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 2019年3月1日、トヨタ自動車がツイッター上で行ったアンケートの文面。


 驚くべきことに、このアンケートに次のような批判が集まった。
今回の騒動を受けて、ネット上には「『女性=運転苦手、車の構造を分かっていない』という固定概念は確かに気にくわない」「“やっぱり”っていらないでしょ。私は文面見てカチンときた」「男性でも運転が下手な人は多い。女性だから運転が苦手って決めつけないでほしい」といった共感の声が。(レタスクラブ記事より)

 どう読んでも「決めつけて」などいないが、TOYOTAは触らぬ神に祟りなしとばかりに削除・謝罪してしまった。
 むしろ「女性は車の運転が苦手」という先入見を疑っているからこそ、このアンケートがなされたとしか読めないのだが。
 もちろん「女性だが何も感じなかった」などの声も多いという。

“やっぱり”の意味については、「そのようなイメージが社会的にあるが、その通りなのか」という意味合いで使っていると考えるのが最も妥当だろう。というか「決めつけて」いたのなら、このアンケートを取ることそのものと矛盾するからである。
 
 ちなみに削除前に集まった範囲の回答結果であるが、
ツイートには8,000件以上の回答が集まり、午後3時時点で「とても苦手(31%)」「すこし苦手(19%)」「どちらでもない(21%)」「得意(29%)」
 だったそうである。(レタスクラブ記事より)
 筆者がどうしてもこのアンケートに不足を言うなら、得意不得意を公平に算出できるよう「やや得意」を入れるのが公平だったのでは? というきらいはある。とはいえツイッターアンケートの仕様上4択までしか作れないので、その場合は「どちらでもない」を犠牲にすることになるだろう。

 そもそも「とても苦手」「すこし苦手」だけで全体の50%を占めている。「どちらでもない」のうち、得意と断言できるほどではないがある程度の自信はある人もいるのだろうが、それが全員でない限り「苦手」な人の方が多いという結果になったと言えるだろう。
 しかも本当に苦手な人はそもそもこのアンケート対象者である「女性ドライバー」ではないだろうから、実際にはもっと「苦手」よりになるはずである。
 つまり「女性は車の運転が苦手」というのは、それが生来のものかどうかは措いておいて、「やっぱり」ある程度の妥当性はあるという結果になったわけである。
 それなのに「決めつけるなああ!!」とキレているのだから、つくづく救えない人々である。

参考リンク・資料:
「やっぱり女性は運転が苦手?」聞くのも取り下げるのも、なんだかなぁ【岩貞るみこの人道車医】
トヨタ、女性に「やっぱり、運転苦手ですか?」→批判殺到でTwitter削除・謝罪やっぱり女性はクルマの運転が苦手?問題になったツイートについてどう思う?

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