Censoyclopedia：センサイクロペディア

　フェミニストなど自称「反差別」界隈による侮辱や暴言などに注意をし、理性的・穏健な対話を促すこと……に対する、その注意が「悪」だというレッテル。。

　一例を挙げると、タレントの小木博明（おぎやはぎ）氏がフェミニストによる集団抗議を「ピラニア」に例えて批判した際、勝部元気らをフェミニストが、音声SNS「クラブハウス」を用いて、小木氏に対する吊るし上げをおこなった。しかもその中で、小木氏が過去に語った「幼い娘さんを入浴させたエピソード」などを、無理やりに「児童虐待」認定して吊るし上げるということさえしたのである。
　さすがに見かねて批判したのが、時事YouTuberの「たかまつなな」氏であるが、フェミニストの矛先は彼女にも向いた。執拗に「トーンポリシングだ！」とバッシングを行い、謝罪を強要したのである。
　小木氏だけでなく、たかまつなな氏に対しても、その様子たるやまさに「ピラニア」であった。


　なお、冒頭で「侮辱や暴言『など』」と書いたが、それだけにとどまらない。なんと暴動や犯罪に対してすら、いわゆる「被差別者」やその抗議運動者の行為でさえあれば、一切の注意は「トーンポリシング」なのでしてはならないと主張されるのだ。
　冗談ではない。被差別者であろうがなかろうが、無辜の人に対して犯罪をしていいはずがない。

（BLM暴動の報道に対する「トーンポリシング批判」）
　
　さて。
　では、なぜトーンポリシングをしてはいけないというのだろうか？
　それは、暴言や暴力は差別の解消にぜひとも必要なことであって、被差別者が「優しく」差別を訴えても、傲慢で悪辣な差別者たちは相手にしないからだという。

　しかしそれは実証されたことだろうか。
　例えばフェミニズムは、今まで「おとなしく」「優しく」自身の主張を訴えてきたのだろうか？
　その上で「優しく言っても駄目だったから、激しい言葉や行動に切り替えた」のだろうか？
　残念ながら否。
　以下は1970年代、80年代の週刊誌に報道されたフェミニストの表現への抗議の様子である（引用元）。
　昔から彼女らが、現代の【ツイフェミ】となんら変わるところはない調子でクレームを付けてきた様子がうかがえる。
　
（1975年『ヤングレディ』）


（1989年『週刊ポスト』）

「このポスターが『差別だ屈辱だ』女性団体の猛攻と迫力一部始終 狙われたら最後　あなたの職場もいつ、このターゲットに？」

　この記事の煽り文句は、現在も一般の人々が「ツイフェミ」の様子をネット上で見かけた際に抱く感想とほぼ同じであろう。
　もしフェミニストが「優しく言って駄目だったから抗議してる」のであれば、その優しく言っていた時期とは一体いつだったのか？


　もうひとつの問題は「トーンポリシング」を声高に批判する人々は、自分たちが批判された際は平気で相手に対し「トーンポリシング」を行い、自制することはまったくできていないということである。
　フェミニストが何か馬鹿なことを言ったりしたりして批判を浴びると必ずと言っていいほど【モノ言う女は叩かれる】と被害者ぶるという現象はよく知られている。
　事実、彼らは自分達が身びいきする側の攻撃については、それを暴力的なもの（たとえば鉄パイプ）に「喩える」ことさえ許さない。

　
　2019年に開催された、ネット論客の青識亜論氏がフェミニスト石川優実と対談したイベント「これからのフェミニズムを考える白熱討論会」では、青識亜論氏に対するこのようなデマまで流されていた。

　議論の場において論拠ではなく口調を、それも嘘まで用いてバッシングする、これがトーンポリシングでなくてなんであろうか。
　筆者も実際このイベントの観客にいたのだが、青識亜論氏は熱弁こそ振るってはいたものの、威圧していたわけでもなんでもない。そもそも司会者は石川氏に対する威圧や暴言、野次などを防ぐため、石川氏側が選定した親フェミニズムの人物であった。本当にそんなことをしていたら確実に止められていたはずである。

　このようにトーンポリシングとは「反差別界隈」の人々が「自分への批判についてだけ」そう名付けてバッシングに用いる言葉であり、彼ら自身まったくそれを控えることはないのである。