まず最初に、田中先生の解説です。
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アメリカの国歌である The Star-Spangled Banner については何度も聴いたことがあると思います。
これは、歌の背景状況がわからなければ内容をとるのがむずかしい歌です。
ここでその背景を簡単に解説しておきます。
作詞は Francis Scott Key で、1814年、英国軍との戦いがその背景です。
そして、Fort McHenry(マクヘンリー要塞)にはためく旗について詠った詩で、
当初、"The Defense of Fort McHenry" というタイトルがついていましたが、
次第に "The Star-Spangled Banner" と呼ばれるようになりました。
この詩を書くにあたって Key が目撃したのは、
メリーランドのボルティモアのChesapeake Bay に停泊していた英国の軍艦から
米軍の要塞であるFort McHenry に向けられた爆撃です。
この詩の構図は、海上に英国軍艦があり、川が大西洋に流れ込むところに要塞があり、
川を越えた要塞に星条旗がはためいている、というものです。
この状況がわからなければ国歌の意味は理解できません。
国歌になったのは1931年(大恐慌のさ中)で、
当時の大統領 Herbert Hoover によって The U.S. National Anthem として正式に認められました。
4つの連(stanza)から成りますが、
実際に国歌斉唱をするときは、ふつう第一連(the first stanza)だけが歌われます。
"The Star-Spangled Banner" の意味
Oh, say, can you see,
by the dawn's early light,
What so proudly we hail'd [hailed]
at the twilight's last gleaming?
これは
「たそがれが終わろうとするときに、
我らが誇らしげに称えたものが、
早朝の明かりを背景にして見えるだろうか」
という内容です。そして、
Whose broad stripes and bright stars,
thro' [through] the perilous fight,
O'er [Over] the ramparts we watched,
were so gallantly streaming?
と続きます。
「その広い縞模様と明るい星たちが、
我らが見張る城壁の上で、
危ない戦いを通して、
今も勇敢にたなびいていたのが?」
という意味合いです。さらに
And the rocket's red glare,
the bombs bursting in air,
gave proof
thro' the night
that our flag was still there.
と続き、
「一晩中、砲弾の赤くまぶしい光と爆弾が炸裂する中でも、
我らが旗はちゃんとそこにとどまっていた」
という意味合いです。そして、
Oh say, does that star-spangled banner yet wave
o'er the land of the free and the home of the brave?
「星条旗はしっかりとはためいているか、
自由の国土、勇者の故郷に」
で第一連は終わります。
第二連、第三連、そして第四連に進むとおぞましい戦闘の状況が描写される内容になっていきます。
全部の歌詞です。4番まであります。
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1.
Oh, say can you see,
by the dawn's early light
What so proudly we hailed
at the twilight's last gleaming?
Whose broad stripes and bright stars,
through the perilous fight.
O'er the ramparts we watched
were so gallantly streaming?
And the rockets' red glare,
the bombs bursting in air,
Gave proof through the night that
our flag was still there,
Oh, say does that star-spangled
banner yet wave.
O'er the land of the free
and the home of the brave!
おお、見えるだろうか、
夜明けの薄明かりの中
我々は誇り高く声高に叫ぶ
危難の中、城壁の上に
雄々しく翻(ひるがえ)る
太き縞に輝く星々を我々は目にした
砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中
我等の旗は夜通し翻っていた
ああ、星条旗はまだたなびいているか?
自由の地 勇者の故郷の上に!
2.
On the shore dimly seen
through the mists of the deep,
Where the foe's haughty host
in dread silence reposes
What is that which the breeze,
o'er the towering steep.
As it fitfully blows,
half conceals, half discloses?
Now it catches the gleam
of the morning's first beam.
In full glory reflected,
now shines on the stream.
'Tis the star-spangled banner,
oh, long may it wave.
O'er the land of the free
and the home of the brave!
濃い霧の岸辺にかすかに見える
恐れおののき息をひそめる敵の軍勢が
切り立つ崖の向こうで
気まぐれに吹く微風に見え隠れする
朝日を受け栄光に満ちて輝きはためく
星条旗よ、長きに渡り翻らん
自由の地 勇者の故郷の上に!
3.
And where is that band
who so vauntingly swore,
That the havoc of war
and the battle's confusion.
A home and a country
shall leave us no more?
Their blood has washed out
their foul footstep's pollution.
No refuge could save
the hireling and slave.
From the terrors of flight
or the gloom of the grave.
And the star-spangled banner in
triumph doth wave.
O'er the land of the free
and the home of the brave!
