地方財政 
財政３機能のうち、所得再分配、経済安定化は国が一元的に行うことでより平等、より効果的になる。一方、資源配分は、国防・外交など国が供給すべきものと、水道・公園など地方で供給したほうが住民のニーズに合った対応が可能なものがある。限られた地域の便益を図る公共財を地方公共財といい、地方財政がこの提供を担う。
福祉、教育、道路・河川などのインフラ整備、消防、警察などの国民生活に密接に関連する行政は、地方公共団体の手によって行われている。今後も、地方分権の推進や少子高齢化社会に向けた介護・医療・子育て支援など、地方公共団体が担うべき役割とそのための財政措置がますます重要となってくる。
地方財政とは、約1800の地方公共団体の財政の総体である。
福祉、教育、道路・河川などのインフラ整備、消防、警察などの国民生活に密接に関連する行政は、地方公共団体の手によって行われている。今後も、地方分権の推進や少子高齢化社会に向けた介護・医療・子育て支援など、地方公共団体が担うべき役割とそのための財政措置がますます重要となってくる。
地方財政とは、約1800の地方公共団体の財政の総体である。
地方財政計画
地方財政計画とは、翌年度の自治体の普通会計の収支見込額を示したものである。地方交付税法の規定に基づき、内閣が策定、国会へ提出、一般に公開される（国会の議決は必要なし）。
地方財政計画の役割は、�｜亙�財源の保障（地方交付税制度）、��国家財政と地方財政の調整、�Ｃ亙�自治体の行財政運営の指針となることである。
また、地方債計画もある。毎年度の国の財政投融資計画と関連し総務省が策定するものである。地方債は、かつては総務大臣・知事の許可が必要であった（起債許可制度）が、H18年より事前協議制に移行した。
地方財政計画の役割は、�｜亙�財源の保障（地方交付税制度）、��国家財政と地方財政の調整、�Ｃ亙�自治体の行財政運営の指針となることである。
また、地方債計画もある。毎年度の国の財政投融資計画と関連し総務省が策定するものである。地方債は、かつては総務大臣・知事の許可が必要であった（起債許可制度）が、H18年より事前協議制に移行した。
地方自治体の会計
地方自治体の会計には、普通会計（一般会計と特別会計）と地方公営企業会計がある。地方公営事業会計とは、自治体が経営する公営事業、収益事業（競馬、宝くじ）、国民保険事業、老人保険事業などの会計の総称である。
地方財政の歳入
平成22年度の地方財政計画の規模は８２兆円であり、国の一般会計予算（９２兆円）より低くなった。
（平成22年度）
・自主財源 …地方税、手数料収入
・依存財源 …地方交付税、国庫支出金、地方譲与税（地方債も依存財源に含まれる）
・一般財源 …地方税、地方交付税、地方譲与税
・特定財源 …国庫支出金、地方債、手数料収入
地方自治体が独自に住民から徴収する一般財源。道府県税と市町村税がある。シャウプ勧告以来、市町村税中心主義をとっているため、道府県税より市町村在のほうが税収が多い。
道府県税 …道府県民税(30%)、事業税(25%)、地方消費税(15%)、自動車税(10%)
市町村税 …市町村民税(45%)、固定資産税(40%)、市町村たばこ税
※消費税５％のうち、１％を道府県税の地方消費税に充てられる。その１％の２分の１を地方消費税交付金として、市町村に交付される。
地方税の税目、税率は地方税法によって定められている。地方自治体が財政上の事情で税率を上げる時、地方税法で定めた標準税率を超えて超過課税をすることが出来るが、制限税率を超えることは出来ない。
また地方自治体は条例によって、使途制限のない普通税（法定外普通税）、使途制限のある目的税（法定外目的税）を課すことができる。ただし総務大臣と協議し同意を得なければならない。
・地方交付税交付金
