希望亭wiki

ここはツェルの長屋
人族と蛮族がともに共存する平和な街
しかし、人々には知られていない脅威が迫っていた！

「きゃー　助けてー」
「寝ない子…寝ない子誰だ…」
女の子は大きな白いシーツを被った大男に、子供が落書きで書いたような笑顔が張り付いた化け物に足を掴まれ、摘まみあげられていた
急に襲われて訳も分からない
このまま自分は食べられてしまうのか…そう思ったその時
「ちょっとまったー！」
女の子と白い化け物はその声の方を向く
そこには、ただの子供が屋根の上に仁王立ちしているだけだ
「正義の魔法少女！マジカルマギア！ただいま参上！」
よく見れば派手な服装に身を包んでいる
しかし、何ができるだろうか
「いっけー！正義の鉄鎚！」
彼女がそう叫ぶと、持っている杖のようなものから大きなボールが発射される
よく見ればそれは飴玉だったが、なんにせよそんな巨大なものが当たればひとたまりもない
「うおぉぉぉん」
怪物は叫ぶと、その場で爆発四散してしまった
「ふふん、マギアちゃんにかかれば朝飯前なのです」
呆気に取られていると、パチパチパチと手を叩く音が聞こえる
「流石はマジカルマギアです　この程度では相手になりませんね」
黒いドレスを着た、金髪の女性が歩いてくる
「あ、あなたはっ」
先ほどまでの余裕から、子供は身構える
「キビシイヒトー幹部の一人、ポーラ　これ以上の妨害は看過できませんね」
「そ、それでも負けないんだから！」
女性は構えず、手を振るうだけで岩を飛ばす
子供はそれに杖をかざしながら立ち向かう…
正義の魔法少女と悪の幹部が今、衝突する―

「むふふー　正義は勝つんだからー」
主人の寝言に反応したのか、ファミリアのちまがマギアの顔を叩く
「負けないぞー　ふぎゃっ！」
ちまの攻撃から逃げるために寝がえりをうったマギアはベットから地面へ落ちて悲鳴をあげる
「…あれ？」
見慣れた天井、見慣れた部屋
夢の世界からマギアは帰ってきたのだ
「んーなんかすごいことしてた気がする　なんだったのかな？」
首をかしげながらカーテンを開ける
まぶしいくらいの日差しを浴びて、彼女は手を広げる
「よーし、今日も一日がんばろー！」
着替えて朝ごはんへ向かう主人の後を白猫が追う
夢でよほど良いことがあったのか、主人はスキップしながら食堂へ歩く
「…でも、本当にどんな夢見てたんだっけ？」　-End