エスペラント語の修正版として開発された人工言語、国際補助語です。

アルファベット

イド語は英語のアルファベットと同じように26文字と、二組の子音群を用います。無音の文字はありません、全ての文字は必ず発音しなければならず、たとえ二つの文字がつながっていても発音されます。それぞれの文字は、他の音と区別される独自の音価を持っているのです。

子音

次の子音文字は、ほぼ英語の発音と同じです。
bdfklmnptvwz
それ以外の子音文字は次のように発音します。
子音文字発音の仕方
c
英語の「bits」の「ts」。「ツァ、ツィ、ツ、ツェ、ツォ」と発音
g
日本語の「ガ」行とほぼ同じ
h
日本語の「ハ」行とほぼ同じ
j
「ジャ、ジ、ジュ、ジェ、ジョ」と発音。シャ行を濁られたもの
r
巻舌のラ。江戸弁の「べらんめ〜」というときの巻舌と似ている
s
「サ、シィ、ス、スェ、ソ」のように発音する
x
「ks」あるいは「gz」 と発音する
y
「ヤ、イ、ユ,イェ、ヨ」と発音する
qu
「kw」と発音する
ch
「チャ、チ、チュ、チェ、チョ」と発音
sh
「シャ、シ、シュ、シェ、ショ」と発音

母音

子音文字発音の仕方
a
日本語の「ア」とほぼ同じ発音
e
日本語の「エ」とほぼ同じ発音
i
日本語の「イ」とほぼ同じだが、「i」の後に他の母音があるとき、多少渡り音が入る。
u
日本語の「ウ」よりはっきりと発音
o
日本語の「オ」とほぼ同じ発音
注意すること
  1. 母音の発音の長さには多少の変動の幅はありますが、長過ぎず短すぎずに発音します。
  2. 長すぎる「ア」は避けましょう。
  3. 曖昧な「エ」の発音は避けること。また「y」や「ee」音を加えてはいけません。
  4. イド語の「i」音を、「eey」のような音にしてはいけません。
  5. 「o」音は、英語のように「oo」や「wo」となってはいけません。
  6. 「u」音は、英語のように「ユ」音になってはいけません。注意深く「ウ」と発音します。
  7. それぞれの母音は明確に発音すること。英語にように曖昧な母音となってはいけません。

二重母音

二重母音は二つの母音の組み合わせからなる母音です。イド語には二種類の単純な二重母音があります。
二重母音発音の仕方
au
「ア」と「ウ」からなる音で「アゥ」と発音
eu
「エ」と「ウ」からなる音で「エゥ」と発音
注意
母音の前の「u」音は、「w」のような音になる傾向があります。例えば、「linguo」[リングォ]
母音の前の「i」音は、「y」のような音になる傾向があります。例えば、「pekunio」[ペクーニョ]
他の母音は、分離して発音しなければなりません。すなわち、「ai」は、「アイ」であり、「ae」は「アエ」となります。

アクセント

全ての英語の単語には強勢音節がすくなくともひとつありますが、どの音節にアクセントをおくかについてのはっきりした規則はありせん。どの音節でも可能なのです。
イド語では、一つの例外を除いて単純な規則があります。
すなわち「アクセントは常に最後の音節から2つ目の音節に置く」のです。
hun'do[HUN-do], ka'to[KA-to], lin'guo[LIN-gwo], fami'lio [fa-MI-lyo], akade'mio [a-ka-DE-myo]
例外として、動詞の不定詞の場合(語尾「-ar, -or, -ir」で区別可能)には、明確に話すようにするため最後の音節にアクセントがあります。
pozar'[po-ZAr], drinkar'[drin-KAR], drinkor'[drin-KOR], drinkir'[drin-KIR], donar'[do-NAR], donor'[do-NOR], donir'[do-NIR].
amar'[a-MAR], kredir'[kre-DIR], finor'[fi-NOR], ama'ta[a-MA-ta], kredi'ta[kre-DI-ta], fino'ta[fi-NO-ta], espere'ble[es-pe-RE-ble], facin'da[fa-CIN-da], jo'yo[JO-yo], boa'o[bo-A-o], muze'o[mu-ZE-o], hero'o[he-RO-o], di'o[DI-o], du'o[DU-o], fo'lio [FO-lyo], li'lio [LI-lyo], men'tio [MEN-tyo], Ita'lia [i-TA-lya] a'quo [A-qwo], lin'guo [LIN-gwo], por'tuo [PORR-two], re'vuo [RE-vwo]

