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溪谷の魔導機

■前編

「すまん…道に迷ったようだ…」
ある暑い夏の日、一組の冒険者がど田舎の渓谷を歩いていた。

「ガウルン、しっかりしなさいよー」
呆れ顔で歩く人間グラップラーの少女フェリア。

「もう、何してんのよ」
文句を言いながら周囲を見回しているのがハイマンプリーストのネール。

「う、頭が痛む…失われた記憶がフラッシュバックする…!!」
記憶喪失を道に迷った言い訳にしだすシャドウファイターのガウルン。


3人は街から街に移動して様々な依頼を解決する冒険者である。
次の街に移動する途中で道に迷ったのだった。
とりあえず近くに村がないか探しながら山道を進んでいくと橋に差し掛かった。
橋からの景色を眺める一行。

ガウルン:「おおー絶景だな」
フェリア:「これ、帰れるのかしら...」
ガウルン:「道に迷わなければこんな景色拝めなかったな!わはっはっは…」
フェリア:「ま、確かにそうね」(クスクス
ネール:「前向きな男も嫌いじゃないわ」

旅慣れた一行が軽口を言いつつ進んでいくと、
橋のふもとに子供がいる。

ガッキー(子供):「うわーーー」
ガッキー:「あれ?」
ガッキー:「へんなおばさんと、おっさんだ!」

いきなりのご挨拶である。

ガウルン:「おにいさんだ。坊主、こんなところで一人で居ると危ないぞ」
フェリア:「まだ、17歳です!!!」
ネール:「生意気な坊やねぇ」

ガッキー:「じゃ、おにいさん」
ガッキー:「ちょっと、手伝えよ」
ガッキー:「どんくさい、ねーちゃんなんとかしてくれよ」
と、橋の下を指差す子供。

ガウルン:「口の聞き方を知らん坊主だな…まあいいだろう。どれどれ」

呆れながらも橋の下をのぞくと5mくらい下の木に少女がしがみついているのが見える。
そのさらに下には【バスケット】が木に引っかかっている。

ガッキー:「ねーちゃん、バスケット取に降りて」
ガッキー:「戻れなくなったんだ」

ガウルン:「どんくさいですまない状況だな…とりあえずあの子を助けんとなあ」
ネール:「あら、大変。ガウルン、なんとかしてやって頂戴」
フェリア:「そうね、ガウルン頑張ってね!」
ガウルン:「(俺が行くのか…)」

ガッキー:「お、おっさん行くか!」

フェリア:「こういときは、男性が行くって相場が決まってるのよ。ね、ネール?」
ネール:「男なんでしょ、頑張ったらご褒美にいいことしてあ・げ・る♡」
ガッキー:「ねーちゃんひんぬーだけど、我慢しろよ」
フェリア:「貧乳は関係ないでしょうが!」

スカウトのガウルンが適任ということも有り、橋下の少女を助けに行く。

ガウルン:「とりあえずロープで命綱は作ろう」
ガウルン:「最悪、彼女だけでもロープでくくって引っ張りあげてやってくれ」

近くの木にロープを括りつけて下に垂らしするすると降りていく。(軽業成功)

プリッツ(少女):ガクブル
プリッツ:「え!」
ガウルン:「嬢ちゃん、大丈夫か」
プリッツ:「た、助けに来てくれたの!」
涙目で震えている10歳くらいの少女

ガウルン:「なりゆきでな」
プリッツ:「よかったー」べそべそ

ネール:「悪い男じゃないから、安心して掴まりなよ」
橋の上からネールが声をかける
プリッツ:上見て「あ、はい」
プリッツ:「おねがいします。」
少女がガウルンにしがみつく

ガウルンは手早くロープで少女の体を縛り、
万一落ちた時も大丈夫なように準備をしてから少女を抱え上げた。

ガウルン:「よしっと」
ガウルン:「じゃあ登るぞ。しっかり掴まってな」
プリッツ:「はいっ」
プリッツ:ガクブル

しっかり少女を抱えながら橋上まで登り切り、少女を下ろす。

フェリア:「なかなか上手くやるわねえ」
プリッツ:「怖かったー」ぺたん
プリッツ:「あ、ありがとうございます」少し震えている
ネール:「頑張ったね、流石しっかりしてる。お姉ちゃんだもんね」
プリッツ:「へへ、すこし怖かったです」

