*


作者:不明
成立:8世紀頃
分類:英雄叙事詩
原題:Beowulf

概要
最古の英文学作品の1つ。
勇士ベーオウルフ(又はベオウルフ)の長きに渡る怪物退治が唄われる。
オリジナルの文献は既に失われており、残っているものは写本かそれらを合本にしたもののみ。
本来はひとつなぎの作品であるが、学者によって2部、若しくは3部に分割されている。
岩波文庫の文献には叙事詩に関する詳しい解説が巻末に載る。

導入部
デネの国の名君シュルドが死して後、暫くしてヘアルデネ王の息子フローズガールが王位に就いた。
彼は今までに無い豪壮な館を築こうと思い立ち、ヘオロットという名の宮殿を築いた。
完成を祝って日毎夜毎に酒宴が開かれ、人々は大騒ぎをした。是が怪物グレンデルの怒りを招く。
夜な夜なグレンデルは、人里離れた荒野よりヘオロットに襲来しては、眠っていた家臣達を惨殺した。
殺戮は12年間も繰り返され、やがてこの宮殿はグレンデルが占有することとなった。
この所業は海を超えて伝わり、イェーアト族の王の従士ベーオウルフの耳にも届く。
ベーオウルフはグレンデルを討伐するため、14人の精鋭を引き連れ、デネの国を目指して舟を出した。

登場するドラゴン
ドラゴン(Wyrm,Draca)
 終盤に登場する。

竜に関する用語
・"財宝"
 ベーオウルフの竜が守っていた莫大な秘宝。
 もともとは身分の高かった一族の遺産である。
 古人によって人の手に渡らないよう死の呪いがかけられている。
 この呪いから逃れた者はいない。竜でさえも。
・"北欧伝説"
 グレンデルを追い返したベーオウルフを讃えていた時に、フローズガール王の家臣が謳った伝説。
 英雄シィエムンド(Sigemund)が宝を守る竜を独りで退治した事も語られる。
 この竜は鉄の剣に刺し貫かれて死んだ。死骸は己の熱で蕩けたと言う。
 ちなみに、実際は竜を倒したのはシィエムンドに相当するシグムンドではなく、息子のシグルド。

参考資料
  • 書籍 岩波書店 忍足欣四郎 訳『中世イギリス英雄叙事詩 ベーオウルフ』

早見表

検索にお役立てください。

【性別】
●Muscular - ♂
●Feminine - ♀
【体表組織】
●Ecaille - 鱗
●Armure - 甲殻
●Fourrures - 毛
【体色】
●Or - 金または黄
●Argent - 銀または白
●Azur - 青
●Gueules - 赤
●Sable - 黒
●Sinople - 緑
●proper -その他

管理人/副管理人のみ編集できます