発音の練習

本文Ka vu ja lernas la nova lin'guo internaciona?
強勢表ka vu ja LERR-nas la NO-va LIN-gwo in-terr-na-ci-O-na
もう、新しい国際言語を勉強していますか?
本文Me komencis studiar olu ante kelka dii,
強勢表me ko-MEN-cis stu-DYARR O-lu AN-te KEL-ka DI-i
私はそれを数日前から勉強し始めました。
本文e me trovas ke olu esas vere tre faci'la.
強勢表e me TRO-vas ke O-lu ES-as VE-re tre fa-CI-la
そして、私はこれが本当にとても易しいと気づきました。
本文Omna-die me lektas texto dum un horo;
強勢表OM-na-DI-e me LEK-tas TEX-to dum un HO-ro
毎日、私は一時間の間、テキストを読んでいます。
本文me sempre lekttas laute.
強勢表me SEM-pre LEK-tas LAW-te
いつでも私は大きな声で読んでいるのです。
[LAw-te], never laU-te!, au being a diphthong.]
本文Ka vu komprenas to?
強勢表OM-na-DI-e me LEK-tas TEX-to dum un HO-ro
あなたはこの文章が分かりますか?

イド語アルファベットの名称

ABCDEFG
abecedeefege
アーベーツェーデーエーエフゲー
HIJKLMN
heijekelemene
へーイージェーケーレーメーネー
OPQRSTU
opequereseteu
オーペークゥエーれ〜セーテーウー
VWXYZ
vewexeyeze
ヴェーゥエークセーィエーゼー

さあ、始めましょう!

「学ぶのに年をとりすぎていることも、若すぎるということもありません」
この本の中では、義務的な「解答付き練習問題」をやる必要はありせん。それは、おびただしく多くの、うんざりするような練習問題を使って数学を学習する時の方法です。同じ方法ではいくら効果的に言語を学ぼうとしても言語を学びきれるものではありません。
Por ke ni povez balde parolar Ido, oportas ke ni tre ofte lektez laute.
はやくイド語を話せるようになるために、声を出して読むことが必要なのです。
できる限り多くの回数、声を出して、講座のすべてのイド語文章を読んで下さい!
一日一課を勉強すれば、このすばらしい言語をマスターするのに十分でしょう。
ドイツの考古学者ハインリッヒ・シュリーマンが立証したように、できるだけ多く声を出して読むことは新たな言語を学ぶための王道です。
Maxim bone onu lernas linguo, se onu lektas olu laute tam ofte kam posibla.
できるだけ多くの回数、声を出してこれを読めば、もっとも上手に言語を学べます。

イド語の非公式的な世界

イド語のアルファベットの現実的な呼称は次のとおりです。
ABCChDEFGHI
abecechedeeefgehashi
アーベーツェーチェーデーエーエフゲーハッシュイー
JKLMNOPQR
jekeelemenopequeere
ジェーケーエルエムエンオーペークェーエーれ
SShTUVWXYZ
essheteuevweexeyeze
エスシェーテーウーエヴェゥエーエクセィエーゼー
ヨーロッパ人の中には「bとv」、「vとw」、「sとz」、「sとsh」の発音の区別ができない人もいます。また、ローマ帝国の末裔たちも「h」をうまく発音できません。
「H」は、イタリア語やスペイン語やポルトガル語などでは「無音」の記号です。
加えて、日本人には「bとv」、「lとr」の区別はつきません。
ですから、「be/ev」「ev/we」「el/ere」「es/ze」「ハッシュ」を使えば都合がいいのです。

ハインリッヒ・シュリーマン(1822−1890)

シュリーマンは言語学習のコツを発見しなかったとしたら、あのような地位に生涯、留まることはなかったと思います。彼は、英語やドイツ語やフランス語を独学しました。その後も、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語を学んだのです。それらの言語の知識のおかげ、貿易会社でよい地位を得ることができました。ロシア語を学び、1846年にはペテスベルクの支社に移動したのです。そこで、インディゴ染料取引で自らの財産を作りながら、雇い主の事業を拡大したのでした。

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