2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の被災者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。必要な情報をまとめることにより、少しでも役に立てば幸いです。

水道水への対応指針

水道水の放射能汚染について、各自治体や病院、学会からそれぞれ指針が示されています。
基本的には、現在の放射能のレベルでは、健康を害することがないので、気にせずに水道水で水分摂取をしてくださいという内容です。
妊婦や乳児がいる家庭では、影響がないと言われても安心ができないものかと思われますので、ミネラルウォーターが入手できるようであれば、そちらを使えば良いと思います。
気にしすぎて精神的なストレスを抱えたり、水分摂取を怠ることのないようにしましょう。

自治体、学会、専門家からの発表

 東京都によるQ&Aです(3/24)
 日本小児科学会、日本周産期・新生児医学会、日本未熟児新生児学の3学会が共同見解を出しました(3/25)
 日本産科婦人科学会からの案内です(3/24)
 日本医学放射線学会の見解です(3/24)
 TVで解説されることも多い中川恵一准教授が率いる東大病院チームで、現在最も信頼できる情報と思われます(3/17)
 東大病院放射線治療チームのTwitterアカウント 実験結果も公表しています (3/15)
 カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)物理学科 Ben Monreal 教授 による放射能の解説です

東京都の水道水の放射能測定結果について

検査日金町浄水場朝霞浄水場小作浄水場
3/27不検出27不検出
3/263448不検出
3/255176不検出
3/247948不検出
3/23210不検出32

放射性ヨウ素の影響

ヨウ素の特性
放射性物質というのは、いろいろな種類があるのですが、
今回検出されたのは、ヨウ素131という揮発性が高い放射性物質。
揮発性が高いから、200km以上離れた東京の浄水場まで飛んでこれたのでしょうか。
雨になってやってきたのか、ルートは特定できてません。

このヨウ素131は、揮発性が高いので、煮沸で除去できるという噂もありますが間違いのようです。
ヨウ素131の沸点は183℃なので、むしろ濃度が高まるようです。
逆にその差を利用して蒸留して除去が可能ですが、家庭では難しいです。
家庭用の浄水器では取り除けません。

また、半減期が8日間なので、8日間でヨウ素は半分に減ります。
80日間で、1000分の1まで減るということです。
ゆえに、原発が落ち着けば、東京の水もすぐに元に戻るということです。

報道された茨城のホウレンソウには、ヨウ素以外にセシウムも含まれます。
セシウムは半減期が30年と長く、ヨウ素より厄介ですが、
今回の東京都の水道水にはセシウムは検出されていません。
ヨウ素の濃度
ヨウ素の濃度については、以下のような基準があります。

 乳児 100Bq/kg (食品衛生法)
 大人 300Bq/kg (原子力安全委員会指定)

今回(3月23日)東京23区などに水道水を供給している葛飾区の金町浄水場では、
210Bq/kgが検出されました。
これは乳児の基準値を超えるものだが、乳児以外では問題がないレベルです。

元々この基準値自体も相当厳しいもので、
また何年間も継続して摂取した場合に問題が発生するかもしれない
といった基準なのです。

ちなみに、健康に良いとされるラドン温泉は200Bq/kgくらいは普通にありますが、
数マイクロシーベルト程度の放射線の吸収は体に良いとして、療養に人気がありますね。
人体への影響
上記のBq(ベクレル)というのは、放射性物質をどれくらい含んでいるかを示す単位です。
一方で、Sv(シーベルト)というのは、人間がどれくらい放射線を吸収(被爆)したかを示します。

今回検出された210Bq/kgの濃度の水道水を毎日1リットル飲み続けても
1年間で高々1ミリSv程度にしかなりません。
これは、まったくといっていいほど影響がない数値です。
乳児への影響
放射線は細胞の遺伝子(DNA)を傷つけます。
ある程度は修復可能ですが、
細胞分裂が活発な胎児・乳幼児には大きな影響があります。
成人・老人に比べて多大な影響です。

また、授乳中の母親がヨウ素を摂取すると、
その4分の1が母乳へ移行すると言われています。
※まったく移行しないという人もいます
シーベルト
以下に放射線の量(単位はミリシーベルト)の目安を示します。

5,000 mSv 致死量
1,000 mSv やや危険 吐き気など
  500 mSv リンパに影響
  100 mSv 人体に影響がある可能性 ← 東電の社員はこれくらい被爆しています!
   30 mSv ハイパーレスキュー隊の放水作業時の基準値
    5 mSv CTスキャン1回、キャビンアテンダントの1年間の被爆量
   0.2 mSv 東京−NY間の航空機1往復、胸部X線撮影1回

これを見ても今回の水道水を飲み続けても人体に影響がないことがわかるでしょう。
今回の水道水が気になる方は、今後飛行機にも乗らないことをおススメします。
また、タバコより発ガンの可能性は低いです。

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