『Ceonsoyclopedlia』は、Censor(検閲)にまつわるEncyclopedlia(百科事典)です。旧称『表現規制用語集』。民主主義社会の根幹をなす最重要の「人権」である表現の自由――その規制・弾圧・バッシングにまつわる事例や用語について、あらゆる知識を保存伝達するためのサイトです。

 「いしきかいいじょうれい」と読む。現代の軽犯罪法の原型で、1872年11月8日に制定、同月13日から施行された東京府違式註違条例が最初。
 取締対象として「春画及び其類の諸器物を販売する者」が挙げられている。
 翌年、司法省が「地方違式註違条例」というモデルを布告したため、全国各地の府県で多少の変更を伴いながらも続々と制定された。

(西村兼文編『京都府違式註違条例図解』1876。春画を見る、艶本を読む展ウェブサイトより)

 現代の軽犯罪法に名残りのある条文もある一方で「婦人の断髪の禁止」などというようなかけ離れた禁令も存在する。
 春画の禁止を定めた個所の条文番号は地方によって異なり、東京では第九条、京都では第十三条になっている。

 いわゆる旧刑法もまだ未制定であった当時、表現を取締るのはこの条例と、出版物の官憲への届出を定めた「出版条例」であった。
 この後、1875年に新聞紙条例が、1880年に旧刑法が制定。そして1907年に旧刑法が現行刑法へと改正されることになる。

参考リンク・資料:
園田寿・臺宏士『エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史』朝日新書
春画を見る、艶本を読む展 4近代における春画の検閲
明治新政府が大真面目に規制した驚くべき○○の数々

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