ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

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「あー!普通の女の子に、なりたーい!!」

*基本情報
【氏名】マキュラ・アンシエンテンス
【性別】女
【年齢】16歳
【出身】孤児院『アンシエント』育ち、マリウスレッジ家生まれ
【身長・体重】159cm・38kg
【外見・容姿】コートを羽織ったミニスカート姿で大きな鞄を背負った少女。
【属性】中立・善
【魔術属性】水
【魔術回路】質:A 量:B 編成:正常
【起源】『羨望』


[[&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/uWzJLKXQOL-s.png)>https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/uWzJLKXQOL.png]]
少年少女好き?https://picrew.me/image_maker/46940様で作成
全体絵
[[&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/5sjxq8bVC_-s.jpeg)>https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/5sjxq8bVC_.jpeg]]
真壁吾郎様に依頼させていただきました
CV:秋野かえで様
&audio(https://image02.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/6l4Q1ilwf4.wav)

[+]‼️ちょっとえっち
&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/36ae25a061c42937.png)
&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/b63b9da20e291418.png)
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&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/b63b9da20e291418-s.png)
[END]

*魔術・特殊技能・特性など
**『&ruby(マレフィック・コントラクト){魔女の大釜}』
マリウスレッジ家の女性特有の特性で、彼女の身体そのものに宿された異物。
『願望の大釜』をマリウスレッジ家なりに造り出そうとしたもの。
マリウスレッジ家の女性は(正確に言えば、マリウスレッジ家の男性の血を継ぐ女性は)元来、自身の魔術特性を理解することなく、無意識に魔力を行使できる特性を持っていた。
とはいえこれでは単純に危険な子供が生まれるというだけ。その魔力をコントロールする術がなく、幼いうちに自滅する。
しかも魔術知識を教えた場合その特性は失われ、平々凡々な魔術師の子供となってしまう。
この"呪い"をなにか、活かすことはできないのか。
そこで造り出された礼装が、『&ruby(マレフィック・グリード){魔女の口づけ}』。
産まれた赤子に「種」のような礼装を飲ませることで、まず、『何もするな』と強く心に刻み付ける。
こうして生まれるのが、幼いながらも人形のように静かな赤子。このままではもちろん死ぬ。
だが、その上で。死に瀕した赤子はそれでも生きたいと望む。願う。こうして願われた時、『&ruby(マレフィック・グリード){魔女の口づけ}』は発芽する。
段階的な魔術行使の解除。はじめての魔術により赤子はぎりぎりで生き延びる。
こうして幼子を母体に魔力の出力を『心からの願い』に限定するものとして生み出されるのが『&ruby(マレフィック・コントラクト){魔女の大釜}』である。
いわばセーフティであるが、同時に『心からの願い』が『実現』すると認識させる役割もある。

自身が『変化先に対応できる器』と認識したものに『心の底からの願い』を込めることで、その器を願いに応じたものに変化させることができる。
変化先は通常の物品や礼装だけでなく、一時の幸運といった、概念的な強化効果まで。
錬金術等の応用…と思われるが、彼女自身は自分が魔術を行使しているとは認識していない。そういう教育を受けたから。
また、願いの正確性や必死さによって成就した変化の持続時間、強度は変わる。
ちなみに発動には本当に『心の底からの願い』を込めなければいけないので、後述のようにおもいっきり叫ぶ。



''「ああ!もう!またか!平和な日常を護るため、今日もボクは自分のために戦います!そろそろそんな歳でもないけど!''
''いくよ!グル!&size(17){魔法少女に、なりたーーーい!!!!『&ruby(マレフィック・ドーンアウト){夢幻変身!魂より叫び現れる者!}』!}」''

**『&ruby(マレフィック・ドーンアウト){夢幻変身!魂より叫び現れる者!}』
まず後述の礼装『グル』を器として(彼女的には魔法少女の変身アイテムとして)認識することで、グルが彼女の周りを高速で輪のように飛び回る。それによって自身の身体を纏うコートを『コスチューム』へと変化させることから始まる彼女の"魔法"。
その実態は彼女が幼少期にあこがれた魔法少女への変身。コスチュームを纏うことに呼応して自身の身体を『器』とし、身体そのものを『魔法少女』へと変化させる。
彼女はマリウスレッジ家からの追っ手に相手を知らずして追われており、平穏を取り戻すためにこの戦闘形態に移行する。
全体的な身体能力を向上させ、並のサーヴァント相手に食らいつけるくらいの能力を得る、願望器としての彼女の真骨頂。
ここまでの能力を得られるのは、彼女がそれほどまでに『魔法少女になりたい』と何度も願い、根底にしみついてしまったから。
彼女の受けたはずの思想教育を、塗りつぶすほどの願いだったから。
結果的にこの願いが彼女のすべてを変え、平穏な日常を得させた。
[+]デザイン:素敵な手描き「」ゲミヤ
&ref(https://image01.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/37ac737db726be25.png)
普段着のコートが肉の被膜に変質して装束に変質してるイメージで
モチーフは器と弾倉と歯や目や骨などの人体です
マスコットのグルちゃんは犬猫の継ぎ接ぎ
とのことです!かわいい!
[END]


''&size(22){「死んでくれ。『&ruby(マレフィック・ディスペア){絶無の巨砲}』。」}''


**『&ruby(マレフィック・ディスペア){絶無の巨砲}』
彼女の奥の手。『&ruby(マレフィック・ドーンアウト){夢幻変身!魂より叫び現れる者!}』で立ち向かっても、現状をどうしようもないと認識し、彼女の心が絶望で塗りつぶされた時。
殺意という名の願いが彼女を満たし、発動する。
彼女の全身が巨大な肉塊の大砲へと変容し、その砲塔から"願いの奔流"とでもいうべき黒い光線が放たれる。願い。呪い。全てが敵を覆う。
直接的な攻撃力もさることながら、『死を願う』ことにより受ける相手は精神を汚染され、無抵抗で受けざるをえなくなる。
発動後はばったり倒れてしまう。
[+]死んでくれキャノンの素晴らしい手描きを頂いた
&ref(https://image02.seesaawiki.jp/k/a/kagemiya/0d09bc19cf2d360d.png)
[END]


*礼装・装備など
**『グル』
彼女が野生動物の死体を器に『友達が欲しい』と心から願った結果、生み出された礼装。不思議な四足の小動物の姿をしている。
言葉は発しないが、彼女とは意思疎通ができる様子。
かなりすばしっこく、こちらを先に攻撃するという手段は難しい。