ガウルン:「ふう、しかし、なんだってあんな場所に」
ガッキー:「おーーー、おっさんやるじゃん」
ガウルン:「おにいさんだ」
ガッキー:「バスケット落としたんだよ、ねーちゃん」www
ガウルン:「バスケットなあ…あれも取りに行くか?」
ネール:「じゃあ次はバスケットだね、お・に・い・さん」
フェリア:「多忙ですね」
ガッキー:「お、すごいな、おっさん」
プリッツ:「バスケットは危ないですよ・・・」

ガウルン:「はぁ…やはり行くのか…」
ネール:「男だからってのもあるけど、この中で一番身軽に動けるからねぇ……」
ガウルン:「乗りかかった船だし、まあ行ってみるか。落ちたら回復頼むぞ!ネール!」
プリッツ:「ありがとうございます。おねがいします。」うるうる
ネール:「引き上げられたらね〜」手をふりふり

下にあるバスケットも取りに行くことになり、
再度ロープ降りていくガウルンだが足を滑らせてしまう。(軽業失敗)

ガウルン:「うわっ」
ネール:「あ、落ちた……」
フェリア:「あ、まずい...」

【ぶらーーーーん】

上でロープを木に括りつけていたため、
下に落ちずに済んだが、崖をぶら下がっている。

プリッツ:「きゃーーーーーー」あたあた
ガッキー:「おーーー、かっけーーーーー」

ガウルン:「あぶねえ…」
ガウルン:「事前準備しといてよかったぜ…(ぶらーん」
ぶら下がりながらもバスケットを確保するガウルン。

ネール:「なあんだ、大丈夫そうじゃない」崖の下を見てほっとする
フェリア:「引き上げようか?」
プリッツ:「えっと」汗汗 「これを引っ張ればいいのかな」ロープを見て
ネール:「引き上げ頼むわね、フェリア」
フェリア:「わかった!任せて!」
プリッツ:「わ、わたしも手伝います。」
フェリア:「ありがとう!それじゃあ、一緒にお願いね。」
ネール:「じゃあ、フェリアの後ろで引っ張りな」
プリッツ:「が、がんばります」

ぶら下がっているガウルンを引き上げるため、
ロープを橋上の皆で引っ張ることになる。

ネール:「じゃ、私はプリッツを支えててあげる」
ガッキー:「がんばれー おばちゃん」 「でかちちパワーだー」
ガッキー:「じゃ、おばさんの髪をひっぱてやるぞ」
ネール:「後そこの、坊や。でかちちは当たり前として、わたしはおねえさんよ」
ガッキー:「でかちちねーちゃん」げらげら

ガウルン:「(確かにでかちちだな。そこはあってるぞ坊主)」
ガウルン:「たすけてくれ〜」

皆の力を合わせて無事引き上げられる。(筋力判定)
3分後には橋の上でガウルンはほっと一息。

フェリア:「おかえりなさい、無事でよかったわね」
ネール:「やったじゃない、プリッツ頑張ったもんね」
プリッツ:「バスケット、ありがとうございます」
ガウルン:「ふう、肝を冷やしたぜ」
プリッツ:「はい、がんばりました。」
フェリア:「もう落としちゃダメだよ」
頭を撫でるフェリア

プリッツ:「あの・・・」
プリッツ:「お礼に、サンドイッチどうですか?」
赤くなりながらバスケットを開く

プリッツ:「おねーちゃんに作ってもらいました」
ネール:「サンドイッチ……あーもうお昼どきかぁ」
ガウルン:「ちょうど昼時だし一休みしていただくかあ」
フェリア:「そうね、少し休んでいきましょうか。」
少女の好意を受けてサンドイッチを食べながら小休止することにする。

ガッキー:「おっさん、俺からも報酬をやるぞ」
ガウルン:「おにいいいいいさんだ」

不穏なことを言いながらフィリアに近づく少年。

ガッキー:「ねーちゃんだよな???」
フェリア:「そうよっ!」
ガッキー:「おっさん、注目!!!」
ガッキー:「ごほうびーーー」
叫びと同時にフェリアのスカートをめくる。

