『Ceonsoyclopedlia』は、Censor(検閲)にまつわるEncyclopedlia(百科事典)です。旧称『表現規制用語集』。民主主義社会の根幹をなす最重要の「人権」である表現の自由――その規制・弾圧・バッシングにまつわる事例や用語について、あらゆる知識を保存伝達するためのサイトです。

 鷹野隆大氏による写真シリーズ。
 2014年8月1日〜9月28日にかけて愛知県美術館で開催された「これからの写真」展に出展された。
 陰茎の映った「おれと」シリーズは特に一室に集められ、外から不意に目に入ってしまうことのないような「ゾーニング」の配慮もなされていた。また「メイプルソープ裁判」の判決を踏まえ、陰茎が映っているような写真の全体としての割合も抑えたが、会期中に匿名の通報を受けた愛知県警が、まず写真撮影を行い、その3日後に「陰茎が映った写真は違法だから撤去しろ」と県警から連絡があったという。
 検挙されるのは自分ではなく美術館の職員であるため突っぱねることはできないと判断した鷹野氏は、引上げや差替えではなく、指摘を受けたことをアピールする形で展示変更したいと考え、写真中の男性の下半身を布で覆うという判断に踏み切った。

(布で覆われた『おれとwith KJ#2』骰子の眼より)
 結果として男性2人があたかも同衾しているかのような展示となっているが、これは意図的阿もので同美術館の中村史子氏によると「布団」のイメージを明言していたという。この変更はインパクトを残し「平成の【腰巻事件】」と呼ばれた。


参考リンク・資料:
撤去しなければ検挙するといわれ、やむなく展示変更となった愛知県美術館展示について写真家・鷹野隆大さんに聞く
褥としての鷹野隆大《おれとwith KJ#2(2007)》
解放したいのはペニスじゃない。アートで「性」に対する意識の壁を揉みほぐし、拡張する鷹野隆大(たかのりゅうだい) | 表現の不自由時代 05

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