労働契約の終了 
・期間に定めがある …黙示の更新
・期間に定めがない
・退職 …予告期間、定年退職
・解雇 …解雇の自由、解雇権濫用法理、解雇制限、解雇予告手続き、整理解雇
・期間に定めがない
・退職 …予告期間、定年退職
・解雇 …解雇の自由、解雇権濫用法理、解雇制限、解雇予告手続き、整理解雇
期間に定めがある労働契約の終了
- 契約期間は、原則として３年、専門知識を必要とする職種によって５年という上限が設定されており、この間で定めることが出来る（労基法14条）。労働契約に期間を定める場合、労働契約は契約期間の満了によって終了する。その反面で、契約期間中は、使用者のみならず労働者の側からも原則として契約を終了させることが出来ない（労契法17条）。
- 通常、契約期間の定めがある場合、期間の満了によって、当事者の意思表示を要せずに当然に終了するはずである。しかし労働者が満了後も労務提供を継続し、使用者もあえて異議を述べない場合は、契約期間は従来と同じ条件で引き続き存続するものと推定される。これを「黙示の更新」という。
- 黙示の更新は、労働契約が労働者の生計に決定的な影響を持つことを考慮したもの。この制度により、期間の定めのある労働契約においても、契約を終了する場合は使用者にその意思表示が事実上要求される。
- 黙示の更新がなされると、契約期間の定めのない労働契約になると考えられるため、その後は労働者・使用者いずれも申し入れによって終了させることが出来る。
退職
解雇
◆解雇の自由
◆解雇制限
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◆解雇予告手続き
★ 労基法20条違反の解雇の効力
やむを得ない事由がないにもかかわらず、予告期間の猶予や予告手当の提供がなされずに解雇が行われた場合について、その意思表示の効力が有効か無効かは争いがある。学説では有効説、絶対的無効説、相対的無効説、予告手当の請求が出来るとする選択権説があるが、判例は相対的無効説をとっている。
【細谷服装事件】「本条所定の予告期間をおかず、又予告手当ての支払いをしないでなされた解雇の通知は、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する主旨でない限り、通知後30日の期間を経過するか、又は予告手当の支払いをした時に効力を生ずる」（最判S35.3.11）
◆解雇権濫用法理
● 労働契約法16条 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
【日本食塩製造事件】「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。」（最高裁S50.4.25）
【高知放送事件】「普通解雇事由がある場合においても、使用者は常に解雇し得るものではなく、当該具体的な事情の下において、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効になる。」（最高裁S52.1.31）
◆整理解雇
- 解雇とは、使用者の申し入れによる労働契約の解除のこと。使用者は、期間の定めのない労働契約についていつでも終了させることが出来る（民法627条1項）。これを「解雇の自由」という。
- 解雇は労働者の生計の維持に大きな影響を与えるため、労働者の生存の確保の見地からさまざまな解雇規制がある。解雇権乱用の法理（労基法18条の2）、解雇制限（労基法19条）、解雇予告手続き（労基法20条）など。
◆解雇制限
- 労働者が以下の特殊な状況にある場合、その期間とその後30日間は解雇を行うことが出来ない。
�◆〇坐飴左紊乃拔箸靴討い訃豺�
- �，領祿阿箸靴董�打切補償を支払った場合は解雇することが出来る。�´△領祿阿箸靴董�天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は、解雇することが出来る。その場合は、やむを得ない事由を安易に利用した恣意的な解雇を防止するため、行政官庁の認定が必要となる。
- �´△両豺腓浪鮓曚�禁止されるが、解雇予告は行うことが出来る（【東洋特殊土木事件】）。つまり復帰した時点で解雇予告を行い、その後の予告期間30日を経過した時点で解雇しても違法にならない。
- 「労働者の責に帰すべき事由」による懲戒解雇は例外に当たらないため、�´△隆�間内の懲戒解雇はすることが出来ない。
◆解雇予告手続き
- 使用者は、労働者を解雇しようとする日の少なくとも30日前に、その予告しなければならない。この期間30日を「予告期間」という。民法では予告期間は2週間であるが、労基法では生活維持を考慮して延長されている。
- 30日の予告期間を置くことができない場合は、30日以上分の平均賃金を提供して即時解雇を行うことが出来る。この賃金を「予告手当」という。
- これらの解雇予告手続きは、労働者に次の職を探すための必要な時間的余裕を確保して、突然の解雇がもたらす生活の困窮を緩和させようとするもの。
- 「天災事変その他やむを得ない事由」「労働者の責に帰すべき事由」による解雇の場合は、予告期間も予告手当も必要なく、即時解雇を行うことが出来る。その場合は、やむを得ない事由を安易に利用した恣意的な解雇を防止するため、行政官庁の認定が必要となる。
★ 労基法20条違反の解雇の効力
やむを得ない事由がないにもかかわらず、予告期間の猶予や予告手当の提供がなされずに解雇が行われた場合について、その意思表示の効力が有効か無効かは争いがある。学説では有効説、絶対的無効説、相対的無効説、予告手当の請求が出来るとする選択権説があるが、判例は相対的無効説をとっている。
【細谷服装事件】「本条所定の予告期間をおかず、又予告手当ての支払いをしないでなされた解雇の通知は、即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する主旨でない限り、通知後30日の期間を経過するか、又は予告手当の支払いをした時に効力を生ずる」（最判S35.3.11）
◆解雇権濫用法理
● 労働契約法16条 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
【日本食塩製造事件】「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。」（最高裁S50.4.25）
【高知放送事件】「普通解雇事由がある場合においても、使用者は常に解雇し得るものではなく、当該具体的な事情の下において、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効になる。」（最高裁S52.1.31）
◆整理解雇
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