ガッキー:「いちご、いっぱい」
ガッキー:げらげらげら
フェリア:「きゃああああああああああ」
ガウルン:「おにいさんだといってるだろうが!うお…!」
ネール:「あら、まだまだお子ちゃまね。うふふ」

フェリア:「な、に、す、る、の、よおおおおお」
ガッキー:「おこちゃまーーー」フェリア指さす
ガッキー:「おっさん、喜んでるーーー」げらげらーーー
ガウルン:「(目を背けて)まったく近頃のガキはませてるなあ」

プリッツ:「こらーーーーっ」
ガッキーのいたずらに立ち上がって叱ろうとするプリッツだが、

ガッキー:「ねーちゃんのもだーー」
逆にスカートをめくられてしまう。

【ばふっ】

ガッキー:「今度はりぼんだけーーー」

真赤になりながらスカートを抑える二人

フェリア:「人の趣味におこちゃまもおとなもないのよ!そして、ガウルンも興奮しないの!」
ガウルン:「いや、子供の下着を見ても興奮はしないぞ。だがもう少し可愛いのを履いたほうがいいかもな、うん」
フェリア:「子供じゃないって!むー。」
プリッツ:「むかっ」
プリッツ:「子供で悪かったですね!」
不用意な発言で二人に詰め寄られるガウルンであった。

ネール:「あらあら、悪戯っ子ねぇ……向こうで私のをじっくり見せてあげようか?」
ガッキーに怪しい微笑みを向けるネール

ガウルン:「ネールは聖職者らしからぬ趣味だなあ…」
ネール:「あら、リルズ様の教えに忠実に生きてるだけよ」
フェリア:「そんな教えがあるなんて初めて知ったわよ...笑」

プリッツ:「わたしも、将来はああなるよていですっ」ネールを指さして
ガウルン:「ああはなってはいけないと思うぞ…うん」

プリッツ:「それより、ガッキー、もう許さない!」
ガッキー:「にげろーー」
山の方に逃げていくガッキー

プリッツ:「もう、弟がすいませんでした。」
プリッツ:「もし、今日泊まる予定が無ければ」
プリッツ:「ふもとの村で、姉が宿をしています」

空を見上げる

プリッツ:「たぶん、夕方から嵐になると思うので」
プリッツ:「よければどうぞ」

ネール:「渡りに船ってこのことね。どっかの誰かが道に迷ったせいで困ってたのよ」
ガウルン:「う、頭が…」
フェリア:「ガウルン、さっきもそうやってたけど大丈夫?」
ネール:「どうしたの、ガウルン。さっきの光景でも思い出した?」

ガウルン:「ちょうどこの辺がどこか聞きたかったし、おじゃまするか」
フェリア:「あてがあるわけでもないのよね...」
プリッツ:「ここいらの道は迷いやすいんですよね」
村の場所を教えてもらう一行。

ガウルン:「しかし元気な弟だな。あれは大物になるぞ。はははは」
プリッツ:「元気すぎますっ」
ネール:「男の子は元気な位でちょうど良いのよ」
プリッツ:「あと、さっきみたものは忘れてください」赤くなりながら

プリッツ:「じゃ、私は弟を捕まえに行きます」立ち上がり、スカートぽんぽん
プリッツ:「失礼します」ぺこり
プリッツ:「こらー、ガッキー」

走って山道を登って行く少女を見送り、
少女に教えてもらったふもとの村に向かうのだった。



■後編

少女たちと別れた後、しばらく道を歩くと村が見える。
冒険者達は村に入り少女に教えてもらった宿屋にやってきた。
村は小さく人気も少ない。
宿屋も扉が閉まっていて誰もいる気配がしない。

ガウルン:「こんなところに村があったのか」
ネール:「あの子達が行ってた宿屋ってここよねぇ……」
ガウルン:「聞いてた宿屋には誰もいそうにないな。ちょっとその辺うろついてみるか」