自治体間の財政力の格差を是正する目的で、国によって交付される一般財源。使途制限はない。都道府県では制度発足以来東京都のみ交付を受けていない（不交付団体）。
国税３税（所得・法人・酒）の32%、消費税（国税分4%）の29.5%、たばこ税の25%。
不交付団体は、（基準財政収入額）＞（基準財政需要額）となっている。（基準財政収入額）＝（地方税×75%）＋（地方譲与税）。基準は総務省が定める。
・国庫支出金
地方自治体が分担している国の業務や、国が奨励する政策（子供手当てなど）を実施するため、使途を決めて支出される特定財源。公共事業、社会保障、教育に充てられる。
・地方譲与税
国税として徴収した特定の税（地方道路税の全額、石油ガス税の2分の1）を地方自治体に配分する一般財源。国の一般会計の歳出から移された「交付税及び譲与税配布金特別会計」から支出される。かつては地方譲与税に消費税（消費譲与税）が含まれたが、97年に５％となるとともに「地方消費税」に分離され、道府県税とされた。
・地方債
地方財政法により、自治体に起債が許される公債。起債できる事業の範囲が限定され、�仝�営企業、��地方債の借換、�Ｂ腟�模事業、�ず匈寡�旧の場合に限り発行できる。
かつては総務大臣や知事の許可が必要な起債許可制度であったが、平18年に総務大臣・知事との事前協議制へと移行した。これにより、総務大臣・知事の同意が得られなくても、議会へ報告すれば発行できるようになった。ただし、赤字団体は許可制となっている。
平成22年度の地方自治体全体の地方債依存度は１６％で、国の国債依存度（４８％、平成21年）より低い。
| 歳入総額 | ８２兆円 | ||
|---|---|---|---|
| 一般財源 | 地方税 | ３２兆円 | 自主財源 |
| 地方交付金 | １７兆円 | 依存財源 | |
| 地方譲与税 | ２兆円 | ||
| 特定財源 | 国庫支出金 | １２兆円 | |
| 地方債 | １１兆円 |
（平成22年度）
- 自主財源と依存財源
・自主財源 …地方税、手数料収入
・依存財源 …地方交付税、国庫支出金、地方譲与税（地方債も依存財源に含まれる）
- 一般財源と特定財源
・一般財源 …地方税、地方交付税、地方譲与税
・特定財源 …国庫支出金、地方債、手数料収入
- 歳入の項目
地方自治体が独自に住民から徴収する一般財源。道府県税と市町村税がある。シャウプ勧告以来、市町村税中心主義をとっているため、道府県税より市町村在のほうが税収が多い。
道府県税 …道府県民税(30%)、事業税(25%)、地方消費税(15%)、自動車税(10%)
市町村税 …市町村民税(45%)、固定資産税(40%)、市町村たばこ税
※消費税５％のうち、１％を道府県税の地方消費税に充てられる。その１％の２分の１を地方消費税交付金として、市町村に交付される。
地方税の税目、税率は地方税法によって定められている。地方自治体が財政上の事情で税率を上げる時、地方税法で定めた標準税率を超えて超過課税をすることが出来るが、制限税率を超えることは出来ない。
また地方自治体は条例によって、使途制限のない普通税（法定外普通税）、使途制限のある目的税（法定外目的税）を課すことができる。ただし総務大臣と協議し同意を得なければならない。
・地方交付税交付金
自治体間の財政力の格差を是正する目的で、国によって交付される一般財源。使途制限はない。都道府県では制度発足以来東京都のみ交付を受けていない（不交付団体）。
国税３税（所得・法人・酒）の32%、消費税（国税分4%）の29.5%、たばこ税の25%。
不交付団体は、（基準財政収入額）＞（基準財政需要額）となっている。（基準財政収入額）＝（地方税×75%）＋（地方譲与税）。基準は総務省が定める。
・国庫支出金
地方自治体が分担している国の業務や、国が奨励する政策（子供手当てなど）を実施するため、使途を決めて支出される特定財源。公共事業、社会保障、教育に充てられる。
