山屋敷秘図 切支丹・異国小説集

山屋敷秘図 切支丹・異国小説集―山田風太郎妖異小説コレクション


 『外道忍法帖』、『魔界転生』、『明治十手架』、『地の果ての獄』など、繰り返し山風世界に登場する切支丹もの。その原点である初期の作品群と異国を舞台にした短篇を収録した一冊。
 切支丹ものは、信仰と本能の狭間で揺れる人間の心理、倒錯、葛藤と描いていてすでに彼の世界が確立されている。また、日本人の暴虐と残酷を繰り返し描いており、終戦後に彼が何を思い瞑目していたかも示している。

■スピロヘータ氏来朝記

■邪宗門仏

■奇蹟屋

■姫君何処におらすか

■伴天連地獄

■邪宗門頭巾

■山屋敷秘図

■不知火軍記
  • 「焼け、殺せ、天帝の敵をゆるすな」
 山田風太郎はしばしば、自作から換骨奪胎して新たな作品を創り上げるがこの作品からは『外道忍法帖』がうまれたといえるだろう。
 不知火と天姫、そしてそれに対する二人の天草扇千代。怨敵として対峙する彼らだが、不知火が大羅刹から聖女へ変貌したのに対して、天姫は聖女から大羅刹へ生まれ変わらんとする。彼女たちを変えたのは不知火にとっては母性愛、天姫にとっては復讐の一念だ。よくある「恋で女が変わる」という安っぽい動機ではないところが風太郎らしい。

■盲僧秘帖

■踏絵の軍師

■売色使徒行伝

■万人坑

■蓮華盗賊

■降倭変
2005年10月28日(金) 21:51:36 Modified by yamafu




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