**各種グラス・コップ
彼女が鞄に詰め込んでいる『器』。
主にプラスチック・陶器・銀の三種で、器として認識するのに万能であるため持ち歩いている。
右から順に強く、貴重。銀はできるだけ再利用したいのが本音である。

*人物像・来歴・解説など
マリウスレッジ家の家系にある…のだがこの家は少々特殊である。家系の存続は男の役割にとどめ、
女の赤子が生まれた場合、『&ruby(マレフィック・コントラクト){魔女の大釜}』を植え付けた後専用の教育をするよう伝え養子か孤児院に放逐する。
専用の教育。それは『聖杯』についての歪んだ価値観の構成。『聖杯という人間がいて、その人は世界に選ばれたすごい人物なのだ』『聖杯であるひとは、願いを叶えられるのだ』と。
この思想を植え付けられ、『&ruby(マレフィック・コントラクト){魔女の大釜}』を植え付けられたその子供が『たまたま』願いを叶えてしまえば。
その子供は自己を不思議な奇蹟の力を持つ救世主、『聖杯』であると認識し、そうあろうと望む。望むことにより、更に自己を"そう"変化させる。そしてその特性は研ぎ澄まされる。
こうして願いを叶える力が十全に発達した子供は、魔術を知らずして魔力を行使し、願いを叶える『聖杯』であると自己を完成させる。そう願えばそうなる。
そしてマリウスレッジ家はそうなった、"大釜"として完成した子供を刺客を差し向け回収する。
その肉体は、すでに変質しており。その精神は、自分は願いを叶えられると信じている。マリウスレッジ家に生まれる『無能の願望器』は、このような工夫の末に『二能』程度にはなる。
『二能』となった子供の、『聖杯』たる肉体を固め、いずれは『万能』の願望器『聖杯』を真の意味で創り出す。
マリウスレッジ家の目的はこれによる根源への到達である。

しかし。マキュラ・アンシエンテンスは聖杯であることを望まなかった。『普段は普通な、ピンチの時に輝くような、魔法少女になりたい』とむしろ望んでしまった。そして彼女はその起源故か、願うことに関しては極めて優秀であった。
結果として、マキュラは孤児院を脱走。後は願いに任せ、幸運をつかみ、なんとか1人暮らしの普通の女の子へと成長した。

だが、マリウスレッジ家も黙ってはいない。追っ手を差し向ける。彼女ほどの能力の持ち主はいない。後は思考を再度薬漬けにでもして変えればかなり優秀な『肉』になれる。
しかし彼女はそれを撃退する。その目的も、自分の運命も知らぬまま。
これが彼女の日常で、本当の平穏はまだ遠い。

特技:叫ぶこと
好きなもの:魔法少女…は今でも好きだよ。はい。でも恥ずかしい。
苦手なもの:めんどうごと。いやそりゃチンピラが迷惑かけてるとかならちゃんと成敗しますけど。変身せず。
願い:普通の女の子になりたい。

【一人称】ボク 【二人称】キミ、あなた 【三人称】あの人、○○さん

**行動規範・行動方針
基本的にはごくごく普通の元気目女の子。経歴のわりにすれてはいない。諦観している。
異常な日常だったこと、魔術師としての教育を受けてはいないが『聖杯』についての異常な教育はしっかり受けている上、その後一般常識を学ぶ上でカルト的な何かと認識したので、
聖杯戦争とか言われても…なにそれ…。あんまり聞きたくないワード…。
正義感はあるけど戦闘するのは嫌い。変身そろそろ恥ずかしい。なんかもめごとがあるなら逃げたいタイプ。


**参戦理由
ことあるごとに心の底から願ってるのでそれで呼ばれたかもしれない。自覚なし。

**サーヴァントへの態度
おれじゃない
あそこらへんのだれかがよんだんだろ
しらない
すごいめんどうそうだからいや

呼んだ自覚がないし戦争とか言われても困る。さよなら…。…ついてくる…。

**役どころ・コンセプトなど
アクティブに動ける無自覚一般人…?
聖杯戦争も魔術師も知らない独自の世界観の中にいる人。
ただ多分なんだかんだ巻き込まれそう。いや巻き込まれる。


[+]台詞例

「ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。花も恥じらうごく普通の女の子だよ。ほんとに。」

「さてと、ここなら人もいないし。宿題の答えを、閃きたーい!…よし!答えがわかる…。答えしかわからん…。」

「孤児院時代…。まあそりゃ、やたらと褒められるのは悪くなかった。けどなんか、ボクの望みとは違った。それだけ。」

「ここは銀が適当かな…槍となれ!『&ruby(マレフィック・ブレイカー){銀の穿ち手}』!」

「サーヴァントだか何だか知らないけど、ついてくんなっての!しっしっ!」

「あなたも聖杯戦争とかいうのの関係者なの?またぁ?聖杯って言葉がちょっともう勘弁…。」
[END]
*一般人の日常置き場
[+]まあ。一番よくあることだと思うよ、ボクは。
「ああ!今度はなに?とかげ?」
明確な敵意を剥き出しにした、四足と長い尾を持った異形が襲いくる。…その形は蜥蜴と言えなくもないが。それはマリウスレッジ家の刺客。正確には仮初の願望器から生み出された、新たな肉を求める怪異。
しかしただの一般人であるマキュラ・アンシエンテンスはそんな事情は知らない。定期的に怪物に襲われることだけ認識している。
小さな生き物『グル』に彼女は呼びかける。とりあえず変身しないと死ぬ。
「いくよグル!変な力があっても、ボクは普通の女の子になるんだから!それは、つまりだね。心の底から叫びます!魔法少女に、なりたーーい!!」
叫ぶと共に、マキュラの体をグルが高速で回る。コートが肉の皮膜に変わり全身を覆う。Tシャツはひらひらふわふわちょっとホラーなファッションに変わる。ミニスカートも、伸びる。もふもふになる。ちょっと男らしい武器もつけちゃう。そして髪の毛!ロングに伸びるのさ!やっぱり変身といえばこうだよね!ツインテール!!
そうしてキラキラコワコワなコスチュームが完成!これがジャスティス!変身が終わりグルが肩に飛び乗る。さあ!カッコよく名乗りをあげよう!
「変身完了!&ruby(マレフィック・ドーンアウト){『夢幻変身!魂より叫び現れる者!』}!」
マキュラ・アンシエンテンスは願いをそのまま魔力として出力できる。これがマリウスレッジ家の女性の特性であり、大半はその特性を幼いうちに暴走、消滅させる前にマリウスレッジ家の『贄』となる。彼女はそれをコントロールしきったままこの年齢まで育った異常な存在だった。
魔法少女の器として自身を定義し、その願いを叶える。
「さあ、とりあえず。やるか。」
そして怪異に立ち向かう。これが彼女の日常。
[END]
[+] バイト先の憧れの先輩とか、よくあるよね。
「うー。なんか、お腹いたいきがする。」
ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。取り立てて何かあるわけではない普通のハイスクール女子。まあ。すこし。変なとこはあります。
まあでっかい鞄を背負ってるのは、目立つ。でも仕方ないんだ。沢山コップを持っとかないと、何かあったときに困るし。それにペット…?友達…?の不思議な生き物グル。私の"魔法"で生き返らせたかわいい子。
だけど、ちょっと人前では目立つ。だから鞄の中に隠さなきゃいけない。
「バイト…いかなきゃ…おなかよりたいせつ…。」
お腹が痛いというのは割と問題で、心の底から叫べない。"魔法"がうまくいかない。骨折とかのがマシだ。というかあいつらと闘った後は毎回傷まみれだし。
ともあれ、16歳になったボクは、それなりにバイトができるようになった。年齢制限はどうしようもないけど、体力ならどうとでもなる。そのはずなのに。
「ああグル。心配要らないよ。ボクは常に金欠。だから行かなきゃならないんだ!」
グルに心配されてしまった。とりあえず、気合でバイト先まで走る。自分で詰めた荷物とはいえ、鞄が重すぎて死にそう。

