ドリア調

ドリア旋法。

現在主流の長調短調のほかに、今でもときどき耳にしたり
あるいは宗教曲でよく聴く。

レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ にあたる音階。

ニ短調と比べると、シの音が♭かナチュラルかだけが違う。
シ♭ならニ短調だが、シのナチュラルだと、ドリア調。
この音の違いを「ドリアの第6度」という。

本来のドリア旋法は、レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ という
音の高さまで決まっていたが、今、ドリア調というときは、
この音階どおりの音の並びなら、レで始まっていてもファで始まっていてもよい。
(この点は今の長調・短調と似ている。12個のドリア調がある。
 ファで始まるドリア調の場合は、ファ・ソ・ラ♭・シ♭・ド・レ・ミ♭・ファ)

宗教曲で短調っぽく聞こえるものや、古いイギリスの民謡などにドリア調がみられる。

宗教曲の例: 多数
例えば、
  • T. L. de Victoria "Missa Ascendens Christus"(Fのドリア調)

イギリス民謡の例
  • グリーンスリーブス (Greensleeves)
  • 日曜日に17才 (Seventeen Come Sunday)

現代の曲の例
  • 吹奏楽 Gustav Holst「吹奏楽のための第二組曲」第2楽章 無言歌「我が愛を愛す」(イングランド・コーンウォール地方の民謡を題材。Fのドリア調)
  • 吹奏楽 Rex Mitchell「大草原の歌」(冒頭の旋律をはじめ、曲の大部分がドリア調)
  • 混声合唱 佐藤眞 組曲「海」第5楽章「うみのこもりうた」(Fisのドリア調と短調が混在)
  • 映画サントラ 久石譲「風の谷のナウシカ〜オープニング〜」(Cのドリア調(途中からF)が基調)
(現代の曲の例のドリア調部分はいずれも短調+臨時記号で表記されている)

ドリア調は、もともと短調っぽく、かつ短調とは1つしか音が違わないので、
ドリア調の宗教曲でも部分的に短調化していたり、逆に短調の曲で
ドリアの第6度を使ってドリア調と混在している場合が多い。
2005年11月25日(金) 08:04:29 Modified by pierres_blanches




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