【美男×NANA】Funny Date03*エロなし

2011/12/03(土) 00:05:53.29 ID:DJZBQuOY

まるで逃げるみたいに店を後にした。
「あーん、怖かった〜!」
バレたらどうしようかと思っちゃったとNANAが少し弱気になる。
「もう心臓バクバクよ!」
「俺もだよ…」
NANAと同じように動悸がなかなかおさまらない中、今度は突然携帯が鳴り出して飛び上がるほど驚いた。
「よ〜美男!今どこだ?表参道?すぐに行くからちょっと待ってろよ」
…馬淵さん、心臓に悪いよ…。

大通りから少し離れた人通りの少ない道で10分ほど待っていると、馬淵の車がやってきた。
車から降りた馬淵が美男の姿を見て興奮したような声を上げる。
「ぅわお!美子だっ!美子じゃないか〜!」
美男の周りをグルグル回りながらあちこちを見回して、むやみに関心しているようだ。
「いや〜、見事に化けたな!これならどこから見ても男だなんてバレないだろ?!」
「シッ!馬淵さん声デカいよ!」
「おーっと、悪い悪い。まあとりあえず乗れよ」
馬淵はトランクに荷物を詰め込み、いや〜お前らよく買い込んだな〜、なんて妙に関心しながら運転席に座る。
そしてバッグの中から取り出したチケットを後ろの2人に差し出した。
「デートの定番っていったら遊園地だろ!どうだ?行ってみるか?」
「NANA、どうかな?」
「行きたい!遊園地なんて久しぶりよ!」
NANAの表情がパッと明るくなった。
「よーし、決まりだな。このまま送ってってやるよ」

高速道路を走りながら馬淵が冗談を言って車内を盛り上げる。
しばらくすると後部座席からの笑い声が消え、馬淵がバックミラーを覗くと2人は手を繋いだまま肩を寄せ合って静かに目を閉じていた。
「こいつら、毎日忙しくて大変だもんな…」
目が覚めたら、思いっきり楽しんでこいよ。
馬淵は2人が目を覚まさないように、できるだけ静かに車を走らせた。


「美男、着いたぞ。起きろ」
トントンと肩を叩かれる刺激で目が覚めた。
後部座席のドアから馬淵が上半身だけをのぞかせている。
ふぁ〜、と軽く欠伸をしてから隣を見るとNANAはまだ小さな寝息を立てている。
「ちょっと話いいか?」
馬淵に呼ばれ、まだ夢の中にいるNANAを起こさないようにそっとドアを閉じて外に出た。


「美男、今夜はどうするんだ?」
「え?NANAんとこに泊まるつもりだけど」
「まったく、せっかくのデートだってのにムードのかけらも無いやつだな〜」
やれやれ、と馬淵が呆れた顔をする。
「ほら、これやるよ」
差し出されたのは遊園地のすぐ隣にあるホテルのカードキーだった。
「どうせそんなことだと思って部屋を予約してある。今夜は2人でゆっくり過ごせ」
そっか、そうだよな…。
いつもみたいにNANAの所に行けばいいやなんて軽い気持ちでいたことを反省する。
「ごめん馬淵さん…ありがとう」
「お礼なら俺じゃなくてRINAに言うんだな」
「え?」
「お前は妙に鈍感なところがあって、女心が全然わかってないんだとさ」

馬淵は先日、RINAに呼び出されて強く言われたらしい。
『このデートがNANAにとってどれだけ特別なもので、どんなに楽しみにしてるか知ってる?
デートって雰囲気も大切なの。ロマンチックな場所でドキドキしたいのよ!
でもあの子、そんなの全然分かってないでしょ。
NANAはね、美男と一緒ならどこでもいいなんて健気なこと言っちゃって、もうホントに可愛いの。
でもそれじゃダメなのよ〜!わかる?
NANAの笑顔が見たいなら、もっといろいろ考えなさいって言ってやって。
美男のことはアンタの仕事よ。しっかり教えてあげなさいよっ!』
…とまあ、こういうわけだとか。
「俺に言うなよって思ったけどな。でもRINAの言うとおりだろ?次からは自分で考えるんだぞ」
「…そうだね、了解。がんばるよ」