まあ、毎日バイトは入れてるわけだけど。特に多いのがこのファーストフード店。そう、普通でしょ?ボクは普通の女の子なんだ。お客が今は少ないから、お腹いたいのもなんとか我慢。我慢だボク!あーお腹いたいお腹いたいお腹いたい思いっきり叫べるなら一瞬で解決するのに!
「…大丈夫?アンシエンテンスちゃん。」
声に出ていたか。それとも態度か。先輩の男の人だ。よくここで働いているから、よく会う。ちょっと優しい雰囲気の人。名前は…ワースロールさんだったかな?名前を覚えるのが苦手なのだ。ボク。
「ああ…すみません。大丈夫ぁぃた…。」
激痛のタイミングが悪い。誤魔化せなかった。きっと体調管理とかそういうことは優しい人だから言わないけど迷惑かけちゃうんだろうなボクのバカ!
「…お腹が痛いんだね。無理しなくていいよ。まだ暇な時間帯だし。…その。女の子にこんなこと言うのは少し気恥ずかしいけど。…お手洗い、行ってきたら?」
あーあーあーもうダメだ。言わせるべきでないことを言わせる。気遣いはアウト一直線。迷惑千万。死ぬしかない。とは言えず。
「ありがとうございます、先輩…行ってきます…。」
ありがたく慈悲を受け取る。仕方ない。女の子として恥ずかしい。
トイレに篭って寂しく呟く。
「ワースロールさん、ボクの初恋…。」
そう。恥ずかしながら。初恋の人だった。優しいし、いつも会うし。自然とちょっと気になった。でも。いや仕方ない。あの日。ワースロールさんの彼女さんがお店に来た。背が高くて美人さん。ボクなんかとは大違い。始まる前から完全敗北だった。
だから。だから。あまりにお似合いだったから。その日はせめてと思って。思いっきり叫んだ。
「私の初恋の人が、末永く幸せになりますようにーーーー!!」
別に献身とかじゃない。ただやっぱり。ボクなんかがチャンスを狙おうとするのは不健全だと思ったし。なによりお似合いだったし。別れて落ち込んだりしたらワースロールさんがかわいそうだし。とか諸々。
ボクの初恋はそれで終わり。"魔法"も使ったから完全にノーチャンス。ボクのありきたりな長所の一つは、諦めができること。多分そう思う。他にあるかな。考えておこう。
とりあえず少しお腹は落ち着いた。あー、でもちょっと思うのは。なにか、運命的な出会いとか。ちょっとしてみたい。"魔法"に頼らず。すぐ頼っちゃうからなあ我ながら。いかんいかん。
「さあ。戻ろう!完全復活を遂げたボク!」
誰もいないから小さくポーズを取る。…はい。まだそういうのには憧れてます。ともかく何か、白馬の王子様とは言わないから。劇的な出会い。それもほんとに偶然で。ずきゅーんとなってみたい。
そんなことを思いながら、急いで日常に戻る。

…今夜も変な化け物に襲われて、変身してボコのボコに殴ったりしたのは割愛します。
あー!!!!普通の女の子に、なりたーい!!!
[END]
[+] 普通に学校には通ってるよ。友達?うるさい!
おはようございます。ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。極々普通で並み一通りのハイスクールな女子。16歳。学校は正直テンション下がる。毎日行くけどテンション下がる。
だって!みんなでっかい鞄を変な目で見てくる!ボクがまるで普通じゃないみたいに!みんな知らないからそんな目で見れるんだ。コップを大量に持っておくこと。グルを常に連れていること。これがどれだけ死活問題か。ボクの命に関わるんだぞ!
まあみんなどうでもいいか。とりあえず目立たないところに座る。鞄をごちゃごちゃ鳴らしながら教材を取り出す。変な目で見るな。あー!教科書がない!しまった!この授業は教科書ないとどうにもならん!
いや、解決策はある。恥ずかしいのは今更だ。プラスチックでいいや。一つ手に取り学校の外へダッシュ!外なら適当に適当な場所があるんだいつもの暗がり!よし!やっぱり誰もいないぞ!
ボクのちょっと人と違うところ。なんと"魔法"が使えちゃう!やり方は!器を持って思いっきり!心の底から!願います!
「忘れた教科書に、変わって欲しーーーーーい!!!!」
プラスチックのコップがボロボロの教科書に変化する。まあ読めればいいや。おっと時間がまずい。急いで戻る。
そんなことを毎授業今日は繰り返した。いつもコップを入れてばかりで教科書を忘れてしまうボク。
まあ実質、教科書を持ってきていると言っても過言じゃない。…ちょっと恥ずかしいけど。
…グルが少し呆れている。キミを入れるスペースのために教科書は犠牲になったところあるんだけど?
学校といえば。とにかくこれも密かな願いで、その上"魔法"に頼るべきではないと思ってることなんだけど。やっぱり、友達が欲しい。いない。バイト先の先輩のワースロールさんくらいしか交友関係がない。
しかしあの素敵な先輩は大事な人が既にいるのだ!ああ!というか!女子の友達が欲しい!男の友達も欲しい!それが、ボクみたいな元気で普通の女の子にふさわしい交友関係じゃないかな!?
結局、ボクは学校の誰からも距離を置かれている。変な人だと思われている。それ自体がちょっと、寂しい。でも。これは"魔法"で解決してはいけない。もっと純粋な私利私欲。誰にも迷惑をかけない方法。そういう時だけ"魔法"を使うべきだと、ボクなりの信念がある。
そこは、我ながら。本当に普通の感性だと思う。ボクは普通じゃない。本当はそれはわかってる。だから普通になりたい。そう願っている。
けれど。それはあまりに漠然としすぎているらしく。あるいはなにか"魔法"でなんとかするには影響が大きすぎるのか。
いくら願っても、"魔法"は出てこなかった。
だから。ボクはそれのために努力している。化け物共に襲われず、友達ができて。そしていつかは、その。好きな人と結ばれたら嬉しいなって、思う。
それは人並みかもしれないけど。絶対に"魔法"で叶えてしまっていい願いではない。これはボクの信念だ。
さあ、なんだかんだ。授業は全部終わった。帰ろう。いつものように1人で。
そう思ったとき、声をかけられた。
「あの、聞いてもいいですか。そのコップ。絶対意味ありますよね?」
眼鏡をかけた大人しそうな女の子。理屈とか理論とか好きなのだろう。それは第一声でわかる。
「そりゃ、意味あるけど。教えるのはちょっと難しいんだ。ごめんなさい。」
何せ自分でもよくわかってない。器が大事なこと。願いが必要なこと。それ以外はさっぱり。
「なるほど。前から気になっていたのです。あなたのこと。だからお聞きしたのですが。自分でも仕組みがわからないというのは、面白いですね。」
なんか乗り気だぞこの子。
「よろしければ、ですが。それをわかるためのお手伝いをさせていただきませんか?」
反応に困る。バレて困るというよりは、変身してるとかを明かすのが恥ずかしい。
でも。それより欲求が大きかった。こんな自然な友達の作り方ができるなんて!
「じゃあ、それって。ボクと友達になってくれるってところから始めるのはどうかな。ほら!まずは信頼しないと情報は出せないや!困ったなー!」
完璧な理論武装だ。決まったな。ボクの友達作戦完了。
「まあ、そういうことなら。マリア・イシューメルです。よろしくお願いします。」
やった!やったーーー!!!
「えへん!ボクの名前は!マキュラ・アンシエンテンスです!よよよよよよろしく!」
テンション先走り。ともかく友達ができたぞ!これで!普通になれるよう近づいた!ボクはめちゃくちゃ舞い上がった。

