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 1992年のアメリカのコメディ映画。マコーレー・カルキン主演、クリス・コロンバス監督。
 クリスマスの家族旅行から一人取り残された少年が、知恵と工夫をこらして犯罪者に立ち向かう大ヒット映画『ホーム・アローン』の続編にあたる。
 クリスマス映画として現在でも人気が高く、主演のマコーレー・カルキン氏は世紀の名子役ともてはやされた。

 主人公が取り残された場所が第1作目では自宅であるのに対し、本作ではニューヨークのプラザホテル(実在)となっている。
 問題はこのプラザホテルの当時のオーナーが、後のアメリカ大統領ドナルド・J・トランプ氏その人であり、彼がロケ撮影の条件に自身のカメオ出演を取り付けたことである。

 2021年1月現在、ツイッターをはじめとする様々なインターネットサービスから同氏の排除が行われており、アメリカでは「トランプ狩り」が吹き荒れている。
 2021年1月13日、マコーレー・カルキン氏は「『ホーム・アローン2からデジタル処理でトランプを削除し、現在40歳のマコーレー・カルキン氏に置き換えろというネットの「請願」に対し、ツイッター上で“sold(乗った)”と返答した。
  コロンバス監督は本作上映当時を述懐してこう語っている。
不思議なことに、初めて上映したとき、トランプ氏の登場とともに歓声が上がったんだ。そこで私は編集者に“彼は映画の中に残しておいてくれ”と言った。観客のためにね。(BANGER!!!記事より。下引用も同じ)
 また、第一作のリブート製作を批判して、次のようにも述べている。
一体リブート版に何の意味があるんだ?私は『ホーム・アローン』のような長い歴史を持つ映画をリメイクする必要はないと固く信じているよ。同じようなヒットは作れないし、あり得ないことだ。では、なぜリブートをするのか? まるで、ディズニーのアニメ映画をまた絵の具で描いて、それを実写版にするようなものじゃないか。一体何の意味があるんだ? もう終わっている話だろう。自分で考えた作品を作ればいいんだ。 たとえ失敗したとしても、少なくともオリジナルのものができたということになるだろう。

 なお当時から大衆に人気の大富豪であった彼は、同じく大ヒット映画である『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の悪役ビフのモデルともなっており、こちらでは「鼻持ちならない成金野郎」としての側面がクローズアップされている。
 もちろんトランプ氏は米国の最高権力者であった当時にあっても、自分を悪役にした映画の場面を排除させようなどとはしなかった。

 そんなドナルド・J・トランプ氏と、彼の姿を世界のSNSや映画のわずかな映像からさえ消し去ろうと狂奔する反トランプ勢力。
「自由の国」アメリカの名にふさわしいのは、はたしてどちらであろうか。


参考リンク・資料:
監督が告白!トランプ氏が『ホーム・アローン2』に出演した理由
『ホーム・アローン』公開30周年! トランプ大統領のカメオ出演は強引なものだった 監督が当時の逸話を赤裸々告白
マコーレー・カルキン、『ホーム・アローン2』から「あの場面」を消すことに同意

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