2012年4月30日発行
第52回(2011年度第3回)研究会
初国際総合研究学会の第53回(2011年度4回)研究会は2012年3月11日(日)午後2時から桜美林大学PFCキャンパス304教室において開催された。
開会に先立ち平田光弘本学会会長のご発議により,昨年の東日本大震災の犠牲者に哀悼の意を表して1分間の黙とうが奉げられた。
本学会の3月の研究会はこうして幕を開けた。まだまだ肌寒さが残るなか会員,発表者を含め25名余が参集した。
今回も発表者3名による研究発表ならびに質疑が行われ,熱のこもった発表,それぞれの専門分野に基づいた質問,意見,感想などが交わされ充実した意見交換の場となった。
多くの熱のこもった議論が展開され閉会は予定より若干遅れて5時過ぎとなった。
第1報告は全米取締役協会会員,元日立化成工業株式会社副社長の佐藤剛氏による数年前に起こった金融危機がアメリカのコーポレート・ガバナンスにいかなる影響を与えたかについての発表で始まった。
最近企業のガバナンスをめぐる問題がクローズアップされるなか佐藤氏の発表は日米企業におけるガバナンスの問題を取り上げたものとなった。
日米企業のガバナンスが比較され,日本企業のガバナンスあり方について独立性をもった社外取締役の迎え入れがぜひとも必要との見解が示された。フロアからは意見質問など5件が出された。
第2報告は桜美林大学大学院生の遅暁潔氏の中国における日系企業の人事評価・賃金制度の比較研究であった。単独で在中国日系企業を訪問し収集した資料を基に発表した。
詳細なデータに基づいた発表内容は説得力のあるものとなった。また単独で企業訪問し詳細なデータを入手したことに対して称賛の声が聞かれた。
フロアから質問意見5件が出された。事例の分析において共通点,相違点の比較がない,比較研究の場合比較事項を整理したほうがよいのではないかという積極的な提案などがなされた。
第3報告は芝浦工業大学特任教授の横山悠氏による,国内の元気・活力をいかに起爆させるか,という内容の発表であった。日本を元気にさせるにはまず大都市の活性化が鍵になり,総合的な動きが必要であり縦割りではうまく機能しないなどの大変興味深い内容となった。
横浜市をモデルに取り上げた内容であり,具体的で身近な問題提起にフロアから意見質問など3件が出た。
防災面への言及もあり,今日的な課題に対する発表者の見解が述べられた。