その子がなんだかとんでもないトンチキで、ボクの願いの仕組みをわけわからん方程式で書いて無言で渡してくるタイプだったのは、少し誤算。
[END]
[+] 休日の終わりが一週間で一番憂鬱。あるあるだよね。
「よっしゃー!今日は思いっきり遊ぶぞ!」
ご機嫌よう諸君!ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。超普通のハイスクールな16歳!
今日は一週間唯一の休日!存分に遊ぶぞう!お金がないけど。まあ休めるだけでも問題ない。休もう。ほんとにそれだけだ。毎日毎日クソ重い鞄を担ぎ。毎日変なのと戦い。疲れてるんだよ!家ならいくらでも叫べる。願える。
「お菓子になれ!!!!」
とりあえずお菓子を作った。出かけて買うのもめんどくさいのだ。ぬてーん。そしてテレビを見ながらバラボリ。録画だって今しか見れない。あー、ボク今最高に充実してるね。
もっとなんかアウトドアな遊びはないのかって?友達のいない話する?いや今は違う。ボクにもマリアちゃんという友達ができた!たまに無言で訳のわからない数式?かこれはみたいなのを送りつけてくるけど、ちゃんと喋ってるんだぞ!そして我ながら友達いない割にコミュ力あるんだぞ!偉いよね?これもグルのおかげ。多分。
グルはボクの最初の友達。不思議な生き物。意思疎通はできるんだ。ボクがどうしても願ってしまったこと。"友達が欲しい。"いけないタイプのお願いだって、今なら分かる。でもきっと、グルがいなきゃもうボクの心は壊れてた。だから、グルを願ったのは間違いじゃないと思う。
…それに、キミの存在は間違ってるなんて、グルに失礼だし。狭い部屋を走り回るグルを見て、やっぱり可愛いなぁと思う。
…と、こんな感じのだらだらした休日がボクの普通で普通な過ごし方なのでした!ちゃんちゃん!

で終わればよかったのに。お休みの日のもう一つのお約束。日が暮れてきたのでさっさと外に出る。家が壊されるわけにはいかないから。人気のない場所へ移動する。
ボクを毎日毎日襲ってくる化け物。いつもは大体勝てるけど。"七日目は違う。"理屈はさっぱりわからない。安息日ってやつと関係あったりするのだろうか。けど。多少の欠損は、覚悟しないと。
今まで何度も死ぬ寸前まで行った。全身全霊。銀の杯にボクのバイト代が消えてゆく。嗚呼。そうくだらない考えをしていると。
『来た。』いつもの化け物とは違う。いつもは黒っぽい生き物なんだけど。七日目に来るのは、大体。なんだか人の怨念を形にしたような。明確な意思を持った異形。気配からして、違う。
いつのまにか目の前に現れたのは、小さな花束。大体こうやって普通のものが出てきて、それを軸にめちゃくちゃになるんだ…。毎週毎週死ぬ覚悟をする。それには慣れたけど。死にたくは、ない。ボクは普通の女の子なんだもん。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

マリウスレッジ家の願望器。無能の聖杯。それはさらなる『肉』を求める願いを叶えんと、怪異を生み出す。マリウスレッジ家はそれを刺客として送り込む。
しかし七日ごと。それは万物が完成する周期。その肉塊の大釜は更に明確な願いを生み出す。あるいはきっと。『肉』になった誰かの切なる願いなのだろうか。明確にマキュラ・アンシエンテンスを標的として、ささやかな願いの結晶が生み出される。
そして生み出された結晶を軸に、歪んだ願いが異形を形作る。『なぜ、お前は』『なぜ、まだ人でいる』『こんなに素晴らしいのに』『こんなに醜いのに』『加われ』『同じ目に逢え』『憎い』『哀れだ』
''『我ら聖杯たる人は、聖杯たらねばならないのだ』''
その軸にあった願いの結晶は、確かに『肉』が人であった証なのに。それはもう、人ではない。弔えるのは、対峙する少女のみ。マキュラ・アンシエンテンスがその核となる結晶を破壊することでのみ、救われる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

花束がなにかおぞましい肉に包まれていく。いつも思う。綺麗で小さなものを、暴力的に塗り潰す。それは、例え自分で望んだとしても。やっちゃいけないと、思う。なんとなく。理由はボクには見つけられてない。
出来上がった。花束のようなカラフルな頭部。薔薇のトゲが全身を形作る人型。七日目に現れる敵の特徴。それは、人のカタチをしていること。そして。
「アラルヨテネ」「カフィサベク」「ケラケラケラケラケラケラ」
そいつはいつも、なにかの言葉を発する。馬鹿にしたように笑う。明確な知性がある…ってことだと思う。それは全く読み取れないけど。理解できずに殺し合わないといけないのは、悲しい。言葉がわかれば殺し合わないで済む、というほど簡単ではないのだろうけど。理不尽なのはキライだ。
だからボクはいつも。その身体が完成するまでは、攻撃できない。正々堂々ってわけじゃないけど。攻撃が通る保証もないけど。これは多分、1人の人との分り合いだと思うから。
「グル。今日も辛い闘いになりそうだよ。慣れっこか。ボクはまだ慣れないや。さあいくよ!魔法少女に、なりたーーい!!」
そうして心の底から願う。魔法少女は正義の味方。時には悪の心をも救う。どんな時でもくじけない。ボクはそれに憧れたんだ!
「&ruby(マレフィック・ドーンアウト){『夢幻変身!魂より叫び現れる者!』}!…さあ。花束さん。倒すことでしか救えないけど。どうしても、キミたちは苦しそうにしか見えないから。ごめんね。」
こちらの言葉を理解しているかはわからないけど。花束さんは、確かに全てを聞いてから攻撃を開始してきた。


「全身トゲだらけ。とりあえず素手じゃ無理だね。」
今日は厳選した戦闘用の鞄。武器用の銀。使い捨ての陶器。物量のプラスチック。
…まあいつものと違うところは、整頓されてることと、グルが入ってるかどうかだけなんだけど。
とりあえず武器が必要だ。この子たちと戦う時に必要なのは、核となる願いを捕らえること。今回は花束。おそらく頭部にあるだろう。なら。
「槌となれ!&ruby(マレフィック・フィスト){『銀の破壊者』}!」
頭を全部潰せば勝てる!ボク天才!
とはいかなかった。無数の蔓からなる腕が邪魔してくる。ぐえー。先にこっちをどうにかしなきゃいけない。
「再編!鋏となれ!&ruby(マレフィック・リパー){『銀の断罪』}!」
手元のハンマーをハサミに変換する。これでチョキチョキやっていくしかない。明日の課題終わってないのに、長丁場になりそうだ。ショック。いや、まずは明日無事に学校に行けるかを考えなければ。
ばさりばさり。襲いくる蔦をかわしながら全部ちょんぎっていく。まあ正攻法って大事だよね。どんどん相手の攻撃が少なくなる。さああとは頭を殴って終い!
ずぶり。ぐさり。あれ。何か貫かれた。しまったな。近づいたら身体からの蔦も襲ってくるのか。どこだ?心臓ではないだろうな。そこは守ってあるし。どす。どす。どす。ああ、追撃されちゃった。油断するからだ。
口から大量に血が出てくる。肺とかお腹とかだろうか。串刺しにされたのは。とりあえず回復しないと。
「こひゅっ…。」
そう思ったのに、口からは叫び声が出てこなかった。そうか。お腹とかがボロボロじゃしょうがない。ボクの負けってことか。それじゃあボク、ここで死ぬのか。死ぬ?嫌だよ、そんなの。まだボクは、こんな、普通じゃないことで死ぬなんて。普通の女の子になりたいだけなのに。どうして毎日命を狙われなきゃいけないの。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。そうだ。そうだ。そうだ。そうだ。
''&size(14){お前が死ね。}''