・地方譲与税
国税として徴収した特定の税（地方道路税の全額、石油ガス税の2分の1）を地方自治体に配分する一般財源。国の一般会計の歳出から移された「交付税及び譲与税配布金特別会計」から支出される。かつては地方譲与税に消費税（消費譲与税）が含まれたが、97年に５％となるとともに「地方消費税」に分離され、道府県税とされた。
・地方債
地方財政法により、自治体に起債が許される公債。起債できる事業の範囲が限定され、�仝�営企業、��地方債の借換、�Ｂ腟�模事業、�ず匈寡�旧の場合に限り発行できる。
かつては総務大臣や知事の許可が必要な起債許可制度であったが、平18年に総務大臣・知事との事前協議制へと移行した。これにより、総務大臣・知事の同意が得られなくても、議会へ報告すれば発行できるようになった。ただし、赤字団体は許可制となっている。
平成22年度の地方自治体全体の地方債依存度は１６％で、国の国債依存度（４８％、平成21年）より低い。
地方財政の歳出
| 歳出総額 | ８２兆円 |
|---|---|
| 行政経費 | ３０兆円 |
| 給与 | ２１兆円 |
| 投資的経費 | １１兆円 |
| 公債費 | １３兆円 |
行政経費とは、社会保障費、産業に関する経費。給与は教員・警察官の人件費、恩給費。投資的経費はインフラ建設、災害、失業。公債費は公債の償還費。
地方財政調整制度の変遷
・昭15 「地方分与税」制度を創設。戦時財政を制度面で強化。
・昭23 「地方配布税」と改称。
・昭25 シャウプ勧告に伴う財政改革。地方財政の自主性を強化し、「地方財政平衡交付金」制度を創設。また、市町村優先主義により道府県民税より市町村税の方が税収が多くなっている（道府県民税：市町村税＝45%：55%）。
・昭29 「地方交付税」制度を創設。
・平元 地方交付税の原資にたばこ税と消費税を加える。
・平16 三位一体の改革。改革の内容は、�｜亙�への税源移譲、��地方交付税の見直し、�Ｊ篏�金（国庫支出金）の削減である。本格的な税源移譲までの暫定措置として、所得税の一部を譲与する「所得譲与税」が創設された。
・昭23 「地方配布税」と改称。
・昭25 シャウプ勧告に伴う財政改革。地方財政の自主性を強化し、「地方財政平衡交付金」制度を創設。また、市町村優先主義により道府県民税より市町村税の方が税収が多くなっている（道府県民税：市町村税＝45%：55%）。
・昭29 「地方交付税」制度を創設。
・平元 地方交付税の原資にたばこ税と消費税を加える。
・平16 三位一体の改革。改革の内容は、�｜亙�への税源移譲、��地方交付税の見直し、�Ｊ篏�金（国庫支出金）の削減である。本格的な税源移譲までの暫定措置として、所得税の一部を譲与する「所得譲与税」が創設された。
地方財政の課題
・４割自治で自主財源が少ない。交付金や国庫支出金、地方債など、依存財源に頼らざるを得ない。
・少子高齢化で社会福祉、環境整備など、自治体の役割は増加している。
・地方債の利払い、人件費の増加のほか、行政組織の肥大化によって財源不足に陥っている。
・職員削減、事業の削減だけでは財政立て直しにつながらない。
・2000地方分権一括法では、国と地方は対等・協力関係であること、機関委任事務の廃止などがなされ、自治体の自主性、裁量が認められた。
・しかし財源については特に変更はなく、課題が残されている。
・少子高齢化で社会福祉、環境整備など、自治体の役割は増加している。
・地方債の利払い、人件費の増加のほか、行政組織の肥大化によって財源不足に陥っている。
・職員削減、事業の削減だけでは財政立て直しにつながらない。
・2000地方分権一括法では、国と地方は対等・協力関係であること、機関委任事務の廃止などがなされ、自治体の自主性、裁量が認められた。
・しかし財源については特に変更はなく、課題が残されている。
コメントをかく