最終更新: geiagojeri 2013年12月15日(日) 17:30:57履歴
「……」
「……え?
この感覚…まさか!
ちょっと待って!」
「?」
「……」
(違った…あの子じゃない…でもその姿は…)
「……私に何か用…?」
「あ、ああ
いや…すまない…
知り合いにそっくりな感じがしてな…
つい、声をかけてしまった…」
「知り合いに…?
この部隊には私に似た人間はいなかったと思うけど」
「この部隊の人間ではない…私の身内だ…」
「身内…?
なのに私と間違った…という事は、その人は…もう?」
「ああ、ずっと昔にな…
ありえないのは、分かっているんだが…
……」
(髪と瞳の色が違うけど…やはり似ている…)
「分かってると思うけど、
人違いよ…
モルフの私には…
ニノ以外の身内なんていないのだから…」
「……!
…なるほど…そういう事か…」
「リムステラ…とか言ったか」
「また貴方?
前にも言ったけど…」
「いや、それはいい。もう済んだ事だ。」
「?」
「それより聞きたい事があってな…」
「貴方が…私に…?
ネルガルの事ならば、私も分からない事が多いわ…」
「それも違う…
私が聞きたいのは、お前自身の事だ。」
「私…自身?」
「モルフであるお前は造られた存在なのだろう?」
「…ええ。」
「それは、全部か?
それとも何かベースとなる存在が…?」
「モルフ全体言えば、両方よ。
研究用、あるいは、強いエーギルの持ち主だった場合、
人間をベースに使う事があるわ。」
「……お前は…?」
「私は…前者よ。」
「……そうか。」
「残念だけど…ね。」
「?」
(何故、残念がる必要がある…?)
「私の体は全てネルガルが作り出した物。
もっとも感情は私の物だと、昔教えられたけれど…」
「……
記憶は…造られたのか?」
「記憶…?
いえ…それは…
基本的な物事は、最初から…」
「全てではない…か。
ならばこれまでに、懐かしいと、感じる事はあったか?」
「……懐かしい…?
そんな事を思うはずが…?
…でも…」
「あった…のか?」
「ネルガルと話している時や…
……貴方と話している時に…ね。」