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼女自身は自覚していないが。心の底から全てを願いに染め上げられるなら。その力を使うのに、叫ぶ必要など、ない。
彼女の全身が巨大な肉塊に変貌する。傷は自動的に塞がり見えなくなる。完成したのは、大砲。殺意の顕現。どこかに口がついているのだろうか。彼女の声で、攻撃宣言が成された。

''&size(22){「死んでくれ。『&ruby(マレフィック・ディスペア){絶無の巨砲}』。」}''

黒い光条。問答無用で『花束』の全てを覆った。"願い"を受けて、防御すらせず。跡形もなく消え去った。
決着は一瞬。分り合いはマキュラ自身の手で打ち切られた。間も無く肉塊は崩れ去り、中からは気を失った1人の平凡な少女が出てきた。狭い路地裏に残ったのは。眠る少女と、その爪痕。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おいなんか、大きい音したよな?ここら辺か?」
うーん。もう少し寝かせて。
「おい見ろ。なんか壁が抉れてるぞ。それに…女の子が寝てる。」
そう。寝てるんだー。むにゃむにゃ。
「…若いな。14.15くらいか。そんなに顔も悪くない。身体は貧相だが。」
16には見えないかぁ。なんか失礼だなぁ。
「悪いな嬢ちゃん。こんなろくでもない所で寝てたら、ろくでもないやつに捕まるぜ。まあいい人生経験と思いな。」
なんで寝てるんだっけ。わかんないや。
あれ。担がれたみたい。気持ちいいし、もう少し寝ていよう。ぐったりだ。

沢山の戦闘用のグラスは全て置いて行ったまま。グルだけが友の危機を察知し、こっそりと2人の男について行く。
[END]
[+]トラブルは嫌い。みんなそうだよね?
みなさま…おはようございます…。ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス…うぅ。気づけばよくわからない部屋で。腕を括られ足を縛られ。口にはガムテープ。まったく動けない状態にさせられています…。
「おお、目が覚めたか嬢ちゃん。流石に寝てると反応もなくて面白くないんでな。待ってたんだ。」
若いでかい男の人だ。こわい。
「まあ、悪いようにはしないよ。あんな所に1人寂しく寝てるような子だし?きっと親御さんもいないか、見捨てられてるか。居なくなっても心配されない。」
若い目のギラギラした男の人。こわい。
「さて、じゃあお楽しみといこうか。おい、口はどうする?喋ってもらったほうが楽しくないか?」
口、口。そうだ!よくわかんないけどピンチなら、コップがあれば…。どこにもない。置いてきたか。当たり前だ。
「いいね。泣き叫んでるのも、だんだん慣れてくるのも。やっぱり聞きたいね。」
そう言って、口の拘束が解けた。何か言ってやらなきゃ!正義の味方として!そう思ったのに。声が出ない。身体が震えているのに気づく。涙が流れ出したのに気づく。
「えぐっ…。ひっく。ぐすっ…。」
絞り出せたのは嗚咽だけ。いつものあいつらより、非日常すぎて、怖かった。
「いいなぁ…。なんか活発そうな雰囲気なのに。普段の姿を知ってたらもっと唆られたんだろうなぁ…。」
そうして、ゆっくりとこちらに近づいてくる。涙が止まらない。魔法少女は正義の味方なのに。こんなところでくじけるのか。情けない。誰か、たすけて。そう願っても。何にもならないのか。
どん。どん。どん。ドアを叩く音が聞こえる。こんなボロ小屋だ。助けなんて来ない。どうせ誰か身内だろう。ボクを蹂躙する人が増えるだけ。
「…おい。誰か呼んだか?」
「いや?でも誰かに見られてはないはずだよね。」
警戒しながら男は扉を僅かに開ける。相手を確認するために。ーーーーーその隙間があれば、十分だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

グル!グルだ!グルー!助けに来たって気持ちが届く。ボクとしたことが、パニックでグルのことを忘れるなんて。
男たちは戸惑っている。いきなり妙な小動物が入ってきたからか。でもボクとグルが揃えば、絶対無敵だ。
「君のペット?大型犬でも飼ってりゃ助けになったかもしれないけど。そんなちっちゃい可愛い子じゃ。残念だね?」
いつのまにか身体の震えは止まり。嗚咽も治まった。
「グルはボクの友達。そして二人が揃えば、キミらみたいな悪者には負けないよ!
行くよグル!魔法少女に、なりたーーーーーい!!!!」
グルがコスチュームを形作る。力がどんどん湧いてくる。さあ、悪を成敗するぞ!
そして一瞬でケリをつけ。ついでにこいつらを縛っておいた。ざまーみろ。乙女の純潔は、日常は、こんな奴らに壊させないんだから!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まあ。当然。学校には遅刻。授業内容を教え合う友達がいればなあ。しょぼしょぼと席につく。
「マキュラさん。大丈夫ですか?」
マリアちゃんだ。最近できた、グルを除けば初めての友達。ちょっと変な子だけど。
「ああ、言いにくいなあ。うーん。」
でも友達だし。言っちゃえ。変身云々は隠して遅刻の理由だけ言った。絶句された。
「…そんなの。あまりにもひどい。意識を失っている人がいるなら、介抱してあげるべきなのが当然。それを、それどころか。酷すぎます。」
すごく怒ってくれてる。過ぎたことなのに。なんだか嬉しい。
「…でも、無事で本当に良かったです。ああ、そうだ。来ておられなかったので、ノートを二人分。取っておきました。ノートならいくらでも持っているので、そのままもらってください。」
なんだこの子。女神か。ボクは思わず彼女のほっぺにキスしそうになった。やめたよ?だからセーフ。
「ああああありがとう!!!マリアちゃんは永遠の親友だよ!!!!」
やばい。願望が漏れた。
「私も、マキュラさんとずっと仲良くできるなら。嬉しいです。…ですから。今日みたいな危ない目には、合わないでくださいね?」
うぅ。危ない目には毎日会ってる。耳が痛い。ボクのせいじゃないけど。ああでも、今日はほんとに危なかった。よく覚えてないけど、死にかけた気もするし。
これ以上の大変な目に遭うのは、生涯ないといいなあ。マリアちゃんとずっと友達でいなきゃいけないんだし。死んでたまるか!


