051017 山口
2005年10月17日(月)
濃尾平野の埋積過程と動態変化
山口正秋
要旨
沖積平野は陸域からの土砂フラックスの多くを受け止める不安定な場所である.こうした不安定性を評価するためには,沖積平野において生じてきた地形変化の規模や頻度といった動態変化に関する定量的な研究成果の蓄積が必要である.博士論文では,沖積平野の埋積過程を定量的かつ総合的に検討する新しい手法を用いて,時間精度の向上,地層から堆積環境を推定する精度の向上,空間精度の向上をはかるとともに,山地と海とをつなぐ平野域における土砂収支の検討を行った.濃尾平野は内湾に面するため,海の営力が相対的に小さい.また扇状地や自然堤防がよく発達する本平野では,多くの粗粒物質が下流まで運搬され,河川による運搬・堆積プロセスが卓越すると考えられる.さらに本平野は,周囲を山地に囲まれているため,上流から供給された土砂の堆積する範囲が明確である.このような条件を備えた濃尾平野は,河川による物質の運搬・堆積や,それによる平野の形成プロセスを説明する一般的なモデルの構築,さらに河川からの土砂収支の検討に適したフィールドである.
本報告では,博士論文の内容を以下のような構成で報告する.1)2本のオールコアボーリングの詳細な14C年代値にもとづく濃尾平野完新統の堆積速度 2)木曽川デルタの地形,粒度組成と堆積プロセスの関係 3)高密度ボーリングデータ解析にもとづく濃尾平野沖積層の三次元構造 4)濃尾平野沖積層の体積と河川フラックス
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濃尾平野の埋積過程と動態変化
山口正秋
要旨
沖積平野は陸域からの土砂フラックスの多くを受け止める不安定な場所である.こうした不安定性を評価するためには,沖積平野において生じてきた地形変化の規模や頻度といった動態変化に関する定量的な研究成果の蓄積が必要である.博士論文では,沖積平野の埋積過程を定量的かつ総合的に検討する新しい手法を用いて,時間精度の向上,地層から堆積環境を推定する精度の向上,空間精度の向上をはかるとともに,山地と海とをつなぐ平野域における土砂収支の検討を行った.濃尾平野は内湾に面するため,海の営力が相対的に小さい.また扇状地や自然堤防がよく発達する本平野では,多くの粗粒物質が下流まで運搬され,河川による運搬・堆積プロセスが卓越すると考えられる.さらに本平野は,周囲を山地に囲まれているため,上流から供給された土砂の堆積する範囲が明確である.このような条件を備えた濃尾平野は,河川による物質の運搬・堆積や,それによる平野の形成プロセスを説明する一般的なモデルの構築,さらに河川からの土砂収支の検討に適したフィールドである.
本報告では,博士論文の内容を以下のような構成で報告する.1)2本のオールコアボーリングの詳細な14C年代値にもとづく濃尾平野完新統の堆積速度 2)木曽川デルタの地形,粒度組成と堆積プロセスの関係 3)高密度ボーリングデータ解析にもとづく濃尾平野沖積層の三次元構造 4)濃尾平野沖積層の体積と河川フラックス
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2005年10月07日(金) 11:00:19 Modified by ut_geomorphology