宿屋の前で立ち止まっていると、

女性:「あら?」
女性:「お客様かしら?」

20歳くらいの女性から声を掛けられる。

ネール:「あら、ここの女将さん?」
ガウルン:「お、あなたはこの宿屋の?」

アネー(女性):「はい、わたしここの宿屋のおかみ」
アネー:「アネーと申します」
アネー:「お客様ですか?」

フェリア:「でかい...」(胸を見ながら小声でつぶやく)
アネー:「?」にっこり
ネール:「信じるものは救われるわよ」

ガウルン:「プリッツちゃんに聞いて宿を借りに来たんだが」
アネー:「あら、プリッツから聞いたのですか!」
ガウルン:「今開いてるかね」
アネー:「いらっしゃい、久しぶりのお客様ね」
アネー:「どうぞ、中へ」
ネール:「じゃあおじゃまするわね」

扉を開けて迎え入れられる。

ガウルン:「ちょっと道に迷ってしまってなあ…出来ればこの辺の地理も教えてもらえるとありがたい」
アネー:「道ですか・・・」
アネー:「たぶん、もうすぐ嵐だから」
アネー:「今日は泊まったほうがいいですわ」
アネー:「明日、妹たちに道は案内させますわ」
ネール:「プリッツにもそう言われたわね……」
ガウルン:「それはありがたい」
ネール:「そんなことなら一泊泊めてもらうわ」
アネー:「はい、ありがとうございます」

フェリア:「そうね、ガウルン、地図持ってたよね?」
ガウルン:「もってるぞ」
フェリア:「ありがとう」

お茶を入れてもらい宿のロビーでくつろぐ冒険者達。

アネー:「こんなとこまでようこそ」
アネー:「大変でしたでしょ、山道」
ガウルン:「レンジャーでもいれば違ったのでしょうが、やはりなれない山道は色々大変ですね」

ネールを見て
アネー:「都会の人は綺麗ね。こちらには、こんな地味な服しかなくて・・・」
ガウルン:「いや、ネールの服は都会でも特殊で…」
ネール:「あら、あなたも十分美しいわよ。人には人の、場所には場所にあった服装が一番だわ」
アネー:「あら、特殊なの?」

など雑談していると雨音が聞こえてくる。
風も激しくなってきたようだ。

フェリア:「雨...」
ネール:「プリッツたち、大丈夫かしら?」
アネー:「あらあら、激しくなってきたわね。お客様、ゆっくりしてね」

ばたばたと部屋を出て行くアネー。
そして外ではますます風は激しさを増しているようだ。

【ビュー、ガタガタ、ザー】

ガウルン:「それにしても危なかったな。山の中で嵐にあってたら大変だった」
フェリア:「あ、バスケット返すの忘れちゃったわね」
ネール:「山の天気は変わりやすいってホントね」

アネー:「あーー、全身濡れた」
全身ずぶ濡れのアネーが外から部屋に戻ってくる。

ネール:「あら、身体を冷やしちゃ駄目よ」
アネー:「あら、ありがとうございます。」
アネー:「あと1時間ほどで、晩御飯にしますね。」
フェリア:「晩御飯まで、ありがとうございます。」

アネー:「プリッツ大丈夫かしら」
ガウルン:「そういえば二人はどこに?」
アネー:「あの二人は、まだ山ね・・・」
ネール:「やっぱり、プリッツたちまだ戻ってなかったの」
アネー:「庭みたいなものだから、大丈夫とは思うけど」
フェリア:「それは、危険ではないかしら...?」
ガウルン:「ふむ、少し心配だな…嵐が来るのはわかっていたようだから平気だろうが」

少女たちの安否を心配していると
宿屋の扉が勢い良く開かれる。

【ばたーーーーーっん】

ネール:「あら?」

村人A:「あねさんっ、大変ですぜ」
アネー:「どうしたの?」
村人A:「この嵐で崖が崩れて、遺跡の魔導機が出てきたんですよ!」
アネー:「!」

突然入ってきた村人にびっくりするフェリア

ガウルン:「魔導機?」
ネール:「魔動機?それは大変じゃない」

村人A:「今は対岸にいるんで、こちらには来れませんが」
村人A:「こちらの村に来るのは時間の問題ですぜ」
村人A:「で、悪いが」
村人A:「橋を落とす」
村人A:「そうすれば、こちらに来れない」
アネー:「・・・」
アネー:「わかったわ、橋を落として」
アネー:「魔導機が村に来れば大変なことに」