まあ、本当に。そう思ってたよ。それこそ心の底から。そのはずだったのにな。
[END]
[[まあ、こういうのも普通。だと思う。]]アダルト
[+]眠れない夜も当然ある。人それぞれの理由だとしても。
こんばんは。もう朝近いけど。ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。なんか眠れない16歳。
少し、思う時がある。今のこれを、日常と思っていいのか。学校では変わり者。バイトで必死に一人暮らし。そして化け物との殺し合い。
もちろん、救いがないわけじゃない。マリアちゃん、ワースロールさん、グル。少ないけど、人と繋がっている。だからこそ、思う。
もしボクがあの化け物に殺されたら。一応、勝ち続けているからここにいるとしても。いつだって綱渡りなのはわかってる。
そして、死んでしまったら。繋がってしまった人たちに、なんて言えばいいんだろう。死んだら何も言えないけど。少なからず、ショックとか、迷惑とか。かけてしまうだろうな。

ボクが襲われる理由はわからないけど。ボクに原因があるのは嫌でもわかる。だから毎回人のいないところへ誘い込んでる。関係ない人を巻き込んでの戦いなんて、サイアクだ。
そうやって、ボクなりに。人に迷惑をかけないようにしたいと思ってる。悪い人は成敗したいけど、殺したりはしたくない。
あまちゃん、なのかな。でも、ボクにはそんな重いもの背負えない。やっぱり、普通の女の子になりたいから。

いくら異常な自分を自覚しても。ボクは常識外れにはなれない。悪いとは言い切れないけど、結局勇気がないってことだ。カッコいい魔法少女みたいには、なれないのかな。
いつか、いつかって思う。普通の女の子になりたい。ホントのホントに心の底からの願い。ただひとつ叶えられない願い。
いっそ、昔みたいに。生活を捨てて戦うだけの生活をしてみようかと思ったこともなくはない。でもそれは、諦めだって知ってる。まだ諦めたくない。願いを手放したくない。絶望、したくない。
そうしているうちに朝が来る。きっと今日も、いつもと一緒の異常な日常。絶対に、慣れちゃいけない。ボクは改めて決意する。

異常な日常。それすら壊されたら。ボクは、どうなっちゃうんだろう。
[END]
[+]課題が好きな人は普通いないと思う。
うー。課題が終わらないハイスクールガール、マキュラ・アンシエンテンスです。いやね?答えがあるなら、答えがあるなら閃けるよ?"魔法"で。
でもね。今ボクの目の前にあるのは。
一枚の、レポート。そう、まだ一枚目。真っ白。本読んで書けってやつ。無理。

自分で言うのもなんだけど、ボクは勉強がニガテ。そりゃそうじゃん。最近ようやく学校に行きはじめたわけなんだから。
むしろ追いついていることに驚愕してほしい。まあいいや。
目線は真っ白なレポート用紙に向いたまま。本は読んだかって?最初と最後は読んだ。
これで大体何とかなるように、レポートというのはできている。そう、後は水増し。最初と最後の感想を水増し。
それで毎回赤点を回避してるんだから、褒めてほしいよね!とはいえ誰も褒めてくれるわけもなく。

椅子の足元にいるグルを見やる。眠そう。でもめをしぱしぱさせながら起きていてくれる。
最近ボクが徹夜気味なのを、気にしてくれているみたい。申し訳ない。
確かに眠いと色々問題。勉強だって、バイトだって、戦いだって。全部に支障が出ちゃう。
しかし、今日は寝るわけにはいかんのだ。明日提出だから。
ペンを取る。消しゴムは使わない。これがボクのスタイルさ。だって書いた文字数が勿体無い!
よし!よし!頭の中でなんとなーく高尚な考察を思いつく。思いつけ。つけ。ついた。
えーと、冒頭は。
「この本を読んで、私が感じたのは」
とりあえず、詰まった。しかし消しゴムは使わないよ!ボクだってこんな読書感想文みたいな書き出しはよろしくないってわかってる!
でも!じゃあ!他に何があるの!

それを知りたくて、マリアちゃんに前聞いたのを思い出す。
「レポートってどう書くの?難しいよね?」
「確かに難しいですね。まず具に読んで意図を汲み取らないと。そして次はそこに自分の考えをしっかり持てないと。さらに次は対案なり具体例なりそれを補強する情報がーーーーー」
ここら辺以上は覚えられなかった。達人こそ難しいと言いがち。
とりあえず必死に書く!すらすらすらすら。腕はもう無理やり動かす。
前後だけ繋がっていれば文章は破綻しない!
そう!大事なのは!どん詰まりにならずに結論まで文字数を稼げること!

そうして書いて書いて書いて書いて。時計を見たら、0時を回っていた。まあそれは想定内。
どん詰まりになった。これが想定外。
うぅ。心の中で号泣しながら消しゴムを擦る。
ごしごし。ごしごし。紙が黒ずむ。努力の証が消えていく。
きっと先生はこんな程度の文章に苦労したのかとか思うんだろう。しかたないじゃん!

というか眠い。目を擦る。しぱたく。あくび。グルはうとうとしてる。
あの日の夜、ちょっとえっちなことをしたのはともかく。最近夜まで思い悩む日が多い。悩める思春期ガール。
…ええいまた筆が止まっておる!思考を捨てろ!今のボクは全自動レポートマシーンだ!
そうして、筆を再び取る。今度は左手に消しゴムも取る。
書いて、書いた。消した。また消した。
もう消しゴムを使わないとか言いません。

でーきた!深夜3時!外はギリギリ朝になってない!眠気は通り越したよ!
しかし、達成感はちょっとあるね。間違った達成感だろうけど。ともかく寝れるだけ寝よう。そう思った時。
そこで。気づいてはいけないことに、気づいた。

「これ、いつもより一枚多く書いてるじゃん。」

あーあ。この悲しみが分かるのは不真面目な人だけだろうという悲しみ。
いつもより褒められたけど。多く書いたなって。睡眠時間を返してよ。
[END]
[+]友達とお休みの日に遊ぶ!これぞ普通!
こんにちは!ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス!日曜日の話をするよ!!なんと!!!マリアちゃんと!!!!おでかけしたのだ!!!!!
行った先は!!!!図書館!!!!!!!!
リーズナブルでいいよね。うん。喋れないけど。
まあボクは適当に児童文学とか読むつもりだったんだけど。
そしたらマリアちゃんがどさっと本を積んだ。あー流石だな〜って思ったよ。
そしたらマリアちゃんがすらすらと筆談を。
「マキュラさん、"魔法"の解明のため。一緒に読みましょう。」
はい。わかりました。マキュラ・アンシエンテンス、死にに行きます。
まあもうわけわかんないよね。数学も天文学も占星術も関係ないと思う。
でも必死に読んで何やら書いてるマリアちゃんを見ると、当人が真面目に読まないわけにはいかないよね!
よし!読む!