戦争による破壊と混乱を
自慢げに断言した奴等は何処へ
家も国もこれ以上我々を見捨てはしない
彼等の邪悪な足跡は
彼等自らの血で贖(あがな)われたのだ
敗走の恐怖と死の闇の前では
どんな慰めも傭兵や奴隷達の救いたりえず
勝利の歓喜の中、星条旗は翻る
自由の地 勇者の故郷の上に!
4.
Oh, thus be it ever
when freemen shall stand
Between their loved ones and
wild war's desolution.
Blest with victry and peace,
may the heav'n-rescued land.
Praise the pow'r that hath made
and preserved us a nation.
Then conquer we must
when our cause it is just.
And this be our motto:
"In God is our trust!"
And the star-spangled banner in
triumph shall wave,
O'er the land of the free
and the home of the brave!
愛する者を戦争の荒廃から
絶えず守り続ける国民であれ
天に救われた土地が
勝利と平和で祝福されんことを願わん
国家を創造し守り賜(たも)うた力を讃えよ
肝に銘せよ 我々の大義とモットーは
「我等の信頼は神の中に有る」ということを
勝利の歓喜の中、星条旗は翻る
自由の地 勇者の故郷の上に!
Quizlet で重要単語を確認!!
↓ この映像は
Sing To Learn という所からいただいて来ました。
子供の練習用ビデオなので、私たちにもわかりやすいかと思います。
一緒に歌ってみましょう♪
ここのサイトには九九の歌もあります。英語だと結構、難しいです。(・_・;) ぜひ試してみてください。
それでは、いろいろな「The Star-Spangled Banner」を聴いてみましょう♪
1991年1月27日、
タンパで行われた第25回スーパーボール(ニューヨーク・ジャイアンツ(NFC)対バッファロー・ビルズ(AFC))における
ホイットニー・ヒューストンの熱唱です♪
(38秒から)
この映像を見ていて不思議に思ったことがあり、少し調べてみました。(以下、つららのレポートです。)
何が気になったかと言うと、会場の全体を撮った映像から、おそらくスーパーボールの試合だろうということは想像がついたのですが、
なぜ皆が皆、そろってアメリカ国旗を持っているのか?ということが気になったんです。
普通、応援しているチームの旗とか持ちませんか?
答えはここにありました。
増田隆生氏に聞く!スーパーボウル中継史
以下、その概要です。
・・・・・・・・・・・
アメリカを象徴するスーパーボウルが、中止か延期になる恐れがあった。
それが、第25回のニューヨーク・ジャイアンツ対バッファロー・ビルズ。
湾岸戦争が勃発した直後で、中東ではミサイルが飛び交い、アメリカ本土ではテロの危険が喧伝される中、
スーパーボウル延期とか中止という声が聞こえていた。
ブッシュ大統領が「誰も我々の生活を変えることはできない」という声明を出して開催されたのが、この大会。
ホイットニー・ヒューストンが国歌斉唱をした。
普通なら観客はチームの旗を振るが、このときは星条旗。
有事の際のアメリカ人の星条旗への思いや愛国心はものすごいものがある。
曲の途中ではサウジアラビアでスーパーボウルを見ている兵士たちの映像が映し出され、
最後にブッシュ大統領が「世界平和のために戦っているあなたたちが本当の王者です」とメッセージを送った。
・・・・・・・・・・・
湾岸戦争、そしてホイットニー・ヒューストンの突然の死、といろいろ考えさせられますが、
この時の彼女の歌声は、本当に素晴らしいですね。
字幕付きのをもう1つ。
9歳の女の子が歌ってますが… ホントにこれで最後まで歌えるの?ってドキドキしちゃいます。
もう、歌詞は覚えましたか?(私は全然ダメです。字余りになったり、間に合わなかったり。)
アメリカに行くことなんてないから、覚えなくても大丈夫…?
でも、もしかして日本にいても、コンサートの最中にアメリカ国歌が流れることだって… え、ありえないですか?
そういう場面に、偶然であってしまったという想定で、今日はこの映像を見てください。
起立、脱帽して、ご一緒に斉唱を。(^_^;)
オーケストラのメンバーは、座らないと弾けないチェロとハープ以外のパートは、全員起立して演奏しています。
アメリカ国歌について勉強してきましたが、いろいろ考えさせられることがありました。
これはイギリス側から見れば、まったく違った受けとり方になる歌であり、
アメリカ人にとってもまた、国歌についての考え方もいろいろあるのかな、とも思いました。
そういったことから少し離れて、最後は歌詞のない映像です。
使われている楽器が面白いです。
いかがでしたか?
それでは、また。(^o^)/゛
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