橋を落とすという村人の話を聞き、話に加わる冒険者達

ネール:「待ってちょうだい」
ガウルン:「ふむ、良いと思うがプリッツちゃんと坊主は向こう側に居るんじゃないか」
ガウルン:「二人が戻ってからには出来んのかね」
アネー:「関係ないわ」

少女たちが戻っていないことを気に掛けるが、
村を優先する決断をするアネー。

ネール:「その魔動機ってどんな感じだった?」
村人A:「え、いやぁ、さっぱりわからないんで・・・」

アネー:「早く、人を集めて」
村人A:「人ですね。」
村人A:「がってん」

状況をいまいち飲み込めずぽかんとするフェリア

アネー:「私も見に行きます」
アネー:「すいません、お客さん」ぺこり
アネー:「今から私は陣頭指揮をとりにいくので」
アネー:「お客様はここでのんびりしてもらえませんか?」

ガウルン:「緊急事態だしな」
フェリア:「大丈夫ですよ。」

アネー:「ばたばたしてすいません」ぺこぺこり
ガウルン:「だが、魔導機となると橋を落とすにしても村人だけではいろいろ危険だと思うぞ」
アネー:「危険ですが・・・」
アネー:「落とさないと、村が壊滅します」
ガウルン:「餅は餅屋で、危険を生業としている我々に任せてみるって手もあるが」
フェリア:「私たちも協力させてもらえませんか?」

アネー:「任せるわけにはいきません」
ネール:「あら、どうして?」
アネー:「この村は貧乏なんです」

フェリア:「宿賃、ということならどうでしょうか?」
ガウルン:「そうだなあ、タダ働きは出来ないが…」
ガウルン:「宿代と美味い飯と帰り道を案内してくれるのなら手伝ってもいいかもな」
ネール:「それにサンドイッチも貰ったしねぇ」

アネー:「宿代ですか」
アネー:「では」

扉開けるアネー

アネー:「魔導機の名前だけでも、見てもらえませんか?」
アネー:「私たちでは、名前すらわかりません」
ガウルン:「とりあえずはまず魔導機の状況を見に行こうか。ネール頼む」
アネー:「はい、案内だけお願いします。」ほっ
ネール:「魔動機の判断は任せてちょうだい。橋を落とすかはそれで判断しましょ」
アネー:「どのみち、橋は落とさないと・・・」
アネー:「とりあえず、ついてきてください」

暴風雨の中、冒険者とアネーは橋へと向かうのだった。
村はずれの渓谷まで近づくと、先ほどの石橋が見える。
そして100mほど離れた対岸に魔導機が動いていることが見えた。
魔導機は2種類居るようで、大きな魔導機の周りを小さな魔導機が守るように進んでいる。
[レンガード3体、ガーウィ1体]

魔導機から逃げようと姉弟が必死に逃げている。
その2人を魔導機が追い詰めているのだった。
暴風雨の中、2人は橋に向かってきている。

フェリア:「あぁ、あぶない!」
アネー:「大変です」
アネー:「橋を早く壊してください」震え声
アネー:「あの2人が橋に来る前に」

雨にずぶ濡れになりながら村人に指示を出すアネー。

村人A:「本当にいいんですか?」
アネー:「かまいません。村が壊滅するより」半泣き

ガウルン:「まあ、落ち着きなよ」
ガウルン:「俺達が足止めするから、その間にあの子たちを橋のこちらに連れてくればなんとかなるだろ」
アネー:「・・・」
ネール:「あの程度ならなんとかなるだろうしね」
アネー:「私を買ってもらえませんか? それで報酬はどうでしょうか?」

自分の身を報酬に捧げようとするアネー

ガウルン:「うーむ、女を買う趣味はないからなあ…よしわかった。」
アネー:「分かっていただけましたか。では契約成立ですね」
アネー:「あの二人を助けてください」涙目