いや無理だ。専門用語とかそういうレベルじゃなくてとにかく難しい。死。
それでもマリアちゃんがせっかく誘ってくれたわけだから。自分のためでもあるし。しかし読めないもんは読めない。
筆談をちょいちょい。
「たすけて」
もう限界です。ごめんなさい。
マリアちゃんはそれを見てにこり。優しいけど怖い。またさらさらと。
「教えてあげますね。」
わーい。優しい地獄が始まった。

何故疲れているんだ。そして何故何も頭に入らないんだ。ぐえ。
今日は七日目。それを忘れちゃいけないのに。
筆談ノートはもう何が書いてあるかわかりません。
楽しい時間ではあったけど。そろそろ終わりだな。
「マリアちゃん、ごめん。そろそろ時間がやばい。今日はほんとに死ぬかもしれないから、先に言っておくね。
今日はありがとう!今までありがとう!明日も会えたらよろしくね!ずっとだよ!」
図書館の中なのも忘れて、高らかに宣言する。

そうしたらマリアちゃんは、泣き出してしまった。しまった。泣きながらマリアちゃんが言う。
「…そんなこと、言わないでください。いえ、知っていましたけど。マキュラさんが毎日命懸けで戦っていることは、当然お聞きしていましたけど。
そんなふうに、死んでも仕方ないなんて。言わないでください。」

言葉を返せない。友達を悲しませたから?違う。決意したから。それを飲み込むのに、少し時間がかかった。それだけだ。
手を振りながら図書館を出ていく。これを最後になんて、させないけど。

今日は七日目。いつもより違う敵。人気のないところに移動して、出現を待つ。グルとコップも取り出す。いくよ、グル。
現れた。今日の軸はチェスの駒。あれは騎士の駒だ。つまり現れ出る人型は、恐らく。
思った通りだ。甲冑の騎士が現れる。シンプルな造形。化け物らしさはないけど、虚ろに喋り出す。
「ナヤフシネニメ」「メヨ」「メホノヨ」
「魔法少女に、なりたーーーい!!『&ruby(マレフィック・ドーンアウト){夢幻変身!魂より叫び現れる者!}』!」
変身する。続けて銀の杯を2個。願う。
「剣と盾となれ!『&ruby(マレフィック・アームズ){銀の聖光、銀の遮断}』!」
こちらも剣と盾を生み出す。立ち向かう。

互角。互角だった。力と速度ではこちらが上。技量ではあちらが上。がきん、がきんと金属音が響く。焦っちゃいけない。絶対に死なないって、決めたんだから。
突きが飛んでくる。宙返りして躱す。そして突きで生まれた隙は見逃さない。
手元に向け剣を勢いよく振り払う。決まった。剣を弾き飛ばした。
少し警戒する。剣がひとりでに動き出したりしないか。どんな動きがあるかわからない以上、油断はできない。
動かない。騎士さんも動かない。攻めるしか、ない。
「てええええええい!!!」
必殺のジャンプ斬り。瞬間、騎士さんの手中に剣が現れる。
やっぱりね。
それは読めている。ここでプラ杯の出番よ!
「たくさんの毛玉になれ!『&ruby(マレフィック・コットン){もふもふばーん!}』!」
たくさんのプラスチックのコップが一気に毛玉に変わる。狙いは当然、剣をもふもふでかためること!
こちらに向かって振られた剣は、毛玉によって目標が狂い、脚を深く切り裂いた。すごく痛い。でも!
こちらの一太刀が完全に入る。深々と、切り裂いた。チェスの駒が真っ二つになった。脚はいかれちゃったけど、こちらの勝ちだ。
「ごめんね、騎士さん。あなたもきっと、負けられなかったのに。」
敵意が薄くなる。いや、消滅していっているだけか。分かり合えたりは、できなかった。


脚は銀を二つ使って治した。うーん。手痛い出費。でも良かった。生き残れた。

日曜日はこんな感じだった。楽しいことだけでは終われないのが、仕方ないけど悲しい。
でもまた一つ決意を新たに。死んじゃうかも、なんて思っちゃダメだ。最後の最後まで、その気持ちは封印する。

そうして今日、月曜日。会うなりマリアちゃんが抱きついてきたのがハイライト。
うーん、いい子だなあ。
そして今からバイト!そのあとはまた化け物!絶対に全部!やり遂げます!

そう、ボクの周りの人を死なせないだけじゃなく。ボクだって、死ぬなんて思っちゃいけない。
…それはそんなに、難しいことだったのかな。
[END]
[+]オーバーカウント少女紀行。もっと普通の映画だと思ってた。

グッイブニーン!ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス!バイトのない日の16歳!
今日はねえ映画を観るよ!たまには!たまには贅沢したい!
観る映画はもうもちろんこれ!『オーバーカウント少女紀行』!もうタイトルからして魔法少女的なアレに決まりでしょ!
さあ!初めて観る映画館での映画!楽しみだなー!
ノジャー!ジクウケイサツヨ!ショタゾンビノムレガなんだこれ。
トマルンジャネエゾ…キボーノハナーいやさっき会ったばっかじゃん。ショタゾンビがまずわからん。のじゃって何だ。
オーバーカウント少女紀行スタートダヨ?きたー!この子が魔法少女になるんだね?ところでこの腹部はCG?
ナチスニンジャシュリケン!ナチスシャークフォルランタス!は?なんかゾンビがめっちゃ増えてんな。あの槍に刺さったらみんなゾンビか。強すぎでしょ。
ツイニ9日目ガキテシマッター!なんだなんだ。そんな話…一瞬あったな。機神剣豪、レートー。ジンダイヲオワラセル!え。魔法少女は?何でロボ?ラスボス?詐欺じゃない?というかいまの出産シーンガチじゃなかった?
絵面はなんか派手だなー。実写みたい。CGすごいな。このわけわからん展開はわけわからんけど。
はあ。疲れるなこれ。ヒロインが消えて綺麗に終わった。良かった良かった。
は?ラッコ?クソ映画かこれ。
[END]
[+]変なテンションで変なコトをするのは、変じゃない!

ヘイ!そこのいいおにーさん!ちょっと寄ってかない?なんてくだらない客引きをしているのはボク、マキュラ・アンシエンテンス!髪の毛短いボクだけど、実は変身したらツインテガールなのさ!
というのは誰にも見られない仮の姿だったのさ…。それはともかく。どうしよっか。この客引きという仕事。最近始めたバイトなんだ。とは言っても怪しい客引きじゃないよ?個人店で新規立ち上げで知名度が低いから…らしい。中身はカフェ。いつものバイトの合間にね。
こっちにかかりきりは…ワースロールさんにちょっと会いたいしなあ…うーん。まあとりあえず、近くにできたお店がすぐ潰れるのもしのびないしで引き受けることにしたのだ。
とはいえ残念ながらそうお客さんは来ない。ボクが地味だからだな。ショック。派手な衣装とか…。そこで一つの考えが。変身する?いやいや。魔法少女姿は流石に恥ずかしすぎるし、いやいやしかし今だと地味すぎる…。よし。
物陰へGO!グル、いくよ!間をとって叫びます!
「かわいいツインテールの、コスプレがしたーい!!」
グルは非常に困惑していたけど、いつもの要領で変身してくれた。うーん。これあれだな。
服がぴちぴちしてるな。ミニスカなのはいつも通りなんだけど、肩まで腕が丸出しなのがちょっと恥ずかしい。へそ出しも恥ずかしい。ついでに言うならこのミニスカもなんだかいつもより下じゃない?パンツギリギリじゃない?鼠蹊部見えてるよ?
いつもは露出のバランス取ってたのに!まあ自分の思うコスプレのイメージがこんな感じだからこうなったんだ。ヘンタイだと言うと自分に刺さる。
諦めて、客引きを再開しに戻る。長く伸びたツインテールが、風に靡いてついてくる。それだけで人の目を少し惹く。はい、惹きました。
明らかに周りからチラチラ見られ出してました。最初は恥ずかしかったですが、だんだん気持ち良くなってきました。心を込めて客引きしました。
「そこなかっこいいおにーさん、ちょっとこの新しいカフェに寄ってかない?」
そう言うと、チラチラ見ていたお兄さん方は皆どきりとして、脚を止めてくれました。
「このお店の未来の看板娘、ボク、マキュラ・アンシエンテンスが!…いろいろさーびすしちゃうかも、よ?」
少し上目遣いとか、いつもやらないようなあざとい何かが芽生えてきてしまって。無意識にしてしまいました。
えーと。結論から言いますと。おにーさん方が集まるカフェになってしまいました。ボク目当てで。…ちょっとアイドルになったみたいで、ゾクゾクしちゃいました。
店長さんも困惑しながら頼み込んでくれちゃいました。看板娘になってくれないかと。なんだか完全にコーフンしていたので、OKしてしまいました。他のバイトもあるから、(化け物退治もあるから)日と時間は限られますがと言いました。
結果。店の前には看板娘たるボクの写真と、来店スケジュールがデカデカと貼られることになって。…この格好、ほんとに肌色だらけだな。
恥ずかしいだけじゃないドキドキ。危うい道を一歩踏み出しました。
[END]
[+]いつもの月曜日。日常の始まりを告げる日。

