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作者:不明
成立:1100年代
分類:叙事詩
原題:Tristan et Iseut

概要
ケルトの説話を基に作られ、フランスで12世紀に成立した恋愛物語。
騎士トリスタンと妃イズーが媚薬を飲み交わしあった事で、互いに惹かれあいそして死の運命に巻き込まれてゆく様を描く。
19世紀には、ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー氏により楽劇にもなっている。

導入部
 その昔、コーンウォールを治めるマルクという名の王が居た。
 妹君のブランシュフルールは、ローヌア国の王リヴァランに娶られる。
やがてブランシュフルールは子を身籠るが、その子が産まれる前に、リヴァランは戦争により他界してしまう。
更にブランシュフルールもリヴァランの後を追うようにして、出産後に息を引き取るのであった。
孤児になった赤子はトリスタン(悲しみの子)と名づけられ、軍将ロアールに引き取られ騎士として育てられた。
 トリスタンが立派な若者へ成長した頃、彼は災難に巻き込まれてコーンウォールへと辿り着いた。
異国で独り途方に暮れていたところ、通りかかった役人に騎士の振る舞いが認められ、国王のマルクへ仕えるようになる。
 この頃のマルク王と臣下達は、アイルランドの国王から貢物を寄越すように脅され悩んでいた。
間もなくアイルランドからモルオルトと名乗る騎士が、すぐさま子供300人を引き渡すよう催促に現れる。
トリスタンはこの屈強な男に対し、勇敢にも決闘を挑んだ。そして見事に勝利を収める。コーンウォールの民はこの思わぬ出来事に沸いた。
 その一方でアイルランドの人々は悲しみに沈んだ。モルオルトの姪である黄金の髪のイズーも例外ではなかった。
黄金の髪のイズーはモルオルトを殺した騎士を憎み、そしてトリスタンの名を深く心に刻み込んだのである。

登場するドラゴン
ドラゴン
 序盤から登場する。

竜に関する用語
・"竜の舌"
 アイルランドの国民を脅かしたドラゴンの舌。毒汁が滴っている。
 トリスタンこそがドラゴンを斃した騎士であることの証明になった。

参考資料
  • 書籍 岩波書店 Joseph Be'dier編 佐藤 輝夫 訳『トリスタンとイズー物語』

早見表

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【性別】
●Muscular - ♂
●Feminine - ♀
【体表組織】
●Ecaille - 鱗
●Armure - 甲殻
●Fourrures - 毛
【体色】
●Or - 金または黄
●Argent - 銀または白
●Azur - 青
●Gueules - 赤
●Sable - 黒
●Sinople - 緑
●proper -その他

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