sw2.0のコミュ希望亭wikiです。

プロローグ

これは女性が日ごろの感謝を込めてチョコを渡すためのお話
渡すに至るまでに何があったのか
結果はあえて書かないが、それに至るまでの過程だ

フリューゲルの場合

「さて、溶かして固めるだけでも立派な調理になると噂のチョコレートですが…」
「案外渡す相手多いんですよねー 男性だけでも片手じゃ収まらない人達にお世話になってますから」
山積みになったチョコレートを前に彼女はつぶやく
「最近は女性同士の友チョコなるものもありますからね お店の子たちにもちょっとは用意してあげましょう」
そう言って彼女は鍋に火をかけ、そこへチョコレートをどんどん入れていく
余談だが、チョコレートは湯銭で溶かすもので、火にかけると分離して固まってしまうが、彼女はそんなことは知らないのだ
「あれ?溶けたと思ったら固まってきちゃいましたね」
「冷やし固める手間が減ったと思いましょうか 何か新しい調理法を確立してしまったのでしょう」
その変に固まったチョコを型に流し…いや、置いていく
無理やり形を整えられたチョコを包む手は流石の服飾店オーナーの手際だった
「なんかボロボロになってしまいましたが、ラッピングがかわいいので良しとしましょう」
「さーて、皆さんにお届けするとしましょうか」
そう言って彼女は厨房を後にする 片付けもしないで…

ココーンの場合

「んー」
レシピ本を前にして、彼女は唸っていた
少し凝ったチョコレートも作れる彼女だからこそ、何を作るか悩んでいたのだ
「可愛くハート型だと変かな? でも見た目は大事だよね?」
「見た目を選ばない生チョコなんてのもあるけど… うーん?」
そう言って悩みながらレシピの本を眺める
そんな彼女はとあるページで手を止める
「カップケーキ… 見た目もかわいいしこれかな!」
「可愛いカップも用意しないと あとは飾りも付けれるよね」
「よし、美味しいの作るぞー おー!」
彼女以外誰もいないキッチンで号令をかける
そんな奇妙な気合を入れながら、彼女は用意を始めるのであった
「…飾りにくらいハート付けてもいいよね」

ラパンの場合

「…」
「違いはわかる 違いはわかるんだ」
店で売られているチョコを睨んでかれこれ数十分
チョコの違いは知識で知っているが、実際にどれが美味しいのかと聞かれると解らない彼女は賞品を睨み続けていた
「なんでこんな悩まなきゃなんないんだよもう… だからプレゼントとか苦手なんだよ…」
「大体、女性同士でも渡す文化が最近できたとか訳が分からない ぐぬぬ…」
彼女がこんなにも悩むのは、今自分が面倒を見て見られの人物から事前にチョコを渡しに来ると連絡を受けていたからだ
その人物も彼女がチョコレートを調理できないことを知っているので、別に用意しなくてもよいのだが、ラパンはそれを良しとせず、買うことにしたのだ
「…あいつの好みってそういえば知らなかったな 弁当もバランスが良いし、苦手なものとかないのか?」
多くの知識を持つ彼女も知らないことはまだ多い
特に個人のことはわからないことだらけだ
「あ、そういえば生徒を誘って甘いもの食べに行くって言ってたことがあったな」
「てことは、甘いものは大丈夫だ あいつもまだまだ子供だね」
そう言って店員を呼び、彼女は甘めのチョコレートを購入する
贈られるだけは性に合わない彼女なりのプレゼントである