こんばんは。ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス。今日も疲れた?ボクも疲れたよ。
でもね、ボクにとって月曜日ってのは結構嬉しい日なんだ。普通はまあ、休みが終わっちゃうってハッピーではないんだろうけど。
マリアちゃんにも会えるし、ワースロールさんにも会える。休日の先にある普通の日常をありがたがったって、それはそれで素晴らしいことじゃないかって思う。
それに。毎週日曜日にやってくる人型の敵。ボクの命が最も危険に晒される運命の日。ボクにとっての月曜日は、それを乗り越えられた証だ。
まあ、それはそれとして平日も化け物が襲ってくるんだけど。
油断はできないよ。それはもう知っている。とっくの昔に知っていて、毎日実感を深める。
絶対に、死なない。日常を迎えるために、みんなを悲しませないために。いつかその先に未来があると信じてるから。
はあ。でも今日の課題はちょっとしんどいな。毎度毎度だけど、他人よりやること多いんだから!課題も減らしてくれないかなあ。
ダメだよねえ。
ぴぽぱぽ。マリアちゃんに電話をして、課題の答えを聞く…という建前でお喋りをする。うん、幸せ。普通の幸せだ。
ずっと続けたいな。
**
「グラタンが、食べたーい!!!!」
えーどうも。女子力皆無の料理人、マキュラ・アンシエンテンスです。
まああれだよね。食事をどう確保するかって言ったら安いし早いし手軽だし"魔法"っきゃないよね。
何か悪いでしょうか。叫んでどーんで一人暮らしを成り立たせるのはずるい?知ったこっちゃないねそんなの!使えるもんは使うよボクだって!
自分じゃ!何も!作れないから!
あー、いやまあバイト先でちょっとだけ料理の真似事をしてないこともないね。
揚げたり。淹れたり。
ファストフード店と喫茶店の二箇所。こんなにたくさんの飲食店で働いているボクが、料理できないことがあるだろうか。いやない。
嘘をつきました。ボクはバイト先ですらちょくちょくミスします。根本的に精密作業に向いていません。
料理程度で精密作業を名乗るなという声もあるかと思いますがノーコメントで。まあとにかく。ボクが向いてるのは接客なのだ。
笑顔は取り柄だよ!ボク!喫茶店じゃアイドルっぽいこともしてるんだから!
コスプレして、上目遣いとかあざといポーズとかしちゃったりして。だいぶ恥ずかしいんだけどね…。
要するに何が言いたいかというと。
ボク料理とかできません。
[END]
[+]これは…普通?変なことはされてないけど…。
ハロー!グッモーニン!グッイブニーン!ボクの名前はマキュラ・アンシエンテンス!花もはじらう16歳の乙女!だよ!
もう年末だろうが年明けだろうが化け物は襲ってくるから死にそうなくらいしんどい!今日も!
バイトも忙しいのに…でも負けるわけにはいかないよね。そう、日常を守るために。今日もボクは頑張ります!
ところで今日はちょっと不思議なことがあって。いつものお前の生活の方が不思議だろと言われたらぐうの音もでません。はい。とりあえず!なんと写真を撮ってもらっちゃった!
いつものように街を駆け巡ってたら、なんだかちっちゃい男の子が喋りかけてきてね?「写真を撮らせてください」って。まあ、悪い気はしないよね。子供の頼み事を断るのもなんだし。
だから写真をパシャり!ポーズをキメて!撮ってもらっちゃった!なんでなんだろうなー。まさか、変なことに使われたり?
いやいや今日は変な格好してなかったぞ!喫茶店で際どい衣装も着てないし、魔法少女も見られてないはずだし。
ただただ不思議だなーと思いながら今日は過ごしたのであった…。真相は後日であった…。

で後日。お写真のことなどすっかり忘れていたのですが。まあ毎日通る道なんて大体は決まってるわけで。きっかり一週間で、写真撮ってくれた男の子と自然と再会しちゃったのだなボク。
じゃあどうするのかって?どうしようね。その子がじっとしてるのを見て、こちらに気づいたのに気づいて。
…ああ、もしかして待ってたのか、と気づいてしまったわけでして。申し訳なさマックス100%だよね。ボクの方はすっかり忘れてたのに待ってて。
その子はそれでも、ぱあっとした笑顔を浮かべて。そして、一つ差し出した。
ボクの写真。あの時撮った写真をくれた。写真を撮る方が上手かったのがあるんだろうけど。素敵な写真だった。
それは、いつ死んでもおかしくないボクの事を記録に残してくれたような気がして。
「あの、いつも写真をこの辺りで撮ってたんですけど。」
男の子が口を開く。
「人の写真を撮るのは、初めてで…。でも、お姉さんのことがなんとなく、すごく綺麗に見えて。撮りたくなってしまいました。」
どきどきした。褒められてるから以上に、きゅんとした。
だから、一つ。サインもどきを描いた。
それから何度か会うようになるのは、また今度。
[END]
*因縁キャラ
:[[]]|
未定

日常の一般人
**ワースロールさん
バイト先の先輩で、ボクの初恋。ボクなんかよりずっと素敵な彼女さんがいらっしゃったのであえなく失恋。
だからええ、思いっきりお願いしてやりましたよ。二人がずっと幸せでいられるようにって。
ほんとに優しい人。真っ当な善人って感じ。こういう人を守ってこその魔法少女だよね。
恋には負けたけど、悪には負けないよ!マキュラ・アンシエンテンス、頑張ります!
ボクの乏しい交友関係の一人。

**マリア・イシューメルちゃん
マリアちゃんって呼んでる、グルを除けば初めての友達。眼鏡をかけたロングヘアーの物静かな女の子。
ボクがいつもコップを大量に持ち込んでたのが気になったみたいで(そりゃ気になるわな)、勇気を出して話しかけてきてくれた。乗った。そうして友達になった。
ボクのわけがわからない"魔法"の仕組みを解析したいらしい。謎の数式と意味不明な文言を無言で手渡してくるちょっと変わった子。
でもとってもいい子。地味めだからか、変なところがあるからなのか、友達はボクくらいみたいだけど。幸せになってほしいな。
ボクの乏しい交友関係の一人。

**男の子
名前も知らない男の子。写真を撮ってくれて、それから何度か会う。
なんでだろ。まあ写真を撮るのが趣味ではあるらしいんだけど。うーん。
いや!名前も知らない男の子にどきどきしたり…しない、しません!
たまに会ってお喋りする。友達とはちょっと違う気がする。
ボクの乏しい交友関係の一人。

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