ったことわりを見受けます。
ひどいところだと「IE only」なんてものもあります。
なぜ素直に書かない、「すみません、私にはインターネットエクスプローラでしかちゃんと表示できるページを作れません」って。
ていうのはまあ冗談としても、これは個人HPでは許されることですが、学校HPでは、ちょっと問題だと私は思います。

ステークホルダの第1としてやはり保護者があがりますが、家庭のパソコン環境はどれくらい把握されていますか?
保護者にはマックユーザーもかなりいらっしゃいます。そしてWindowsでも98などを使っていて、IEのバージョンが5.0くらいの人も実は結構います。閲覧環境を知るということはHP作成において非常に重要なことなんです。

プロレベルでも“全ての環境に同じように”というのは不可能です。それこそ、白黒画面に文字だけにしなくてはならなくなります。
後方互換性はどこまでもつのかは、ユーザー層によると思いますが、4.xは最低限の情報が伝わればよしとすればよいかもしれません。
あとは、IE以外のブラウザを使っている人やマックユーザーを考えることです。

最近ではFirefoxというブラウザが大きくシェアを伸ばしています。
あるいはLivedoorのOperaを使っている人もいます。まだNNを使っている人だっているかもしれません。マックもSafariというブラウザが主流になりましたが、マック用のIEを使っている人もいます。
そう、「インターネットエクスプローラーの見栄えはむしろ特異」なんです。

IEなどソフトは一つのパソコンに一つしかいれられないので、バージョンの違いを確認することは難しいのですが、他のブラウザはインストールすることができますから、ぜひ他のブラウザでの見え方を試してみてください。
Mozira系ブラウザと呼ばれるものは、レンダリングにGeckoエンジンというものを使っていますから、Mozira系ブラウザ同士ではおよそ同様にみられます。
むやみやたらにJavaScriptなどを使っていると、Geckoベースのブラウザでのレイアウト崩れにがっかりすることがあるかもしれませんが。

もし、ユーザー環境をちょっと考えてみようと思われたなら、ブラウザの確認をしてみることが一つ。
それでなんの型崩れもしなければ、それでよいと言えるでしょう。
根本的に解決したいのであれば、XHTMLへの移行をオススメします。
2005年12月04日(日) 22:14:40 Modified by web_encounter




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