Androidアプリ開発講座

アプリの処理を大きく分類すると

• 描画処理
• UI(ユーザインターフェース)などのイベント処理
• データ処理(データの読み書き、演算)

があります。

これらの処理を滞りなく動かすことや、処理上関係のある部分について
同期をとることが必要となります。

例えば、次のようなケースが考えられます。

• UIの操作に応じて画面部品の表示を更新する
• データを読み込んで画面表示を行う
• 時間のかかる処理をUI処理と平行して行う

Androidアプリは、「UIなどのイベント処理」と「描画」を１つのメインスレッドで処理します。
ただし１つのメインスレッドで処理する場合、次のような問題が発生します。

• a)１ヶ所でも時間がかかる処理が入ると、全体の動きがとまってしまう
• b)メインスレッド以外のスレッドからの描画方法が必要になる

• UI部品ごとのイベント処理は、５秒以内
  • ５秒を越えると、エラーダイアログが表示される

• 別スレッドから描画処理を実行するとエラーが発生
  • メインスレッドを通じて処理する必要がある
• スレッド間のメッセージ送信を行う仕組みの理解
  • android.osパッケージのLooperクラス、Handlerクラス、Messageクラスの理解が必要

Androidで非同期処理を行うためには、「Handlerクラス」などを使う必要がありますが
AsyncTaskを使えば、それを意識することなく、容易にバックグラウンドで処理を行い
その結果をUIスレッドで表示することができます。

処理の実行が開始される時に使用されます。doInBackground()メソッドの引数です。

バックグラウンド処理の進捗状況を表示するためのonProgressUpdate()メソッドの引数です。

バックグラウンド処理が終了した時に使用されるonPostExecute()メソッドの引数です。

AsyncTaskは、次の４つのメソッドを順に使用し、実行することができます。

• プログレスバーなどのUI部品の準備などに使用

• バックグラウンドで実行されるメソッド
• AsyncTaskのexecute()メソッドの引数は、このメソッドに渡される
• このメソッドの戻り値が、onPostExecute()に渡される
• publishProgress()メソッドを使用することで、onProgressUpdate()を実行

• UIスレッドで実行される
• プログレスバーなどで進捗状況の更新を行う等に利用

• doInBackground()の処理が終了すると、UIスレッドで実行される
• doInBackground()の実行結果を引数として受け取る

• AsyncTaskのインスタンスは、UIスレッドで生成
• AsyncTaskのexecute()メソッドは、UIスレッドで実行
• onPreEcecute()、onPostExecute()、doInBackground()、onProgressUpdate()を手動で実行してはいけない
• AsyncTaskは１回だけ実行可能
  • 同一インスタンスで２回目を実行すると例外が発生

 private class DownloadFilesTask extends AsyncTask<URL, Integer, Long> {
     protected Long doInBackground(URL... urls) {
         int count = urls.length;
         long totalSize = 0;
         for (int i = 0; i < count; i++) {
             totalSize += Downloader.downloadFile(urls[i]);
             publishProgress((int) ((i / (float) count) * 100));
         }
         return totalSize;
     }

     protected void onProgressUpdate(Integer... progress) {
         setProgressPercent(progress[0]);
     }

     protected void onPostExecute(Long result) {
         showDialog("Downloaded " + result + " bytes");
     }
 }

new DownloadFilesTask().execute(url1, url2, url3);