ネール:「報酬として暖かいお風呂とご飯を用意してなさい。あと、若い男もね」
アネー:「えっと」
フェリア:「ネール、最後のはどうなのよ...」
ネール:「ガウルンと眠れなくて寒い夜を過ごすことになりそうだからね」

ガウルン:「とりあえずここは引き受けよう。ただし報酬は後で相談だな」
ガウルン:「ふたりともそれでいいか」
フェリア:「私はいいわよ!」
ネール:「もちろんよ」

村人A:事情を察して
村人A:「はやく、冒険者がた」
村人A:「走ってきてください」

ガウルン:「よし、いっちょやいますかね」(腕をぐるぐる回しながら魔導機へ向かう

無力な少女たちを見殺しには出来ない。
報酬は後回しでまずは脅威の排除に向かう冒険者達だった。

冒険者達が橋までで来ると20人位の村人が集まっている。
そして姉弟が橋を走って来ている。
そのすぐ後ろには魔導機が迫っている!

プリッツ:「はぁ」ガッキーの手を引っ張りながら必死に走っている

ネール:横目で男を物色しつつ横を抜けてく
ガウルン:「俺達が倒れたらすぐ橋は落としてくれ」
ガウルン:「ただ、あの子たちだけはなんとかこちらに連れて来てくれよ」
村人A:「橋を壊すには魔導機が近すぎる」
村人A:「この村の運命を託したぞ」
ガウルン:「まじか、嫌なものを託されたなあ…」

駆け抜け際に村人たちと軽く話、姉弟の元へ急ぐ冒険者達。

プリッツ:「た、助かった」PCの前で立ち止まります。
プリッツ:「あの、わたし今度はちゃんと見せるから、」
プリッツ:「お願いします。」ペコリ
ネール:「ガウルン、また見せてもらえるらしいわよ」にやにや

ガウルン:「今日は災難だな坊主」
ネール:「安心するのはまだ早いわよ。さ、向こうへ行きなさい」
フェリア:「もう大丈夫」

ガッキー:魔導機の方むいて 「おまえのかーちゃんでべーそー」おしりぺんぺん
ガウルン:「お前…俺より度胸があるな…」
フェリア:「はやくしなさいな笑」
ガウルン:「ねえちゃん連れてさっさと向うにいくんだ」

姉弟を村に向かわせ、魔導機に立ちふさがる冒険者達。
嵐の中、橋上での戦いが始まる。

ネールのフィールドプロテクションにより全員に加護がつく。
ネール:「まずは神の加護を与えてあげる」と神に祈り防護の膜を降ろす。

加護を受けたガウルンがレンガードへ斬り込む。
ガウルン:「さーて、いいとこみせますかね」
急所に当たり一撃で火花を散らして爆発する。

【ボンッ】

続いてフェリアがレンガードに殴り掛かる。
連撃でレンガードが潰れる。

【ボンッ】

順調に魔導機を減らす冒険者だったが、
ここでガーウィの両手から放たれる銃弾がガウルンを襲う。

【バララララララ】
【バララララララ】

ガウルン:「ぐあっ」
盾で防ごうとするも貫通して銃弾を浴びてしまい意識を失うガウルン

レンガードがフェリアを攻撃するが、
華麗なステップで避けるフェリア。

避けながらガウルンに注意が向いている内にガーウィに連撃を見舞う。
しかし、ガーウィは二発目を上手くかわす。
フェリア:「ぐう、避けられた」

前衛の二人が魔導機を翻弄している間に祈りを終わらせたネールのフォースが放たれる。
ネール:「ガウルン、お前の暖かさは忘れないよ。これでもくらいな」と神の一撃

衝撃で吹き飛ぶレンガード。

【ボンッ】

ガーウィも火花を散らして動きがぎこちなくなっている。
しかし、片腕の銃弾はまだ残っている。
フェリアに残った銃弾を撃ちこんでくる。

【バララララララ】

フィリアは橋の欄干を飛び跳ねながら銃弾を避ける。
そのままガーウィの上に飛び乗り一撃を喰らわせる。
2撃目を繰りだそうとしたところでガーウィが最後のあがきで暴れだしたので距離をとったところで、

