「太陽のせいで人を殺した」という内容で世界的に有名な小説。人間社会に存在する不条理についてとことんつきつめて書かれた作品。
母親が死んでも何も感じない、意味不明な理由で人を殺す、死刑になっても弁解さえしないという世の常識や価値観を一切持たない主人公を描いた。
フランスでは『
失われた時を求めて』に並ぶほどの代表的な文学作品であるが、理解しがたい不条理を真っ向から書いたこの小説は奇書・実験的と言って良いだろう。
なお非常に長い『失われた時を求めて』と違ってこの小説はけっこう短く中編ほどしかない。そのためよく読まれ続けていて、この作品に対する論文はとても多い。