松竹映画『SHINOBI 忍』

公式サイト
プレスサイト
Amazon

※トランジェンション効果が美しい最新技術を駆使したフラッシュのみサイトのため、ナローバンドの方はご注意ください。

 キャストには『ごくせん』の仲間由紀恵、『あずみ』の美女丸に定評があるオダギリジョー。余談だが主演のオダギリジョーは「恋愛もアクションも苦手」と明言しており出演に乗り気ではなく三顧の礼で迎えたらしい。新進女優の沢尻エリカ、ベテランの椎名桔平らが脇を固める。夜叉丸は日本を代表する若手アクション俳優・坂口拓、虎牙光揮を起用しているが、残念ながら出番は少ない。
 監督は『マッスルヒート』の下山天、コンセプトデザインは山田章博、脚本は『リターナー』の平田研也、主題歌は浜崎あゆみ『HEAVEN』。製作費用の一部は、日本初の映画ファンドで集めたことでも注目を集める。試写会では浜崎あゆみがお忍びで見に来るなど宣伝も十分であった。

 十分間のプロモーション映像を見たウォシャウスキー姉弟がハリウッドリメイクをオファーしたという噂があったが真偽のほどは不明である。

 なお、サイトのシークレットストーリーなるコンテンツがあり、本編で語りきれない秘話を紹介している。原作とはまったく関係のないオリジナルストーリーであるが、これをを熟読せねば映画本編の人間関係が非常に把握しにくい。

伊賀鍔隠れ衆
    • お幻(りりィ) 鍔隠れ頭領で朧の祖母。
    • 朧(仲間由紀恵) 主役。怒りで人を殺すことができる瞳術の持ち主。弦之介と密かに愛し合っている。戦いを好まない性格だが、ひとたび怒ると容赦なく敵を屠る。
    • 薬師寺天膳(椎名桔平) 円月輪(チャクラム・インド由来の投擲武器)の名人で不死の忍者。野心家。総髪で白髪、紫色の唇に青白い肌を持つ。木彫りが趣味か。
    • 蛍火(沢尻エリカ) 自然を愛する心清き少女。人を殺したことはない。毒蛾を操る。原作と違って印ではなく特殊な粉を使用する。夜叉丸とは恋愛関係なし。朧とは姉妹同然の仲である。
    • 夜叉丸(坂口拓) 殺人狂の美少年。傲慢で残酷、忍者としての能力の低い朧を軽んじている。黒い糸を操る。
    • 蓑念鬼(伊藤俊) 里近くで拾われた野生児。両手に鋭い鉤爪を仕込み、忍者離れした素早い動きで戦う。人と喋ることはない。

  • 甲賀卍谷衆
    • 甲賀弾正(寺田稔) 卍谷頭領で弦之介の祖父。
    • 甲賀弦之介(オダギリジョー) 甲賀のエリート忍者で優れた能力を持つが、統率力は低い。最強ゆえに孤独らしく、朧との愛を育む。
    • 陽炎(黒谷友香) 全身が猛毒で作られており、肌を重ねてきた男を腕の中でしとめる。それゆえ弦之介を愛することができない苦悩をもつ。その毒は不死身の者すら屠るほど強力。しかし仲間との連携など基本的な能力は極めて低いようだ。
    • 室賀豹馬(升毅) 盲目ながら鍛えられた心眼で常人よりものが見える。博識で弦之介にとっては心の師でもある。式占盤による占星術も得意である。
    • 如月左衛門(木下ほうか) 己の存在を消すことに命を賭けており、素顔を見られる時は最期であると考えている。骨格と筋肉を生かした謎の術を持つ。しかし、原作にあった知能戦はできない模様。
    • 筑摩小四郎(虎牙光揮) 弦之介の幼なじみで天才である彼に劣等感を持つ努力家。頭領である弦之介を呼び捨てにする不可解な一面もある。戦闘能力はなかなか高い。

  • その他
    • 徳川家康 忍者殲滅をもくろむ。
    • 服部半蔵 なぜかこの作品では三代目だが、史実に反している。
    • 柳生但馬守と謎の隻眼男 隻眼男は十兵衛に見えるが、当時七歳のはずなので別人である。
    • その他伊賀衆・甲賀衆 大砲を引き摺って敵が襲ってきても気付かないほど、腕がなまっている模様。


  • 現象とファンの受け止め方
 あまりに一部の若い女性ファン層を狙った作りや、原作大幅改変はファンの怒りのこもった批判を浴びた。一方でライトな層からはそれなりの評価を受けたようである。

肯定論
    • 主演女優・俳優、風景が美しく撮れている
    • 悲恋の結末に泣けた
    • アクションシーンに迫力があった
    • カップルでデートムービーとして見る分にはいい
    • 近年の国産アクション映画の中では上出来
    • 今まで映像化された山田風太郎作品として出来がいいほう
肯定的レビューその1
その2

批判論
    • 原作を改編しすぎている、人物の性格がまったく違う、ラストが原作とまったく違う
    • あまりに人物描写が薄っぺらい
    • 一部の俳優の演技が拙い
    • 主演二人の演技が拙い
    • 俳優や景色を美しく撮るあまり、本筋がおろそかになっている
    • 中国武侠映画を劣化させたようなアクションシーンや特撮が陳腐
    • 原作ファンよりもライトな観客受けを狙っているのが気に入らない
    • 衣装が奇抜過ぎる
    • 時代考証や設定がお粗末(柳生十兵衛の存在など)
否定的レビュー その1
その2

 こうした肯定・否定派はインターネットの掲示板やブログで、かなり熱気と憎悪の籠もったやりとりを繰り広げ、その様子が「映画そのものよりおもしろい」と揶揄されることもあった。
 
 最終興行収入は14億一千万とファンド目標額の15億に届かなかったため、日本初の個人事業家向け映画ファンドは失敗したとされる。松竹側の説明によれば『チャーリーとチョコレート工場』、『四月の雪』の公開と重なったためとのことだが、単純に映画としての出来が原因と思われる。
 なお、本作は2005年度文春きいちご賞(※日本版ゴールデンラズベリー賞)ワースト1位、『映画秘宝』2005年度ワースト9位に選出された。
2006年06月17日(土) 00:45:13 Modified by kizurizm




スマートフォン版で見る