フェリア:「ネール、おいしいところ、もっていきなさい。」
ネール:「あらあら、美味しいとこ分けてくれるんだ」
ガウルン:「ぐうぅ…(悶えてる」

ネールのフォースが再度ガーウィに衝撃を与える。
ガーウィの魔導装甲とフォースが拮抗する。

ネール:「そこで残骸をさらしてちょうだい」
ネールの腕輪が輝き砕け散るとフォースの輝きが強くなり、
豪雨の中、昼のように明るくなった。

【ドォォォォォォォン!】

豪雨の橋の上に静寂が戻る。
そして、村側から歓声がわきあがった。

ネールのアウェイクンにより目を覚ますガウルン
プリッツ:「起きた?」
ガウルン:「あたたたた、やはり戦闘はあまり得意じゃないな」

プリッツが気を使って、ガウルンにひざまくらしている。

プリッツ:「ありがとう、おにいさん」
ガウルン:「プリッツちゃん無事で何より」
ガウルン:「坊主も怪我はないか?」
村人A:「いやー、あんた達つよいなー」
ガッキー:「うん、元気元気」がっつぽーず

ネールのキュア・ウーンズにより鼻血が出るほど回復するガウルン

ガッキー:「はなぢーーーー」www
ガウルン:「よし、これで晩飯にありつけそうだな」
ネール:「他に怪我をした方はいないかしら?」
ガッキー:「はーーい」
ガッキー:「すりむいたーーー」
ガッキー:「ほらほら、手のひら」
ネール:「お姉ちゃんを守った勲章かな?どれどれ……うーん、この位なら洗って放っておきなさい」
ガウルン:「それにしても、なんだって魔導機がこんなところに…」
ガッキー:「けっちーーー」ネールの胸をばいーーんとする
ネール:「それともわたしの体で癒やしてあげようか?」
ネール:ガッキーを抱きとめる
ガウルン:「戻ったら一応ギルドに報告しておくか」
ガッキー:「癒し—ーーーー」
フェリア:「ネール、さすがにガッキーには早いわよ...」

疲れていたか、ガッキーはネールの胸でねてしまう。
ガッキー:「むにゃむにゃ」幸せそう

ネール:「この身体で癒やされなさい……怖かっただろうしね」と頭を撫でて
ガウルン:「まあ、まだ子供だしな。ゆっくり休ませてやろう」
フェリア:ネールを見ながら「あれが、大人の包容力なの...」とつぶやく
ネール:「そりゃまだ手出しはしないわよ……この子が食べごろになるころには私はもういないだろうけどね」

アネーが橋までやってくる。

アネー:「あれ、もう倒したのですか!」
アネー:「早い!!!」
アネー:「私が思っていたより強いんですね」にっこり

ガウルン:「うちのフェリアがちゃちゃっとね」
フェリア:「いえいえ、たいしたことありませんでしたよ」
村人A:「あんた細いのに、つえーなー」
フェリア:「日々の鍛錬の成果よ」
ガウルン:「言っただろう。餅は餅屋だと(ニヤリ」

アネー:「ありがとうございます。妹と弟を助けてもらって」ぺこり
アネー:「さぁ、帰りましょうか」
アネー:「すぐにお風呂を入れますよ」にっこり
アネー:「英雄譚でもゆっくり聞かせてください」
フェリア:「やったー!ちょっと雨で冷え込んできたからはいりたっかたのよね」
ガウルン:「ああ、これで晩飯も作れるだろうしな。嵐もひどくなってきてるしとっとと戻って寝るとしよう」
ネール:「リルズ神は『兄弟愛も大切な愛。そして多数の人の命を守ることも大切な愛』だと説いておりますからね」

プリッツ:「背中ながしてあげようか?」
ガウルンを見ながらもじもじしているプリッツ

ネール:「やったじゃない、若い娘よ」とガッキーを抱きかかえつつ
ガッキー:「ままーー」すやすや
フェリア:「モテモテじゃない笑」
ガウルン:「うーむ、若い子と一緒の風呂は色々問題がありそうだなあ…」

そうしてわいわいと話をしながら冒険者達は村の宿屋に戻り、
あったかいお風呂と、おいしい料理にありつき、
次の冒険に備えるのでした。


END

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