茂りし森の奥深く 黒く声なく沼は眠れり

ふゅーじょんぷろだくと『龍神沼』 P9 より


作者:石ノ森 章太郎(イシノモリ ショウタロウ)
発行:1961年
分類:ファンタジー

概要
 日本の萬画家、石ノ森章太郎氏による短編作品。1961年に雑誌『少女倶楽部』に掲載された。
夏の日、少年の研一が片田舎で体験した不思議な出来事を描いた。
同氏はこの作品を描く4年前に、竜神沼の少女?という題名で似た物語を発表している。

導入部
 昨年見逃してしまった龍神祭りを見るために、研一は再び村を訪れた。
村の入口では従妹のユミが出迎えに現れる。去年に比べ、ユミは一段と女の子らしくなっていた。
 暫く進むと、ドンドンとリズム良く太鼓が叩かれる音が聞こえてくる。
聴けば村の若人達は明日に控えた龍神祭りの為に太鼓の練習をしているらしい。
研一はわくわくする気持ちを抑えきれず、ユミを誘って祭りの会場である神社に向かった。
 石段を登り終えると、そこには高く立派なやぐらが組まれていた。その奥には龍神さまの神社が見える。
2人は更に歩を進め龍神沼へと辿りついた。辺りに人影は無く、黒い沼と高い木々、そして静寂だけがあった。
そこで研一はユミからおかしな噂を耳にする。大昔にこの沼の底に潜む龍神を見た人がいるという噂だ。
一笑に付す研一だったが、その笑みは直ぐに引き攣ったものへ変わった。
薄暗い森の中を自分の笑い声が不気味に木霊したからだった。どこまでも。どこまでも。
背筋が寒くなった二人は沼を引き返そうとした。その時、研一は独りで佇む白い着物の女性を目撃する。

登場するドラゴン
?龍神
 物語の終盤でその姿を現す。

竜に関する用語
神楽
 龍神祭りの催し物の一つで、龍の被り物した村人が夜通し踊り明かすというもの。
神社
 村にある龍神さまを祭っている神社。
龍神沼
 村にある黒い沼。沼の底には龍神が眠っていると言われる。
龍神祭り
 毎年の夏に、村で行われているお祭り。
龍の被り物
 龍神さまを模した被り物。
 祭りで使われるもので、1人用のものから複数で被る物まで様々。
 口が開閉する仕掛けが施されたものもある。

参考資料
  • ふゅーじょんぷろだくと 珈琲文庫 14 石ノ森 章太郎 作『龍神沼』

早見表

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【性別】
●Muscular - ♂
●Feminine - ♀
【体表組織】
●Ecaille - 鱗
●Armure - 甲殻
●Fourrures - 毛
【体色】
●Or - 金または黄
●Argent - 銀または白
●Azur - 青
●Gueules - 赤
●Sable - 黒
●Sinople - 緑
●proper -その他

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