ポーラの場合

彼女は、イレブンの共用キッチンで鼻歌交じりにチョコを溶かしていた
兄からこの文化を前々から聞かされていた彼女からすれば、この時期にチョコを作るのは恒例行事とも言えた
「兄さんにはちょっと悪い気はしますが、今年はちょっと甘めにしましょうか」
「あまり本を読むときには甘すぎるのは邪魔になりそうですが、今年は渡す子が多いですからね」
毎年チョコを贈る兄と、今年初めて贈る妹分
そんな妹分のためにと、彼女は今年甘いチョコレートにしようと前々から決めていたのだ
「ほんとだったら一緒に作りたかったんですけど、忙しいからって断られちゃいましたけど…」
「ただ作るのが面倒だっただけって可能性ありますよね あの子の場合」
彼女はそう言いながら少し残念そうな顔をする
自分に料理を教えてくれた師である女性は、いつもこういう時に一緒だった
だからこそ妹分とも一緒にと思ったが、どうも彼女は料理はめんどくさいものと言う
「さてと、あとは固めるだけですか」
考えながらも手は止めない、メイド時代から身に着けた技術である
固まるのを待ちながら、彼女は渡す人たちのことを考える
その顔には、笑みがこぼれていた

ティアーレインの場合

「最近はシスターの子たちも凝ったものを渡してきますからね 悩ましいものです」
「ですが、今年はその子たちにも喜んでいただけるようにきちんと用意したものがあります 準備万端であるところを見せるのも大司祭の務めでしょう」
そう言って彼女は、行きつけでもあるケーキ店に足を運ぶ
神殿の近くで美味しいと評判のここに、とある頼みごとをしていたのだ
しばらくすると、台車に箱を乗せて彼女が出てくる
「頼んだ通りの大きいケーキです ケーキにはみんなで幸せを分けるという意味がありますから、こういう時にも合うでしょう」
「それに自分の分も用意できますからね まさに一石二鳥です」
「ただ…多少運ぶときに目立つのが難点ですね 運んでいただくのは気が引けたのですが…今度は運んでもらった方がいいでしょうか」
周りの視線を普段なら気にしない彼女だが、どうしても今日という日は皆気になるのかもしれない
「ですが、運んでもらってはサプライズになりませんね」
「ここはやはり自分で運ぶことも大事です 頼りすぎは司祭の顔が立ちません」
そう言って彼女は神殿への帰り道を慎重に、それでいて急ぐ
今日くらいは神殿でも羽目を外すのだ

マギアの場合

「今日はチョコが一杯売ってるけど、何かあったのかな?」
普段から感覚で生きている彼女からすれば、今日が何の日かすら関係ないことであった
年に一度はそんな日がある程度だが、同僚たちにもチョコを気にする人物がいれば流石に気になるが…
「んー安いわけではないチョコが一杯… 贅沢の日かなぁ?」
「それともチョコレート記念日みたいな日なのかな うーん」
そんな彼女の目に、ビラが写る
「…お世話になっているあの人へ 最高のチョコレートを?」
「もしかして、チョコを贈って労う日?」
思えば彼女は朝から何人かの女性の同僚からチョコを貰っていた
周りを見れば、チョコを買う人物はほとんど女性だ
「もしかして…私も渡す側…?」
「…」
「私も貰うだけじゃないんだからねー!」
そう言って人混みへ彼女は突撃する
果たしてチョコレートは手に入れることができるのだろうか

カロスの場合

「こちらが傭兵団の分で…こっちが…」
お菓子作りが趣味の彼女は、この話を聞いた時から準備を進めていた
今までであれば渡す相手など家族だけだったが、今はお世話になっている人たちが随分と増えた
「これは作るときはコツコツで済みましたが…今日中に渡せるでしょうか」
「ですが、日ごろの感謝を込めて作ったものです 渡し切って見せましょうとも」
一見すれば量産されているようにも見えるが、彼女は渡す人たちそれぞれへの想いを込めている
どこまでもまっすぐなお嬢様なのである
「しかし…」
彼女はとあることに気が付いた
それは彼女ではできない小さなこと
「これ、私だと一度に運べませんね…」
「大きな袋だと形が崩れてしまうかもしれませんし、しばらくは往復しないと」
「…ちょっとした運動ですよね 味見でちょっとチョコを食べすぎている気もしますから!」
あまり身体が丈夫とは言えない彼女だが、それでもお世話になっていることを忘れられない
どこまでもまっすぐなのである

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