「ところでさ…」
馬淵は辺りをキョロキョロと見回して誰もいないのを確認すると、美男の肩に手を回して内緒話を始めた。
「なあ、もちろんアレは持ってきてるんだろうな?」
「あれって……あっ!」
しまった、と愕然とする。
「やばいよ馬淵さん。俺、NANAんちに箱ごと置きっぱなし…」
「バカ!何やってんだよ〜!NANAちゃんにもしものことがあったらどーする?!」
「馬淵さんお願い!コンビニかどこかで買ってきてくれないかな…?」
「お前、美子の顔でそんなおねだりするなよ〜!ドキドキするじゃないか!」
どうしよう…さすがにこのカッコじゃあんなもの買いに行けないし…まずい…やばい…。
わかりやすく慌てる美男を見て、馬淵はとうとう笑いを堪えきれなくなった。
「ガハハーッ!お前をからかうとおたおたするから面白いって、本当に柊が言ってたとおりだな!」
「え〜?!ひどいよ馬淵さん!」
赤面する美男に、馬淵がジャケットの内ポケットから小さな紙袋を取り出して見せた。
「ほれ、これは男心のわかる俺からだ。今夜はいい夢見ろよ〜!」
馬淵がにやけた顔で美男の背中をポンポンと叩く。
「長い夜もこれで安心…って、何かのCMみたいだな。わははっ」
最後の冗談に苦笑しながら、馬淵から紙袋を受け取りありがとうと感謝した。


思ったより話が長引いたせいで、車に戻ると目を覚ましたNANAが不機嫌な顔で待っていた。
「美男のバカ!もう、どこに行ってたのよ!気付いたら誰もいないし、電話しても美男の携帯ここにあるし…」
隣に座ると、NANAがぎゅっと腕にしがみついてくる。
言葉では強がっているけれど、きっと不安だったんだろう。
「NANAちゃんごめんっ!俺が美男連れ出したから…」
あわてて謝る馬淵を美男が遮った。
「違う、悪いのは俺だよ。NANA、1人にしてごめん」
「もうやだ。美男なんて嫌い」
NANAは口を尖らせて、目を逸らしたまま合わそうとしてくれなかった。
「困ったな…。機嫌直してよNANA。これからはずっと側にいるからさ、ねっ?」
お願いだからと手を合わせて必死に頼み込んだら、NANAがようやく口を開いてくれた。
「…じゃあ、キスしてくれたら許してあげる」
えっ?それでいいの?
可愛すぎるNANAの答えに美男の口元が自然と緩む。
こんな謝り方ならいつだって大歓迎だ。
「わかったよ。だったらもう俺のこと、ちゃんと見てほしいんだけどな」
美男はNANAの方に向き直り、彼女の頬を両手で優しく挟んで逃げ場をなくした。
「あ…」
少し恥ずかしそうに目を伏せるNANAの顔をクッと上に持ち上げる。
下から覗き込むようにして視線を合わせ、そのままゆっくりと顔を引き寄せた。
NANAは目を閉じ、唇を軽く開いて甘い瞬間を待ち構える。

ちゅっ。
額に軽くキスをした。

「………え〜っ?!」
期待を裏切られたNANAが不満そうな顔をする。
いままでに見たことのない表情が面白くて、ますますからかいたくなった。
「ほら、キスしたよ。これで許してくれるよね?ねっ?」
「んもぅ、ひっど〜い!美男のバカっ!」
ヘラヘラした態度が気にくわなくて、NANAが美男の腕や胸元をバシバシと叩く。
「いててっ。NANAごめ…ぃてっ」
ちょっ、グーパンチはやめて。
「あーもうホントごめん。これで許して」
NANAの手首を掴んで動きを止め、今度はまっすぐに唇を奪った。
チュッと音を立てながら柔らかい唇を味わっていると、さっきまで抵抗していた身体が脱力していく。
なんだか少しずつその気になってしまって、NANAの胸に手を伸ばした。
「ぁん…」
その豊かなふくらみを手のひらで包んでやんわりと揉みしだくと、切なそうな声が聞こえてきた。
髪をそっとかきあげて耳元に息を吹きかけるとNANAが身体をぴくっと震……
「わーーーーーっ!2人ともそこまでっ!」
「うわっ!」「きゃっ!」

馬淵の顔が真っ赤になっていた。





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